幹線道路の完成に北側の建設の順番を縛られながら、市と開発会社が街区を作り続けている
Seestadt Aspern
この記録の出典は単一の媒体によるものです。
MeinBezirk は2026年2月3日に、ORF の報道として、Seestadt と南東環状線をつなぐ3.3キロの Stadtstraße の工事が8割まで進み、2月2日に最後のトンネルの貫通に至ったと伝えている。同記事によれば、市は2026年末までの完成を目指しているが、通行の開放は2027年になる見込みだと関係機関の担当者が話している。
何をしたか
ウィーンの旧アスペルン飛行場の跡地に、新しい街区を作っている。MeinBezirk は2024年11月13日の記事(同紙の表示は「Anzeige」)で、この事業が2008年に正式に始まり、240ヘクタールを超える区域を占めること、中心に人工の湖があることを書いている。同紙は2024年11月12日に、最初の住民が入ってから10年で建設は半ばに達したこと、北側の新しい住宅事業 Seecarré が示されたことを報じている。同記事によれば、環境影響評価の宣言により、北側は Stadtstraße と S1-Spange につながるまで建てられない。MeinBezirk は2023年2月23日に、市が続けるとした緑化の取り組みについて、読者から批判の声が寄せられたことを伝えている。
誰が始めたか
前史は飛行場の閉鎖である。 MeinBezirk が2024年11月13日に載せた記事(同紙の表示は「Anzeige」で、PR編集部の署名がある)によれば、1912年に開いた「アスペルン飛行場」は1977年に閉じるまでウィーンの主要な空港で、以後この区域はおおむね使われないままだった。同記事は、2000年代の初めに市がこの土地を欧州でも大規模な都市開発に使うと決めたとし、事業は2008年に正式に始まったと書いている。ただしこの1本だけが伝えている事実であり、他の3本には開始年の記述が無い。
現在の担い手は市と開発会社の2者である。 MeinBezirk(2024年11月12日)は、北側の新しい住宅事業 Seecarré の発表の場に、住宅担当市政委員のカトリン・ガール氏(SPÖ)と、Wien 3420 aspern Development AG 社長のゲアハルト・シュスター氏が並んだと伝えている。同席者として、ドナウシュタット区長代理のカール・ガスタ氏(SPÖ)、都市研究者のコルネリア・ドラバヤ氏、wohnfonds_wien 業務執行者のディーター・グロショプフ氏の名も挙がっている。
緑化の取り組みを打ち出したのは市と区である。 MeinBezirk(2023年2月23日)によれば、緑化を続けると発表したのは都市計画担当市政委員のウリ・ジーマ氏とドナウシュタット区長のエルンスト・ネヴリヴィ氏(ともにSPÖ)である。
いくらかかったか
街区そのものの事業費は、参照した4本のどこにも書かれていない。
金額が出てくるのは接続道路だけである。 MeinBezirk(2026年2月3日)は、Seestadt と南東環状線を結ぶ3.3キロの Stadtstraße について、「Ombudsstelle Stadtstraße」の広報担当者が、現在の見立てでは4億6,000万ユーロの費用の枠に収まりうると述べたと伝えている。これは道路の額であって、街区の建設費ではない。
住戸の側の額も書かれていない。 MeinBezirk(2024年11月12日)は Seecarré について、助成付きで段差のない住まいと、ひとり親への支援に重点を置くと書いているが、助成の額も出所も書いていない。事業者を選ぶ建築競技が同年11月中に始まるとされている。
費用ではないが、目標との差が一つ数字で出ている。 同記事によれば、街区の建設が半ばに達した時点で1万人分の働く場を作る計画に対し、実際は5,000にとどまっている。 シュスター氏は、道路網が全て通ってからでなければ大きな進出は来ないだろうという趣旨を述べている。
真似するなら最低何が必要か
第一に、環境影響評価が建設の順番をどう縛るかを、最初に読んでおくこと。MeinBezirk(2024年11月12日)によれば、この街区の環境影響評価の宣言(UVE)は、北側は区域が Stadtstraße と S1-Spange につながるまで建ててはならないと定めている。ガール氏は、これが当時の環境影響評価の要件であり、これだけの人を一か所に集めるなら流入路が要るという趣旨を述べている。街区の日程が、街区の外の工事に握られている。
第二に、その縛りを外す手続きを用意しておくこと。同記事によれば、開発会社 Wien 3420 aspern は環境影響評価の手続きに変更申請を出し、それが同社に有利に決着した。 シュスター氏は、この決定によって北側の一連の事業が既に建てられるようになったと述べている。
第三に、縛りをかけている工事の主体が誰かを確かめること。MeinBezirk(2026年2月3日)によれば、3.3キロの Stadtstraße は市の側の事業だが、S1-Spange は連邦の高速道路会社 Asfinag の事業である。同記事は、インフラ担当大臣ペーター・ハンケ氏(SPÖ)の説明と Asfinag の頁がともに2026年春の着工を挙げ、完成の予定は2032年だと書いている。街区の残りは、市の手の届かない工程の後ろに並んでいる。
第四に、働く場の数を住戸と別に数えて公表すること。半ばの時点で1万に対して5,000という差が出ている(2024年11月12日)。住戸が埋まっても職場が同じ速さで埋まるとは限らない。
第五に、緑と日陰の費用を、後から足す前提ではなく最初に見込むこと。MeinBezirk(2023年2月23日)は、市が続けるとした緑化について読者から寄せられた批判を並べており、そこではなぜ最初からそう作らなかったのかという問いが繰り返し出ている。ある読者は、敷いたばかりのアスファルトを剥がすことを資源の面で問題だとし、別の読者は、いま植えている苗木が木になるのは20年後だとしている。
第六に、反対運動が起きることを日程に織り込むこと。MeinBezirk(2026年2月3日)は、2022年に複数の抗議の野営が建設地の近くに集まり、Stadtstraße とそれに連なる Lobautunnel に反対したと書き、環境団体グリーンピースがこの道路事業をオーストリアで最悪の建築上の過ちの一つと呼んでいると伝えている。
今どうなっているか
2026年8月時点で確認できた最も新しい記録は、2026年2月3日の MeinBezirk の記事である。そしてその記事が扱っているのは街区ではなく、街区を縛っている道路の工事である。
接続道路は8割まで進んだ。 同記事は ORF Wien の報道として、2026年2月2日に最後のトンネルの貫通に至り、Stadtstraße が8割完成したと伝えている。2本のトンネルは秋に仕上がる予定で、市は2026年末までに完成させて全ての通行開放を得たいとしているが、「Ombudsstelle Stadtstraße」の広報担当者によれば通行の開放は2027年になる見込みである。Seestadt から南東環状線への進入は Ostbahnbegleitstraße を通り、Hausfeldsiedlung 側からの取り付けは予定されていない。
もう一方の縛りは2032年まで残る。 同記事によれば、北側の拡張には S1 の北部、とりわけ Seestadt と Süßenbrunn をつなぐ S1-Spange が要る。着工は2026年春、完成の予定は2032年である。
Seecarré はまだ着工していない。 2024年11月12日の記事は、Stadtstraße の西の接続部が2026年末に仕上がってはじめて Seecarré の建設に入れると書いている。2026年2月3日の記事には、Seecarré の着工に触れた記述が無い。
街区そのものの現況を伝える記録は、そこで止まっている。 建設が半ばに達したという2024年11月12日の記述より新しい進み具合は無く、何棟が建ったか、何人が住んでいるかは、参照した4本のどこにも書かれていない。縮小や中止を伝える記述も、4本の中には無い。
出典
- Seestadt: Notwendigkeit der "Begrünungsoffensive" stößt auf Kritik — MeinBezirk(ドナウシュタット版)(2023-02-23)
- Seecarré im Norden: Seestadt-Bauten müssen auf fertige Stadtstraße warten — MeinBezirk(ドナウシュタット版)(2024-11-12)
- Vom Flugfeld bis zum Stadtteil: In der Seestadt steckt viel Geschichte — MeinBezirk(ドナウシュタット版)(2024-11-13)
- Stadtstraße-Ausbau: Letzter Tunneldurchstich geschafft, Baustelle fast fertig — MeinBezirk(ドナウシュタット版)(2026-02-03)
この記述は間違っていますか。受け取ってから2週間以内に、直すか直さないかを返します。