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花壇と芝生を野菜畑に変えて、誰でも摘んでよいことにした

Essbare Stadt Andernach

ドイツ / ラインラント=プファルツ州(マイエン=コブレンツ郡) / アンダーナッハ市

花壇と芝生を野菜畑に変えて、誰でも摘んでよいことにした
© GABOT — この写真が載っている記事

2010年に城壁沿いの1.6ヘクタールで始まった。2019年にはEUの研究事業の先行都市に選ばれ、2021年時点で手入れは就労統合の非営利会社が担い、2024年には市が催しを開いた。

何をしたか

ラインラント=プファルツ州のアンダーナッハで、市が公共の緑地の植え方を変え、実ったものを誰でも摘んでよいことにした。

ガボットの2021年の記事によれば、2010年に歴史的な城壁沿いの1.6ヘクタール——それまで芝生と季節ごとの植え替え花壇だった場所——を野菜畑と壁づたいの果樹に変えた。初年は100種を超えるトマトを植え、以後は豆や玉ねぎのように毎年ひとつの野菜を主役にした。のちに他の地区や歩行者区域にも、摘み取り用の果樹と、レタスやハーブの高床の畑が加わった。

手入れの作業は、長期失業者の労働市場への統合を行なう非営利会社が、造園と農業の資格者の指導のもとで担っている。

誰が始めたか

きっかけを出したのは、市の福祉部局の長と市長だと書かれている。 GABOT(2021年7月7日)は、当時この動きの発端を与えたのが社会福祉課の長と市長(Oberbürgermeister)だったとしている。同記事は名前を挙げていない。

現場で立ち上げた側には名前がある。 BLICK aktuell(2019年5月13日)は、市の地生態学の技師 Lutz Kosack を「Essbare Stadt を始めた一人」として紹介し、ベルリンのフンボルト大学が条件の異なる相手先の都市を探して2年前に市へ接触してきたという同氏の話を伝えている。同記事には、市で EU の研究事業を担当する Iris Kröger も登場する。

最初は歓迎されていない。 GABOT(2021年7月7日)は、市の環境・持続可能性の担当 Johannes Mader の言葉として、当初この考えは市政の一部と他の自治体から冷笑され批判されたが、早くに結果と高い受け入れが出たことで批判はやんだと伝えている。同記事によれば、2021年時点ではすべての政党がこの事業を支持している。

政党の側からの記録も1本ある。 BLICK aktuell(2013年9月6日)は、SPD の市支部の代表 Marc Ruland の言葉として、市議会で応募を求める動議が CDU 会派の批判的な声を押し切って通ったことを伝えている。この記事は政党支部のプレスリリースの転載でありsponsored: true)、独立した取材ではないので帰属をつけて扱う。

いくらかかったか

始めるのにいくらかかったかは、参照した4本のどこにも書かれていない。 造成費・植栽費・設計費のいずれも出てこない。funding_scaleunknown_fields に申告したままにしてある。

維持の費用については、1本だけが額の桁を書いている。 GABOT(2021年7月7日)は、土地の手入れに市が「低い6桁の額」を負担しているとしている。同記事は具体的な数値も、通貨も、それが年あたりなのかも書いていない。

費用の性格は分かる。 同記事によれば、作業は長期失業者を労働市場へ統合する非営利会社が、造園と農業の資格者の指導のもとで行なっている。つまりこの支出は、緑地の管理費であると同時に就労支援の費用でもある。

費用を下げている要素も書かれている。 同記事は、住民の受け入れが非常に高く、ぶどうの剪定や壁づたいの果樹の手入れに住民が関わっていること、化学的な農薬と肥料を使っていないことを挙げている。Mader は、破壊行為はまれな周辺的現象にとどまっており、多くの人が食べられる作物に高い敬意を持っているようだと述べている。

将来の費用については、この時点の見通しとして「点滴による効率的な灌水で、気候の変化と乾燥に対処していきたい」と書かれている。実施済みの事実ではない。

真似するなら最低何が必要か

1. 置き換える対象を、芝生と植え替え花壇に定めること。 GABOT(2021年7月7日)によれば、2010年に野菜畑と壁づたいの果樹に変えた城壁沿いの1.6ヘクタールは、それまで芝生と季節ごとの植え替え花壇だった場所である。新しい土地を探すのではなく、毎年金をかけて植え替えていた面を差し替えている。
2. 摘んでよいことを、規則の言葉で示すこと。 BLICK aktuell(2013年9月6日)は、この事業の掲げ方を「立入禁止ではなく摘み取り可」という標語として伝えている。BLICK aktuell(2019年5月13日)も、この街では花壇に入ってよく、野菜は誰でも収穫してよいと書いている。
3. 手入れを、別の政策と束ねること。 GABOT(2021年7月7日)によれば、作業は長期失業者の就労統合を行なう非営利会社が、造園と農業の資格者の指導のもとで担う。緑地の管理を、雇用の事業の受け皿にしている。
4. 毎年ひとつを主役にして、内容を回すこと。 同記事は、初年に100種を超えるトマトを植え、以後は豆や玉ねぎのように毎年ひとつの野菜を中心に置いたと書いている。果樹はりんご・梨のほか、桃・ざくろ・アーモンド・セイヨウカリン・いちじくが植えられ、のちに他の地区と歩行者区域にも摘み取り用の果樹と高床の畑が加わった。
5. 見た目と生き物を同じ計画に入れること。 同記事によれば、季節ごとに花の咲く植物と実の採れる植物が隣り合うように組み合わせており、鶏・羊・ミツバチの群れも加わっている。昆虫と鳥のための隙間を常に作ろうとしているとされ、化学的な農薬と肥料は使わない。
6. 最初の冷笑を工程に織り込むこと。 同記事の Mader の言葉によれば、当初は市政の一部と他の自治体から冷笑と批判があった。2013年9月6日の記事(政党支部の発表)も、市議会での応募の議決に CDU 会派の批判があったことを書いている。批判がやんだのは説得によってではなく、結果と受け入れが出たあとだと同記事は書いている。

今どうなっているか

2026年8月時点で確認できた最も新しい記録は、2024年7月8日の Rhein-Zeitung である。ただし本文は購読者向けの壁で途中までしか読めない。

同記事によれば、アンダーナッハは2010年からこの取り組みを続けており、その週末に「Andernach schmeckt(アンダーナッハは美味い)」を掲げた催しが開かれ、多くの来訪者が集まった。写真の説明には、中心市街地の多数の屋台・店舗・市の売り場・城の庭・城壁の堀で来訪者がもてなされたとある。催しは毎月第1金曜の「First Friday」から始まり、同記事は、サッカーのドイツ代表とスペイン代表の準々決勝と重なったにもかかわらず遅くまでの営業が成り立ったとし、店に画面を置いたという商業者団体 AAA の副代表 Heike Reiff の話を載せている。

事業の状態について最も詳しい記録は2021年7月7日の GABOT である。 同記事によれば、この時点で手入れは就労統合の非営利会社が担い、すべての政党が事業を支持し、破壊行為はまれで、緑地の計画で Entente Florale の金メダルを2度受けている。同記事は、100を超える市町村がこれをまねる動きにつながったと書いている。

2019年に始まった EU の研究事業の結末は、参照した4本では確かめられない。 BLICK aktuell(2019年5月13日)は、EU の研究事業 EdiCitNet が5年かけて「食べられる街」がどう機能するかを調べるとし、アンダーナッハがオスロ・ロッテルダム・ハバナとともに先行都市の位置づけを得たこと、青少年センターの近くの約8,000平方メートルで子どもと若者を巻き込む実地の場を作る計画があり、復活祭の休みにじゃがいもと最初の木と低木を植えたところまでを書いている。その後どうなったかを書いた出典は今回の範囲では見つからなかった。

縮小・打ち切り・面積の減少を伝える記述は、参照した4本の中には無い。

出典の性格を明記しておく。 4本のうち独立した一次報道は3媒体・3本(2019 / 2021 / 2024)で、2013年9月6日の1本は SPD の市支部のプレスリリースの転載である。 2013年の受賞の事実はこの1本にしか出てこない。

出典

  1. Internationale Forscher blicken nach Andernach: Die Essbare Stadt Andernach gilt als weltweites Vorbild — BLICK aktuell(2019-05-13)
  2. Andernach: Die "Essbare Stadt" — GABOT(2021-07-07)
  3. Essbare Stadt: Andernach feiert sein einzigartiges Projekt unter dem Motto „Andernach schmeckt“ — Rhein-Zeitung(2024-07-08)
  4. „Essbare Stadt“ hat Vorreiterrolle — BLICK aktuell(2013-09-06)

最終確認日 2026-08-18

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