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離島まるごとを再生可能エネルギーに転換し、見学者を受け入れるアカデミーを開いた

Samsø Energiakademi

デンマーク / ミッドユラン地域 / サムスー自治体(バレン/Ballen)

離島まるごとを再生可能エネルギーに転換し、見学者を受け入れるアカデミーを開いた
© Altinget — この写真が載っている記事

2007年開館以来ディレクターを務めたセーレン・ヘアマンセン氏が2026年5月に退任し、モーテン・ヴェスタゴー氏が後任になったとAltingetが報じた。

何をしたか

デンマークの離島サムスー島(人口約3,700人)は1997年、当時の環境相が公募した「再生可能エネルギー島」選定競争に勝ち、電力と暖房の大半を陸上・洋上の風車やペレット暖房でまかなうようになった。この過程を伝える拠点として2007年に「サムスー・エネルギーアカデミー」が開館し、以来、エネルギーをめぐる意見交換や視察のために訪れる人を毎年受け入れている。

誰が始めたか

BygTekの2005年10月の記事は、サムスー島が1997年に「デンマークの再生可能エネルギー島」に選ばれたと書いている。Rådet for Grøn Omstillingは2019年、この競争を1997年に公募したのは「daværende miljøminister Svend Auken(当時の環境相スヴェン・アウケン)」だったと書いている。同記事によれば、応募の動機は環境面での理念と、島が自ら動こうとする意志、そして成長と雇用の必要とが重なったものだったという。

目標達成の手段として、島内の配管工(VVS'er)向けの講習が開かれ、灯油ボイラーからの転換を後押ししたという(Rådet for Grøn Omstilling, 2019)。

見学者向けの拠点である「サムスー・エネルギーアカデミー」は、建築事務所Arkitemaがサムスー島の伝統的な切妻屋根の長屋建築を踏まえて設計し、Risø研究所(Forsøgsstationen Risø)・デンマーク工科大学(DTU)・国立農業試験場フォウルム(Statens Jordbrugsforsøg i Foulum)・オーフス大学・オールボー大学と連携する研究・研修施設として計画された(BygTek, 2005年10月26日)。開館は2007年で、以来2026年5月までセーレン・ヘアマンセン氏がディレクターを務めた(Altinget, 2026年5月5日)。

いくらかかったか

建物と島全体のエネルギー転換とでは、金額の範囲が異なる。

BygTekの2005年10月26日の記事によると、建設中だったサムスー・エネルギーアカデミー(延床約625平米)の建設費は約1,400万クローネと見積もられ、財団Realdaniaが200万クローネを支援した。この記事の時点では建物は未完成で、翌年の完成予定として報じられている——後年のAltingetの記事は開館を2007年としており、discrepancies に並置した。

島全体の再生可能エネルギー投資については、Altingetが2019年に報じた数字がある。陸上・洋上の風車には3億クローネが投じられ、風力・太陽熱・ペレット暖房などを合わせた再生可能エネルギー全体への投資額は4億4,000万クローネ、そのうち70%を島民約3,700人自身が個人で投資したという(Altinget, 2019年6月23日/8月7日、両記事とも同じ数字)。この数字は2019年時点のものであり、その後の更新は出典から確認できていない。

真似するなら最低何が必要か

第一に、国が公募する選抜制度に応募すること。サムスー島は自ら再生可能エネルギー島を名乗ったのではなく、環境相が公募した全国規模の競争に応募して勝った(Rådet for Grøn Omstilling, 2019)。外部の制度に乗ることで、正当性と(少なくとも計画策定段階の)支援を得ている。

第二に、見学者を受け入れる専用の建物と人員を別立てで用意すること。BygTekの2005年の記事は、エネルギーアカデミーが再生可能エネルギーの情報提供と研究を主目的としつつ、一般に公開される常設の展示室も備える実験館(eksperimentarium)として計画され、3〜4人の職員と4〜6人分の研究者・博士課程学生の宿泊枠を備えると報じている。転換そのもの(風車・暖房の切り替え)と、それを人に見せる仕組み(建物・職員・展示)は別の予算・別の主体で用意されている。

第三に、地元資本での所有にこだわること。Altingetの2019年の記事によれば、再生可能エネルギー投資4億4,000万クローネのうち70%を島民自身が個人で出資した。同じ記事でヘアマンセン氏(当時ディレクター)は、政治家は緑の転換が市場条件だけで進むと考えているが、大企業は地元住民のことを考えず、農地を買い上げて広い土地を切り開く——別の地域(Østerild)で実際に起きたことだ——と述べ、それが陸上風車への反発を生み、結果として今後は高くつく洋上の風車しか建てられなくなっている、と語っている(Altinget, 2019年8月7日)。2026年3月の寄稿でも、ヘアマンセン氏(当時ディレクター)とヤコブセン氏は、地元の共同所有と価値の地元還元を欠いた気候対策は反発を招くと論じている(Altinget, 2026年3月17日)。

第四に、技術転換を担う現場の技能者を早い段階で巻き込むこと。Rådet for Grøn Omstillingの2019年の記事は、島内の配管工向け講習が灯油暖房からの転換を後押ししたと述べている。制度や建物だけでなく、実際に設備を入れ替える職人層への教育が転換の速度を左右したとみられる。

第五に、外部の専門機関との連携を早期に組み込むこと。BygTekの2005年の記事は、エネルギーアカデミーが計画段階からRisø研究所・DTU・国立農業試験場・オーフス大学・オールボー大学と連携する形で設計されたと報じている。単独の自治体施設ではなく、研究機関のネットワークの拠点として位置づけたことが、その後の見学先としての性格を支えている。

今どうなっているか

2026年5月5日時点で確認できるのは、Altingetが報じた指導部の交代である。2007年の開館以来ディレクターを務めてきたセーレン・ヘアマンセン氏が退任し、ミデルファート自治体で2008年からデンマーク初の自治体気候局長を務めていたモーテン・ヴェスタゴー氏(56歳、2026年1月に前職を退任)が後任のディレクターに就いたと、同記事はアカデミーのプレスリリースを引いて報じている。

その約2か月前の2026年3月17日、Altingetにはヘアマンセン氏(当時「leder af Samsø Energiakademi」=サムスー・エネルギーアカデミーの責任者)とAlternativet(オルタナティヴェット)党の国会議員候補ペーター・マーティン・ヤコブセン氏の連名で寄稿が掲載されている。寄稿は、サムスーでの20年余りのエネルギー転換の取り組みから得た教訓として、地元での共同所有を欠いた気候対策は反発を招くと論じている。ヘアマンセン氏がこの時点でなおディレクターの肩書で寄稿していることから、指導部交代はこの直後に起きたとみられる。

サムスー島の人口については、地元紙Samsø Netavisが2023年2月24日、2022年1月1日時点で3,716人、2023年1月1日時点で3,775人と報じている。サムスー自治体は2026年の発表で、2025年に人口が39人減ったと述べているが、具体的な最新の人口は本文からは確認できなかった。

風車への反対運動や再生可能エネルギー投資の採算性についての、独立した第三者による否定的な報道は、参照した出典の範囲では見つからなかった。

出典

  1. Energi-akademi på Samsø — BygTek.dk(2005-10-26)
  2. Samsø – Danmarks energi-ø — Rådet for Grøn Omstilling(2019-06-01)
  3. Danmarks hemmelige klima-superhelt om den grønne omstilling: Vi har ikke lært en skid — Altinget(2019-06-23)
  4. Historien om Samsøs grønne succes: Det første vi gjorde var at danne en forening — Altinget(2019-08-07)
  5. Samsø Energiakademi og Alternativet-kandidat: Den grønne omstilling lykkes kun, hvis den ejes af folket — Altinget(2026-03-17)
  6. Generationsskifte på Samsø: Energiakademi får ny direktør — Altinget(2026-05-05)

最終確認日 2026-08-30

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