43年の住民運動の末に旧繊維工場を受け取り、住民が自分たちで運営している
Can Batlló
2011年6月に住民が敷地に入り、2014年には3年目が報じられた。2019年3月に市の経済委員会が30年(最長50年)の譲渡を承認し、2069年までの管理が住民側に渡った。2025年には敷地内の協同組合拠点が1年目を迎えている。
何をしたか
バルセロナ市ラ・ボルデタ地区にある9ヘクタールの旧繊維工場 Can Batlló を、住民が受け取って自分たちで運営している。地区に施設と緑地が足りないとして住民が市に開放を求め続け、プラットフォーム Recuperem Can Batlló は6月11日という期限を切った。その日、住民は敷地に入った。市が最初に譲ったのは Bloc Onze という1棟だけで、のちに他の建物が加わった。入ってから一か月後、最初の自主管理施設として図書館 Biblioteca Popular Josep Pons が開いた。betevé は2019年3月、市の経済委員会が30年(20年延長可・最長50年)の譲渡を承認し、管理が2069年まで住民組織の手に渡ったと報じている。同記事は、これが43年におよぶ住民運動のあとに来たものだと書いている。
誰が始めたか
地区の住民組織である。 ただし2011年に始まった話ではない。プブリコの2017年の記事によれば、この工場の敷地を地区のために使えという要求は40年前にさかのぼり、その背景にはラ・ボルデタにおける施設の歴史的な不足がある。敷地は19世紀に2,000人以上が働く大きな繊維工場を抱えていたが、次第に力を失った。1990年代の終わり、地区の住民協会は改めて強く要求する好機だと考えた。
倉庫群を所有する会社は、市が住宅を建てられる土地を代わりに提供することを条件に、住民へ用地を譲ると約束した。しかしその取り決めは実現せず、地区は苛立ちを募らせる。 転機は2005年、サン・マディー教会の占拠だった。サンツ社会センターの代表 Josep Maria Domingo は、フランコ時代以来行われていなかった異例のことで、報道と野党の関心を引いたと同記事に語っている。これで合意は進んだが、市は動かないまま時間が過ぎ、住民は街頭での行動、社会センターでの籠城、デモへと圧力を強めた。
2011年に鍵が渡った背景には、住民側の力だけでない事情もある。 プブリコの2020年の記事は、この日が市政の歴史的な交代と重なったことを挙げている。社会党が32年ぶりに市長の座を失い、同じ日に新市長が就任した。加えて不動産バブルの終わりと、15Mの運動の誕生という2つの要因が住民に有利に働いた。
いくらかかったか
事業費は確認できなかったが、運営の収支の作り方は出典に書かれている。
プブリコの2020年の記事によれば、住民が担う部分は主にバーの収入で支えられ、加えて一部の会員が払う会費が助けになっている。彼らは一貫して公的な補助金なしで動くことを望んできた——市が建物の改修に投じる分を除いて。
会費は任意で、300人の会員のうち払っているのは25%にとどまる。 バー以外の活動はすべて無料である。この構造のため、感染症対策でバーを閉じたことは経営に直接響いた。同記事は、自分たちの空間でも、敷地内の協同組合の側でも打撃があり、一部は一時帰休の手続きを取らざるをえなかったと伝えている。
つまりこの事業の財源は「補助金を取らないこと」を前提に組まれており、その代わりに1軒のバーへの依存が生じている。
真似するなら最低何が必要か
出典から読み取れる条件は5つある。
1. 要求を数十年続けられる住民組織。 2017年の記事は要求の起点を40年前に置き、2019年の記事は43年の闘いと書く。どちらの数え方でも、世代をまたぐ長さである
2. 期限を自分たちで切ること。 プラットフォームは6月11日という日付を区切った。相手が動かないときに、こちらが日付を決めている
3. 法を越える行動と、その後の交渉の両方。 2005年の教会占拠は報道と野党の関心を引き、合意を進めた。ただしそれだけでは足りず、そのあとも街頭行動と籠城が続いている
4. 入ってすぐ何かを開けること。 敷地に入った一か月後に図書館が開いた。「勝ち取った」ことを目に見える形にするまでの時間が短い
5. 補助金なしで回す前提なら、収入源を1つに頼らないこと。 バーの収入が止まったときに何が起きるかは、2020年の記事が示している
確認できないのは、市が建物の改修に投じた額、譲渡契約の詳細な条件、そして参加する住民の総数である。
今どうなっているか
2026年8月時点で確認できた最も新しい記録は、2025年3月31日のベテベーの記事である。敷地内の Bloc4BCN が1年目を迎え、39の協同組合が入っている。社会的連帯経済に充てられたこの空間について、運営団体の責任者 Guillem Llorens は、壁を壊して世界中から人が集まる場の拠点になることを狙いとして語っている。
管理の期限は2069年まで決まっている。 2019年3月に市の経済委員会が30年(20年延長可・最長50年)の譲渡を承認しており、ベテベーはこれをバルセロナでこれほど重要な資産が自主管理の団体にこれほど長い期間で与えられた最初の例だと書いた。議決では BComú・PDeCAT・PSC・CUP と1人の市会議員が賛成し、Cs が反対、ERC と PP が棄権している。
2020年の時点で敷地には、図書館(蔵書およそ25,000冊)、講堂、クライミングウォール、ダンス・ヨガ・英語・造形・ビールなど20ほどの工房、日曜大工の場、印刷の場があり、そこから都市菜園、住宅協同組合 La Borda、協同組合を支援する Coòpolis などが生まれている。
否定的な報道は、今回探した範囲では見つからなかった。 ただし2020年の記事が伝えた財政の弱さ(バー依存と会費を払う会員の少なさ)が、その後どうなったかは確認できていない。
出典
- Can Batlló celebra tres anys de gestió veïnal — betevé(2014-06-11)
- La gestión comunitaria echa fuertes raíces en Barcelona — Público(2017-02-04)
- Els veïns s'asseguren la gestió de Can Batlló per als propers 50 anys — betevé(2019-03-20)
- El coronavirus no apaga la flama de Can Batlló — Públic(2020-06-17)
- El Bloc4BCN celebra el primer any de cooperació a Can Batlló amb bona salut — betevé(2025-03-31)
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