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貧困の集まる10地区で、現金の給付と就労支援を組み合わせてためした

B-MINCOME

スペイン / カタルーニャ州 / バルセロナ市(Eix Besòs の10地区)

貧困の集まる10地区で、現金の給付と就労支援を組み合わせてためした
© elDiario.es — この写真が載っている記事

2017年5月に欧州の事業として発表された。当事者の寄稿は、同年12月から給付が始まり2019年12月に終えると書いているが、終了を報じた出典は確認できていない。

何をしたか

バルセロナ市が、貧困の集まる Eix Besòs の10地区で、現金の給付と就労・社会参加の政策を組み合わせる実験を2017年から行なった。欧州連合の Urban Innovative Actions の資金を受けている。

市の担当者は2018年の寄稿で、抽選で選ばれた世帯を、条件をつける/つけない、他の収入で減らす/減らさないを組み合わせた11の群に分け、最大500世帯の対照群も置いたと書いている。同じ寄稿は、950世帯が2017年12月から世帯の規模・収入・住居費に応じて月100〜1,600ユーロを受け取っていると書いている。

同じ寄稿は2019年12月に終えると書いているが、終わったことを報じた出典は確認できていない。2023年の論文は、この仕組みが移民に意図しない利益をもたらしたと述べている。

誰が始めたか

言い出したのは市の一部局である。 バルセロナ市の社会権局で企画・革新を担当する Lluís Torrens は、elDiario.es への寄稿(2018年8月20日)で、自分たちの部局が欧州連合の Urban Innovative Actions に応募することを決め、構造的な貧困と戦う新しいやり方を共同で資金調達するための資金を得ようとした。そうして B-Mincome が生まれたと書いている。同氏によれば、そこに Ivàlua・Novact・IGOP・The Young Foundation・ICTA・UPC の6つの機関が加わり、自治体の水準での社会政策の新しい設計と考え方を動かした。背景として同氏が挙げるのは、制度の側の限界である。 同記事は、バルセロナの失業率が11.7%(2011年の危機の頂点では22%近く)で、貧困・不平等・排除・不安定が慢性化し、それまで比較的良い状況にあった層にまで及んだと書き、中央政府が拠出型、自治州が扶助型を担い、地方行政は緊急の援助を担うはずだったのに、地方行政が最も弱い立場の人にとって最初の社会保護の網になってしまったと述べている。同氏はこれを調整と補完性を著しく欠いた設計だとしている。elDiario.es(2017年5月31日)は、欧州側の B-Mincome の事業調整担当 Raffaele Barbato が、都市の貧困との戦いを根底から変える、革命するものだと述べたと伝えている。

いくらかかったか

欧州の事業の枠は1,300万ユーロである。 elDiario.es(2017年5月31日)は、この欧州の事業が1,300万ユーロを持ち、バルセロナのほかユトレヒトとヘルシンキでも行なわれると書いている(同記事は3都市を「実験室」と呼ぶ責任者の言葉を伝えている)。バルセロナ分がいくらかは、参照した4本のどこにも書かれていない。 給付の額は2つの数字が出ている。市は事業の発表時に1人あたり400〜525ユーロと見込んでおり、子ども2人の夫婦なら家賃や住宅ローンの支出を除いて1,000〜1,500ユーロになりうるとされた(elDiario.es 2017年5月31日)。実際に配られた額は、市の担当者の寄稿(elDiario.es 2018年8月20日)によれば、2017年12月から950世帯が、世帯の規模・収入・住居費に応じて月100〜1,600ユーロを受け取っている。同記事は、この給付が地元の援助や他の行政の援助に上乗せされるものであること、そして6月末から給付の一部を新しい地域通貨 Rec に交換し、地区の商店で使えるようにするとも書いている(同氏は、この事業が参加する世帯に直接投じるだけでなく、その地域全体に間接的に投じるものだという例としてこれを挙げている)。事業の運営費(評価や職員の費用)は、どの出典にも書かれていない。

真似するなら最低何が必要か

- 政策ではなく実験として設計すること。対照群も置くこと。 市の担当者の寄稿(elDiario.es 2018年8月20日)によれば、要件を満たす4,300世帯のうち2,400世帯が申し込み、抽選で1,000世帯が選ばれ、そこから11の処遇群が作られ、さらに最大500世帯が対照群を構成した。 同氏は、これは行政の仕事ではなく学びの事業として構想されていると書いている。elDiario.es(2017年5月31日)も、社会分析・研究の集まり、社会的排除と戦う団体、大学、第三セクターの団体からなる助言委員会が影響を見ると書いている。
- 「条件をつける/つけない」を分けて測ること。 同じ寄稿によれば、450世帯は給付を受けるだけで他の活動への参加を免除され、ここでは他に収入があれば減額される型と減額されない型が比べられる。 残る550世帯は4つの就労・社会参加の政策のどれかにも参加し、そこがさらに参加しないと給付を失う「条件つき」と、失う心配なく参加できる「条件なし」に分けられる。同氏はこれを、最低所得政策で普通に置かれる制約(条件性・無条件性、上限の有無、無条件のベーシックインカムの模擬を含む)の有効性と効率を試すためだと書いている。
- 現金と組み合わせる「出口」を先に用意すること。 同じ寄稿が挙げる4つは、社会的に意味のある事業での訓練と就労、社会的連帯経済・協同組合の振興、住戸を持つ世帯が使っていない部屋を貸せるようにするための援助、報酬のない地域活動への参加である。elDiario.es(2017年5月31日)も、就労、自営の促進、住宅の改修、社会参加の促進という形で同じ枠を伝えている。
- 既にある給付との重なりを把握しておくこと。 elDiario.es(2017年5月31日)で、市の社会権担当の副市長 Laia Ortiz は、国と自治州が出すものを合わせて、市内には既に68もの現金給付があると振り返り、新しい「包摂のための市の所得」がどう効くかを見ると述べている。同氏は、住まいの権利が保障されたうえでどれだけの自立と効果が生まれるかを確かめたいとも述べている。
- 評価を外部の研究機関に委ねること。 elDiario.es(2017年5月31日)は、科学的な評価を Universitat Pompeu Fabra、IESE、Centro para la Innovación Social Nova が担うと書いている。Barbato は、4つの最低所得の型を2年適用したあと、どれが最も有効で包摂的かを分析するのが目的だと述べている。
- 狙っていない効果も拾えるようにしておくこと。 European Journal of Spatial Development(2023年9月)に載った Laura Colini の論文の抄録は、部局をまたぐ協力と地域の政策の統合によって、この仕組みが性別の不平等に影響し、在留資格のない移民の正規化を間接的に助けたと書いている。同抄録は、欧州と市の資金の組み合わせがサービスの設計と提供における実験を後押ししたこと地域での実験が、異なる規模での包摂の公共政策の設計に情報を与え、問い直しうることも述べている(本文は取得しておらず、抄録の範囲で書いている)。

今どうなっているか

2026年8月の時点で確認できた最も新しい記録は、2023年9月に European Journal of Spatial Development に載った Laura Colini の論文である(抄録のみ)。 ここでも扱われているのは2017年から2019年の実験であって、その後の状況ではない。終了そのものを報じた出典が無い。 市の担当者の寄稿(elDiario.es 2018年8月20日)は2019年12月に終えてから効果を評価すると書いているが、これは寄稿の時点での予定であり、実際に終わったこと、評価が出たことを書いた出典は確認できていない(参照した4本すべてを通しで読んで確かめた)。そのため end_yearnull のまま unknown_fields に申告し、status_current は「判定不能」としている。同じ寄稿は、その時点までの調査が主観的な幸福感、地域とのつながり、学ぼうとする意欲の高まりを示していると書き、2019年12月まで決定的な結果は出ないが、その間およそ1,000世帯・3,800人がより多くの手立てを持って暮らしていると述べている。バルセロナ大学の雑誌 Clivatge(2018年4月28日)に載った短い報告の抄録も、Eix Besòs の1,000世帯の弱い立場を和らげ、社会経済の状況と就労の力を高めることを目的として挙げるにとどまる。

出典

  1. La Unión Europea elige Barcelona para testar cuatro modelos de Renta Básica con 1.000 vecinos — elDiario.es(2017-05-31)
  2. Proyecto B-MINCOME — Clivatge(2018-04-28)
  3. Barcelona innova en la lucha contra la exclusión social — elDiario.es(2018-08-20)
  4. Place-based Guaranteed Minimum Income in Barcelona: (un)intended inclusionary policy for migrants — European Journal of Spatial Development(2023-09-01)

最終確認日 2026-08-19

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