会費を金で払わず、自分の時間を互いに差し出して使う仕事場を市が開いた
La Colaboradora
2013年に始まり、2016年には会員約250人・累計8,000時間で Eurocities 賞を受けた。2018年には会員約300人・14,112時間になり、他国の4都市が真似を始めたと伝えられた。2021年も Zaragoza Activa の一部として続いている。
何をしたか
サラゴサ市が、会費を金で払わず、自分の時間と技能を互いに差し出すことで使える仕事場を2013年に開いた。市の Zaragoza Activa の中にある。
会員は自分のできること(ロゴをつくる、催しを運営する、事業の相談に乗るなど)を他の会員に提供し、その時間が記録される。網に残るための最低は年4時間で、入門講座を受ける人と共同の仕事場を使う人は月4時間になると Público は書いている。
elDiario.es は2016年に、開始から会員が約250人になり協働の時間が8,000時間に達したこと、ここで生まれた事業の6割が2年後も続いていることを伝えている。同じ年に Eurocities 賞を受けた。
誰が始めたか
考えたのは市の側の2人である。 elDiario.es は2016年12月2日に、大きな考えを支える融資は無いが協力する用意のある人はいる、と Raúl Oliván と Javier Fernández が考えて La Colaboradora をつくったと書いている。同記事によれば Oliván は Zaragoza Activa の責任者で、Fernández とともにこの取り組みの中心にいた。2015年12月6日の同紙は、Fernández を La Colaboradora のコーディネーターとして紹介している。
運営には会員自身が入る形になっている。 2016年の同記事は、全会員でつくる総会と、それを取りまとめる理事会(junta gestora)があり、総会が研修・広報・網・事業モデル・時間銀行といった委員会に分かれていると書いている。新しく入った案を紹介する集まりがあり、そこには週におよそ8件の案が登場するとされる。
なぜ動いたのかについて、Oliván は2つの危機を挙げている。 同記事で同氏は、ヨーロッパ中の若者を塞いだ経済の危機と、倫理の欠けた価値の危機の両方への応答だとし、ポストモダンの個人主義は天井を打ったと考えていると述べている。
始めた人はその後入れ替わっている。 Público は2018年12月28日に、この仕組みを考えた Oliván が前年にアラゴン州政府の市民参加・透明性の総局長に就いたため、Jesús Alquézar が後任になったと書いている。Aragón Digital は2018年3月5日に Alquézar への聞き取りを載せ、同氏は、市の教育・包摂の担当部局から打診を受けたこと、自分が持ち込めるのは経験と支えであること、前任者にはこの取り組みを軌道に乗せた功績があることを述べている。
いくらかかったか
金額は、参照した5本のどこにも書かれていない。 予算額も市の負担額も人件費も出てこない。書かれているのは、金の代わりに何が支払われているかである。
- 会員が払うのは時間である。 elDiario.es は2015年12月6日に、会員が時間を出し合い、他の会員に金銭の負担なくサービスを提供すると書いている。Público は2018年12月28日に、この場の唯一の支払い条件は、時間銀行を通じて考え・サービス・知識を交換することだと、団体自身のウェブの説明として引いている
- 最低量が決まっている。 同記事によれば、網に残るための最低は年4時間で、入り口の講座(Comaster)を受ける人と共同の仕事場で働く人は、これが月あたりになる。ただし Aragón Digital 2018年3月5日の聞き取りで Alquézar は、全員が月4時間を他の会員の研修にあてていると述べており、2本の書き方は一致していない
- 積み上がった時間は数えられている。 Público によれば、その時点の集計は6,779回のやりとりで14,112時間であり、これは588日ぶん、8時間労働に直すと1,764日ぶんにあたる
- 金の側は市が持っている。 Público は La Colaboradora が市の機関 Zaragoza Activa に組み込まれていると書き、Aragón Digital は2021年3月22日に、Zaragoza Activa がサラゴサ市の経済・革新・雇用の部局の下にあると書いている。同記事によれば、そこで行なわれた起業の講座は無料で、5つの区分に120時間以上が置かれていた
真似するなら最低何が必要か
1. 市の組織の中に置き場所があること。 Público 2018年12月28日は、La Colaboradora が市の機関 Zaragoza Activa に組み込まれていると書いている。Aragón Digital 2021年3月22日によれば Zaragoza Activa はサラゴサ市の経済・革新・雇用の部局の下にあり、共同の仕事場のほか、起業の苗床(Semillero)、企業の育成室(Vivero de Empresas)、試作の場(La Remolacha HackLab)が同じ組織の中に並んでいる
2. 時間を記録する道具。 Público によれば、時間銀行は会員どうしのやりとりだけでなく、活性化・広報・参加・場所という作業班が開く活動への参加も数える。同記事は、真似を始めた側がいずれも時間銀行の管理に自由なソフトウェアを使っていると、外部関係の担当者 Rubén Espelta の説明として書いている
3. 網に残るための最低時間を決めること。 同記事によれば、最低は年4時間で、入り口の講座を受ける人と共同の仕事場を使う人は月4時間である
4. 会員が運営に入る器。 elDiario.es 2016年12月2日は、全会員による総会と理事会があり、総会が研修・広報・網・事業モデル・時間銀行などの委員会に分かれていること、新しい案を紹介する集まりに週8件ほどが登場することを書いている
5. 会員が教え合う中身。 2015年12月6日の同紙によれば、提供されるものは会員の技能次第で、広報、催しの運営、図案の設計、オンラインの販売促進などが並ぶ。2016年12月2日の同紙は、開始から市民に開かれた講座が100回行なわれたと書いている
6. 移した先で形が変わることを見込むこと。 Público によれば、サントスの A Colaboradora は芸術と土地に焦点を置き、パストでは網に残るために月8 CachirIS(1つが1時間の協働にあたる)を出す形にし、ロサリオとサンタフェでは「協力したいだけ」という区分が足されて、その区分での申請が両方の募集で全体の6割ほどを占めたと、公共イノベーション研究所の Dardo Ceballos が説明している
確認できないもの — 予算と人件費、常勤の職員の数、場所の広さ、そして2021年より後の会員数と交換された時間は、参照した5本のどこにも書かれていない。
今どうなっているか
2026年8月時点で確認できた最も新しい記録は、2021年3月22日の Aragón Digital の記事である。
同記事は、Zaragoza Activa が集めた132件の案から30件を選び、事業モデル・法制度・資金と会計・デジタル化・広報と起業の技能という5つの区分にわたる120時間超の無料の講座を行なっていること、講座を終えた人が La Colaboradora に加われることを書いている。市の経済・革新・雇用の担当である Carmen Herrarte は、経済の危機のなかでもサラゴサには起業の生態系があり、130件を超える応募がそれを示していると述べている。この記事に会員数や交換された時間の数値は無く、2018年の約300人・14,112時間より後の数字は確認できていない。
外へ広がった側の記録も2018年で止まっている。 Público は2018年12月28日に、アルゼンチンのロサリオとサンタフェ、ブラジルのサントス、コロンビアのパストの4都市がこの形を取り入れたこと、4か所がサラゴサ側と月1回のテレビ会議を続けていることを書いている。同記事はさらに、ポンテベドラの Espacio Arroelo など6件と連絡があり、ウエスカ、トゥデラ、ガバ、ヒホン、シエラ・デ・アルバラシン、およびポーランドの団体が2019年から2020年の間に始める見込みだと書いている。これは見込みとして書かれたもので、実際に始まったと報じた出典は確認できていない。
出典
- La Colaboradora Fest estudiará la posible aplicación en Zaragoza de cinco iniciativas de economía colaborativa — elDiario.es(2015-12-06)
- La Colaboradora, un modelo de economía colaborativa nacido en Zaragoza y premiado por la UE — elDiario.es(2016-12-02)
- Jesús Alquézar: "Nuestros emprendedores son cada día más de vocación y menos de ocasión" — Aragón Digital(2018-03-05)
- Latinoamérica clona la receta zaragozana para la economía colaborativa — Público(2018-12-28)
- Treinta emprendedores buscan hacer sus ideas realidad en los cursos formativos de Zaragoza Activa — Aragón Digital(2021-03-22)
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