市民が出した提案を市民の投票で選び、市がその予算で実施する仕組みを4回続けている
OmaStadi
2020年に2回目の予算が880万ユーロへ倍増し、2024年の投票には41,962人が参加した。2026年春の第4回では640件の提案から54件が選ばれている。
何をしたか
ヘルシンキ市が、市民の出した提案を市民の投票で選び、選ばれたものを市の予算で実施する仕組みを2018年から続けている。
市民がネット上に改善案を出し、市の専門家が費用を見積もり、投票で票を集めた案が実施に進む。予算は80%が人口に応じて地区へ配られ、残りが市全体の案にあてられる。Vuosaari-lehti は2020年に、2回目の予算が880万ユーロへ倍増すると伝えている。
2024年の投票には41,962人が参加し、45件が実施の準備に入った。2026年春の投票では640件から54件が選ばれている。
誰が始めたか
始めた主体は市そのもので、個人の名前は出典に出てこない。 Vuosaari-lehti は2021年3月25日に、OmaStadi はヘルシンキが参加型予算を行なうやり方であり、市が市民の案の実現に880万ユーロを使うと書いている。誰の発案か、市議会や市長がいつ何を決めたのかは、参照した6本のどこにも書かれていない。
第1回を外から評価したのは大学の研究班である。 BIBU(Kansalaisuuden kuilut ja kuplat)の頁(2020年)は、Mikko Rask・Titiana Ertiö・Pekka Tuominen・Veronica Ahonen の4人による第1回(2018–2020)の最終評価を載せている。同頁は、研究者が2年以上にわたって追跡し、集めた資料を複数の方法を組み合わせて使ったこと、評価が「varovaisen positiivinen」(控えめに肯定的)であること、第1回にもとづけば課題もあり、方法を良くするための提言を含むことを書いている。
回を動かしているのは市の職員である。 Vuosaari-lehti は2024年4月17日に、ヴオサーリを受け持つ市の「stadiluotsi」Johannes Jauhiainen が、地区の学校で投票を促す催しを自ら開いたと述べ、他の学校でも児童生徒が投票したとして学校の働きに謝意を示したことを伝えている。同紙は2026年4月15日に、市の開発課長 Kirsi Verkka の説明を伝えている。
提案を出すのは市民個人である。 2021年3月25日の同紙は、ヴオサーリに関わる提案を提案者の名前つきで並べている。本記録では、公的立場にない提案者の氏名は扱わない。
いくらかかったか
回ごとの予算は出典にあるが、事業ごとの実費と市の側の運営費は書かれていない。
- 2回目で880万ユーロになった。 Vuosaari-lehti は2020年5月6日に、使える予算が2倍の880万ユーロになると書いている。第1回の額そのものは書かれていないため、ここでは逆算しない
- 配り方に規則がある。 同記事によれば、予算の80%は大区(suurpiiri)へ人口に応じて配られ、20%は市全体の案にあてられる。1件の提案にかかる費用は、その地区の総予算の50%を超えられないという決まりがこの回から入った
- 地区に落ちる額も示される。 2023年11月15日の同紙は、10月2日から15日まで市民がこの880万ユーロの使い道を提案できたこと、東部とエステルスンドムの地域の提案には150万ユーロ超が使われることを書いている
- 4回目は1,000万ユーロである。 2026年4月15日の同紙によれば、選ばれた54件の事業の予算は合わせて1,000万ユーロである。同記事は、投票結果が出たあとに維持費が計算されること、東部大区で実施に進む事業について地域の予算から払われる維持費が30,000ユーロであることも書いている
- 市の人件費・運営費・広報費は、参照した6本のどこにも書かれていない。 市が計算した提案ごとの見積額も出てこない。2021年3月25日の同紙に載る金額は、提案者が自分の案に付けた見込み額(大きな水すべり台で約115,000ユーロ)であって、市の見積もりではない
真似するなら最低何が必要か
1. 提案・評価・投票を載せる場。 Vuosaari-lehti が2021年3月25日と2023年11月15日に書いているとおり、提案は omastadi.hel.fi 上ですべて閲覧でき、2024年と2026年には期間を切って誰でも意見を書き込めた(2024年は4月8日から21日、2026年は4月20日から6月1日)
2. 費用を見積もり、提案を組み替える市の専門家。 2023年11月15日の同紙によれば、提案の受付が閉じたあと、市が提案を評価して費用の見積もりを計算する。提案どうしを組み合わせたり手を入れたりして投票にかけられる形にすることも行なわれる
3. 配分の規則を先に決めること。 2020年5月6日の同紙によれば、80%を人口に応じて大区へ、20%を市全体の案へ配り、1件が地区の総予算の50%を超えないという上限を置いている
4. 投票の間口を広く取る仕掛け。 同記事によれば、投票できるのは投票の年に12歳以上になるヘルシンキ市民全員で、学校では児童生徒向けの投票が開かれ、市の多くの窓口が投票の手助けをする。開票の推移は実時間で追える。第1回と違い、いちど投じた票は変えられない
5. ばらばらの思いつきを1件の提案に束ねる作業場。 同記事は、2回目から地域で Raksa という作業場が開かれ、同じサービスや同じ場所に向けられた案、そのほか噛み合う案を1つの提案にまとめられるようにしたこと、提案者が市の専門家と会う主題別の作業場も開かれることを書いている
6. 当選したあとに詰める場と、維持費の勘定。 2024年4月17日の同紙は、投票で終わりではなく、住民と市の専門家が実施のしかたを一緒に考える催しが4月と5月に3回開かれると書いている。2026年4月15日の同紙は、投票結果のあとに維持費が計算されると書いている
確認できないもの — 第1回の予算額、市の側の人件費と運営費、実施に入った事業のうち実際に完成した数、そして OmaStadi を始めることを誰がいつ決めたのかは、参照した6本のどこにも書かれていない。
今どうなっているか
2026年8月時点で確認できた最も新しい記録は、2026年4月15日の Vuosaari-lehti の記事である。
同記事によれば、春の投票で640件の提案から市民が選び、市は54件を実施する。投票したのは31,000人余りで、投票率は5.1%だった。事業の予算は合わせて1,000万ユーロである。進行中の第4回は、記事の時点ではまだ実施前で、事業の実施は秋に始まる予定だと書かれている。 実施に先立ち、住民と市の専門家が一緒に組み立てる会が5月27日に中央図書館 Oodi で開かれ、4月20日から6月1日まで omastadi.hel.fi 上で意見を書き込めるとされている。
選ばれたものの傾向も書かれている。 同記事は、サウナと水浴びの場に関わる提案が特に票を集め、今回も5件のサウナの提案が実施に進んだこと、これまでの回と同じく樹木と緑地、清掃、屋外の運動器具が選ばれたことを伝えている。同記事は OmaStadi のおかげで公共のサウナが大きく増えたとも書いている(記事自身の評価である)。市の開発課長 Kirsi Verkka は、今回は若者に向けた提案が市民の支持を集めたとして、東ヘルシンキの若者の夜のカフェ、ヘルットニエミへ出向く青少年支援を挙げ、ほぼすべての大区で子どもか若者に向けた提案が1件は選ばれたと述べている。
投票者数は前の回より減っている。 2024年4月17日の同紙は41,962人が投票したと書いており、2026年4月15日の同紙は31,000人余りとしている。減った理由を書いた出典は無い。
2024年に選ばれた事業がその後どうなったかは追えていない。 2024年の記事は45件の実施準備に市が入ったところまでで、参照した6本の中に、それらが完成したかどうかを報じたものは無い。
出典
- OmaStadin budjetti tuplaantuu 8,8 miljoonaan — Vuosaari-lehti(2020-05-06)
- Helsingin kaupungin osallistuvan budjetoinnin loppuarviointi Omastadi 2018 – 2020 — BIBU(2020-11-30)
- OmaStadin ehdotuksiin voi tutustua netissä — Vuosaari-lehti(2021-03-25)
- OmaStadi-ehdotukset arvioitaviksi — Vuosaari-lehti(2023-11-15)
- Vielä voi vaikuttaa Itä-Helsingin kahdeksan OmaStadi-hankkeen toteutukseen — Vuosaari-lehti(2024-04-17)
- Helsinkiläiset äänestivät OmaStadissa saunoja, vehreyttä ja toimintaa nuorille — Vuosaari-lehti(2026-04-15)
この記述は間違っていますか。受け取ってから2週間以内に、直すか直さないかを返します。