市が農場を直営し、給食を全て有機に切り替えた
régie agricole de Mouans-Sartoux
この記録の出典は単一の媒体によるものです。
2019年の記事は、市が視察の効果を測る聞き取りを行い、1日訪れた人はその後あまり動いていないと分かったと書いている。教育担当の助役は、そこで見学の場から伴走の場に変えることにしたと述べている。
何をしたか
フランス南部のムアン=サルトゥー市が、市の農地を直営し(régie agricole)、市の職員として農業者を雇って、学校給食の食材を有機に切り替えた。Banque des Territoires は2019年に、2012年にこの市が住民1万人規模のフランスの自治体として初めて学校給食を100%有機にしたと書いている。同記事によれば、3人の市職員の農業者が児童の食べる野菜の85%を作り、市は有機農業者の就農を支え、世帯の13%が100%有機に切り替えて、その割合は3年で倍になった。2016年には市議らが「持続可能な食の教育の家」(MEAD)を立ち上げた。コート・ダジュール大学と作った「持続可能な食のプロジェクト責任者」の大学ディプロマは、同記事によれば2018年1月に始まっている。2025年の記事では、食を担当する助役の Gilles Pérole が、自分たちが最初だと思っていたがトゥールーズ地域の domaine de Candie が先にあったと述べている。
誰が始めたか
動かしてきたのは市の側の1人の助役である。 Banque des Territoires は2019年5月14日、2020年1月3日、2025年4月4日、2025年9月26日の4本すべてで Gilles Pérole を挙げている。肩書きは記事ごとに違い、2019年は子ども・教育担当の助役、2025年は食担当の助役、2020年の記事では協会 «Un plus bio» の会長、2025年9月には公営農場の全国ネットワークの会長である。
起点は給食への有機食材の最初の導入で、2012年よりずっと前にある。 2020年1月3日の記事は、上院の地方自治体代表部が開いた円卓に Pérole が招かれ、狂牛病の騒ぎのさなかの1998年に予防原則を理由として市の給食に有機の食材を初めて入れたと述べたことを伝えている。同氏は、市が開いていた本の祭りが、議員と住民に共通の下地をつくったと述べ、10年後には給食の2割が有機になり、2012年に給食が100%になったと述べている。畑の側については、同氏は「2011年から給食の野菜を自分たちで作っている」と述べている(記事は2012年を100%有機の年としており、畑の開始年とは分けて書かれている)。
土地の側の決定が先に要った。 同記事によれば、2012年に市の都市計画(PLU)で農地に区分された土地が40ヘクタールから112ヘクタールに増えた。Pérole は、建てられる土地を農地に戻すことを市町村選挙の数か月前に行なうのは簡単ではなかったと述べている。
広める側の器は2016年にできた。 2019年5月14日の記事は、市議らが同年に「持続可能な食の教育の家」(MEAD)を、市営農場の生産の場である Haute-Combe の敷地に立ち上げたと書いている。それは視察の効果を測った結果として決まっている。 同記事によれば、市は受け入れた自治体の食の政策に視察がどう効いたかを調べ、1日訪れただけの人はその後あまり動かず、仕事の大きさに気をくじかれることもあると分かった。Pérole は、そこで見学の場から伴走の場に変えることにしたと述べている。
最初ではなかったことも本人が述べている。 2025年4月4日の記事で Pérole は、自分たちが最初だと思っていたが、トゥールーズ地域に domaine de Candie が先にあったと述べている。
いくらかかったか
総額は、参照した4本のどこにも書かれていない。 農地の取得費も市営農場の年間予算も、農業者3人の人件費も出てこない。書かれているのは、1食あたりの値段と、外から入った資金の出どころである。
- 1食の材料費は下がったと述べられている。 2020年1月3日の記事で Pérole は、費用を変えずに移すことを目標にしていたがそれを上回り、材料の購入費で1食あたり6サンチーム、1.92ユーロから1.86ユーロに下がったと述べている。同氏は、集団給食で買われたものの3分の1が捨てられているとも述べている
- 高い分は廃棄を減らして埋めている。 2025年4月4日の記事で Pérole は、100%有機の難しさは公共調達ではなく値段にあり、有機は2割から4割高くつくとしたうえで、廃棄を8割減らしたことが食材予算の2割の節約にあたると述べている。同記事によれば、2022年から給食は全員向けに5割の菜食の献立を出している
- 広める側は外部の資金で動いている。 2019年5月14日の記事は、MEAD が国の食のプログラム(PNA)と Carasso 財団の資金の支えで生まれたこと、食の地域プロジェクトを動かす6人のうち4人が欧州か国の資金で雇われていることを書いている
- その資金には終わりがあった。 同記事は、複数の資金が2019年末で切れるため、市が新しい手立てを探さなければならないと書いている。Pérole は、外への技能の移転は外部の資金が取れた場合にだけ続くとし、地元の側を進めないまま研修と普及だけをすることは避けなければならないと述べている
- 視察には値段が付いている。 2025年4月4日の記事によれば、2026年の市町村選挙に向けた普及の計画ではウェビナーは無料で、自治体向けの視察は「100%有機」の食事込みで35ユーロである
真似するなら最低何が必要か
1. 農地を市が持てるようにすること。 2020年1月3日の Banque des Territoires によれば、2012年に市の都市計画で農地の区分が40ヘクタールから112ヘクタールに増えた。Pérole は、建てられる土地を農地に戻すことを選挙の数か月前に行なうのは簡単ではなかったと述べている。畑そのものは6ヘクタールである
2. 農業者を市の職員として雇うこと。 同記事で Pérole は、6ヘクタールの土地で農業者3人を雇い、27トンの野菜と必要量の95%を作っていること、市では1日1,300食を出していることを述べている。ただし2019年5月14日の同紙は、市の農業者3人が児童の食べる野菜の85%を作ると書いており、割合の数字は2本で一致していない
3. 値段の壁を廃棄で埋める算段。 2025年4月4日の同紙で Pérole は、有機が2割から4割高いこと、廃棄を8割減らしたことが食材予算の2割の節約にあたることを述べている。2020年の同紙では、材料費が1食1.92ユーロから1.86ユーロに下がったとされている
4. 十数年の助走を見込むこと。 2020年の同紙によれば、最初の導入は1998年、10年後に2割、100%は2012年である。2016年に MEAD、2018年1月に外向けの2つの仕組みが始まっており、外へ配れる形になるまでにさらに数年かかっている
5. 視察を受けるだけでは動かないと分かったうえで、伴走の道具を作ること。 2019年5月14日の同紙によれば、市は視察の効果を測る聞き取りを行ない、1日の訪問者はその後あまり動かないと分かった。作られたのは2つで、ひとつは欧州の BioCanteens(2年の行程で欧州6市に給食の実践を移す。2019年9月までに規模の異なるフランスの7市へ広げる予定と書かれている)、もうひとつはコート・ダジュール大学との大学ディプロマ(1期12人、6か月のうち3か月ずつの実習2回と MEAD での2週間の研修)である。2020年の同紙では Pérole が、3年で20ほどの県から50人ほどを育てたことになると述べている
6. 外部資金が切れる前提で、地元の側を細らせない設計。 2019年5月14日の同紙で Pérole は、外への移転は外部資金が取れた場合にだけ続くとし、地元の側を進めないまま研修と普及だけをすることを避けるべき落とし穴として挙げている
確認できないもの — 農地の取得費、市営農場の年間予算と収支、農業者3人の人件費、MEAD の予算額、そして現在の給食1食あたりの価格は、参照した4本のどこにも書かれていない。
今どうなっているか
2026年8月時点で確認できた最も新しい記録は、2025年9月26日の Banque des Territoires の記事である。
同記事によれば、Mouans-Sartoux が担ぐ「公営農場の全国ネットワーク」(Réseau national des fermes publiques)が9月22日の設立総会をもって正式に発足した。参加したのは7つの自治体(Mouans-Sartoux、Épinal、Toulouse、Auray、Villejuif、Caluire-et-Cuire、リヨン都市圏)と、4つの提携団体(Potagers & Compagnie、Fnab、Collectif Les Pieds dans le Plat、Altaa)である。会長は Gilles Pérole が務める。同記事は、公営農場を、公的な統治のもとにあること、集団給食または食に関わる公共サービスに向けた生産であること、有機農業に関与していることの3つで定義したと書いている。この網は、自治体に「食」の権限を認めることと、公営農場を運営する自治体に農業者としての地位を認めることを求めている。
その半年前に、2026年の市町村選挙に向けた普及の計画が出ている。 2025年4月4日の同紙は、市が公報で、次の市町村チームが2026年の計画を練るこの時期に経験を分けたいと申し出たこと、MEAD が Ademe と Carrasso 財団(2019年の記事は Carasso と綴っている)と組んで無料のウェビナーと有料の視察を行なうことを書いている。掲載は実施前であり、この計画が行なわれたと報じた出典は確認できていない。 同記事はまた、フランスに公営農場が約100あること、Mouans-Sartoux が「地域の食のプロジェクト」の公募でこの全国の網を動かす役に選ばれたことを書いている。
効果を測った数字も同じ記事にある。 同記事によれば、コート・ダジュール大学との共同で測ったところ、住民の71%が自分の実践を変えたと答え、40%が主に有機の店か近所の店で買い物をしており、市の給食を食べる子どもの過体重・肥満の割合は全国平均より45%低い。これらの調査の方法と時期は記事に書かれていない。
出典
- La Maison de l'éducation à l'alimentation durable diffuse le savoir-faire de Mouans-Sartoux (06) — Banque des Territoires(Localtis)(2019-05-14)
- Alimentation saine et durable : les collectivités ont du pain sur la planche — Banque des Territoires(Localtis)(2020-01-03)
- Alimentation : Mouans-Sartoux veut ensemencer les municipales de 2026 — Banque des Territoires(Localtis)(2025-04-04)
- Le Réseau national des fermes publiques voit officiellement le jour — Banque des Territoires(Localtis)(2025-09-26)
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