文化施設どうしが束になり、気候の講習を自分たちの業界向けに作り替えた
Manchester Arts Sustainability Team
この記録は運営主体の発信を含みます。
加盟する団体の数は、2017年の Julie's Bicycle が35、2020年の UK100 が40超、2022年の Green Economy が50超と書いており、書かれるたびに増えている。2020年の UK100 は、市の C-Change 事業が文化芸術の分野を Carbon Literacy Project に結びつけたと書いている。
何をしたか
グレーター・マンチェスターの美術館・劇場・音楽堂などが束になり、環境への負荷を一緒に減らそうとしている網。Green Economy は2022年に、この網が2011年のマンチェスター初の気候変動戦略に文化の側が応えたところから育ち、いまは市の気候の取り組みを束ねる Manchester Climate Ready の一部になっていると書いている。同記事によれば加盟は50を超え、BBC や ITV、Royal Exchange Theatre、Manchester Art Gallery、The Lowry、HOME といった大きな施設から、小さな催しや会場までが入っている。UK100 は2020年に、2016年に MAST の加盟団体が、マンチェスターの Carbon Literacy Project の講習を文化芸術の分野に向けて作り替えたと書き、HOME では認定を受けた講師2人が自館の職員だけでなく企業向けにも講習を行っていると伝えている。
誰が始めたか
発端は市の戦略で、文化の側がそれに応えた形である。 Green Economy は2022年6月3日に、この網が、マンチェスターで初めて作られた気候変動戦略に対する文化の分野の応答から育ったと書いている。同記事はその戦略の年を2011年としているが、UK100 は2020年12月10日に、市で最初の気候変動戦略を2009年としている(discrepancies に並置した)。UK100 によれば、Carbon Literacy Project(CLP)はその戦略への直接の応答として、また «Manchester: A Certain Future» という報告への応答として生まれたもので、報告は2020年までに二酸化炭素の排出を41%減らすことと、市に低炭素の文化を作ることの2つを掲げていた。
網を代表しているのは召集役(Convenor)である。 2022年6月3日の Green Economy の聞き取りに答えているのは MAST の召集役 Simon Curtis で、同氏は、上演を軸にした文化がときに多くを無駄にすること——作ったものの行方、使う電力の量——から自分の関心が生まれたと述べている。同氏はまた、文化の分野は元来共同的で、団体どうしが競い合ったり自分たちのやり方を隠したりしないこと、物事を少し違う角度から考えることに慣れており、規則を嫌う面もあることを、この網が成り立つ条件として挙げている。
市の意思決定の側にも席がある。 Julie's Bicycle は2017年8月21日に、MAST が Manchester Climate Change Strategy 2017-2050 の策定と実施を見る運営部会の一員であると書いている。同記事によれば、この戦略は2050年までに排出を実質ゼロにすることを掲げ、市が気候の非常事態を宣言したことを受けてその年限は2038年に前倒しされた。 同戦略は、気候変動をめぐって人々を巻き込む新しい道を見つける役割が文化と芸術にあるとしている。
講習を自分たちの分野向けに作り替えたのは会員自身である。 UK100 は2020年12月10日に、市の欧州資金による C-Change 事業が文化・芸術の分野を CLP に結びつけたこと、2016年に MAST の会員たちが CLP の講習を文化・芸術の分野に向けて作り替えたことを書いている。発案が誰であったかを書いた出典は無い。
いくらかかったか
金額は、参照した3本のどこにも書かれていない。 網の予算も、会員が払うものがあるのかどうかも、講習の費用も出てこない。書かれているのは、資金の出どころの名前と、支えた側の名前だけである。
- C-Change は欧州の資金による市の事業である。 UK100 2020年12月10日は、この事業が文化・芸術の分野を CLP に結びつけたと書いている
- Green Economy と GC Business Growth Hub が2つの事業を支えた。 Green Economy 2022年6月3日は、自分たちが MAST を支えて、持続可能な調達の実践を根づかせる事業と、排出が実質ゼロの文化・芸術の分野がどのような姿になりうるかを探る事業の2つを実施したと書いている。同記事は支えた側自身が書いたものである(from_operator: true)
- Arts Council England から資金が付いた。 同記事で Curtis は、この網が今後どう育ちうるかを探るための資金を最近得たとし、外部の助言者と組んで検討すると述べている。額は書かれていない
- 費用の節約は目的の一つとして挙げられている。 Julie's Bicycle 2017年8月21日は、自らとの協働を通じて MAST が知見と実践を分け合い、費用を節約できる箇所を見つけ、助成者・市・観客との関係を築いてきたと書いている。これも協働した側自身が書いたものである
真似するなら最低何が必要か
1. 先に市の側の戦略があること。 Green Economy 2022年6月3日は、この網が市で初めての気候変動戦略への文化の分野の応答から育ったと書き、いまは市の気候の取り組みを束ねる Manchester Climate Ready の一部だとしている。Julie's Bicycle 2017年8月21日によれば、MAST は市の戦略の運営部会に席を持っている。つまり、網は市の戦略に対する受け皿として置かれている
2. 大小を同じ網に入れること。 Green Economy によれば、加盟は50を超え、BBC や ITV、Royal Exchange Theatre、Manchester Art Gallery、The Lowry、HOME といった大きな施設から、小さな企画・祭り・会場までが入っている。加盟数は Julie's Bicycle 2017年で35、UK100 2020年で40超、Green Economy 2022年で50超と、書かれるたびに増えている
3. 既にある講習を、自分の分野の言葉に作り替えること。 UK100 2020年12月10日によれば、2016年に MAST の会員が CLP の講習を文化・芸術向けに作り替えた。同記事は、複合芸術施設の HOME が認定を受けた講師2人を置き、自館の職員だけでなく企業や民間の団体にも講習を行なっていると書いている
4. 分野として弱いところを共同で補うこと。 Green Economy で Curtis は、多くの団体にとって最も難しいものの一つが調達と供給網を環境に配慮したものにすることで、とりわけ網の中の小規模な団体で難しいと述べている。 同氏によれば、事業を主とする大きな組織には調達の担当があるが、文化の分野には概してそれがない。そこで助言者が会員と組み、調達に持続可能性をどう組み込みどう測るかを解きほぐし、分野全体が何を買っているかを見取り図にしたうえで、各団体が自分に要るところだけ取れる道具箱(たとえば手を加えて使える調達方針の下書き)を作った
5. 「実質ゼロ」が自分の分野で何を指すのかを定義しなおすこと。 同記事で Curtis は、BBC や ITV から個人の芸術家までを含む分野なので、全体の行動計画を作るのは難しいと述べている。同氏によれば、会員がどこまで進んでいるか、何に関心があり、どこに強みがあるかを調べたうえで、政策・立場・実践・計画・場所・人という6つの P と、想像する・鼓舞する・伝える・革新する・包み込む・最も良い影響を残すという6つの I からなる「文化の側の応答」にまとめ、これを e ラーニングの道具にした
6. 見えていない排出を数え始めること。 同記事で Curtis は、組織の中の電気・水・廃棄物だけを見る話から視点を移す必要があると述べ、観客と来訪者の移動が文化の分野の隠れた影響であり、測り始めると、見えていなかった排出がさらに3分の2ほどあると分かると述べている
確認できないもの — 網の予算と人件費、会員が負担するものの有無、講習を受けた人の総数、実際に減った排出量は、参照した3本のどこにも書かれていない。加えて、独立した媒体による出典は UK100 の1本だけである(self_reported: true)。
今どうなっているか
2026年8月時点で確認できた最も新しい記録は、2022年6月3日の Green Economy による召集役への聞き取りである。
同記事によれば、MAST はグレーター・マンチェスターの50を超える文化の団体の網であり、市の気候の取り組みを束ねる Manchester Climate Ready の一部になっている。会員は、グレーター・マンチェスターの2038年の実質ゼロの目標をいずれも受け入れているとされる。
外へ広がった側も同じ記事に書かれている。 Curtis は、欧州の5つの都市と実践を分け合う C-CHANGE という事業を最近終えたこと、提携した都市がいずれも自分たちの文化の網を持つに至ったことを述べ、イタリアの提携先マントヴァではそれがうまく運んだためイタリアの他の都市へも広げられていると述べている。 同氏によれば、MAST を型にした似た網がリーズとリヴァプールにもできている。
次に何をするかは、この時点では検討の段階である。 Curtis は、この網が自分たちの分野によりよく仕えるにはどう育てばよいかを探るための資金を Arts Council England から最近得たとし、外部の助言者と組んで検討すると述べている。他の分野とどう組むかに関心があるとも述べている。これは今後の話として語られたものであり、その後どうなったかを報じた出典は確認できていない。
2022年6月より後を報じた出典は無い。 加盟数がその後どうなったか、C-CHANGE の後に何が続いたか、Arts Council England の資金による検討が何に結びついたかは、いずれも確認できていない。
出典
- Manchester Arts Sustainability Team (MAST) Consultancy Project — Julie's Bicycle(2017-08-21)
- Manchester Carbon Literacy Project — UK100(2020-12-10)
- Arts, culture and climate change — Green Economy(2022-06-03)
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