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住民が決める文化・アート・祭り5万人未満

難民が興したワイン協同組合を中心に、地元の任意団体が主催してワイン祭りを60年以上続けている

Γιορτή Κρασιού Νέας Αγχιάλου

ギリシャ / テッサリア地方 / ボロス市(Δήμος Βόλου)ネア・アンヒアロス地区(Δημοτική Ενότητα Νέας Αγχιάλου)

難民が興したワイン協同組合を中心に、地元の任意団体が主催してワイン祭りを60年以上続けている
© ΕΡΤ — この写真が載っている記事

1960年に始まったワイン祭りは、2024〜2026年も開催回数を重ねて報じられ続け、2020年にギリシャの無形文化遺産全国目録に登録された。

何をしたか

ギリシャ・テッサリア地方のネア・アンヒアロスで、1906年に東ロマニアのアンヒアロス(現ブルガリア領ポモリエ)を追われた避難民が1918年に興した農業ワイン協同組合「Η Δήμητρα(デメトラ)」が、1960年に当時の「コミュニティ」の発意でブドウ収穫を祝う祭りを始めた。現在はこの協同組合と地元のスポーツ・文化クラブ計4団体(年によっては5団体)が、毎年8月に無料のワイン提供と音楽・舞踊の夜を共同で主催し続けている。2020年にはギリシャ文化省の無形文化遺産全国目録に登録された。

誰が始めたか

協同組合そのものは、避難民が資金を出し合って興した。 文化遺産目録(ayla.culture.gr)によれば、1906年の迫害でアンヒアロスを追われた人々が1908年にネア・アンヒアロスを建設し、10年後の1918年、病と貧しさは「協力でしか乗り越えられない」と気づいた避難民たちが、「Αγροτική Λαϊκή Τράπεζα Νέας Αγχιάλου “Η ΔΗΜΗΤΡΑ”」の名で協同組合を設立した。同目録は、1927年に当時60人だった組合員が費用を出し合って脱穀機を購入したこと、1929年には組合員が280人に達したことを記す。

ワイン祭りそのものは、1960年に当時のネア・アンヒアロス「コミュニティ」の発意で始まった。 ΤΑΧΥΔΡΟΜΟΣ(2025-08-13ほか複数年)・ΕΡΤ(2025-08-13、2026-08-15)は、いずれも最初のワイン祭りは1960年に当時のコミュニティの発意で組織された(οργανώθηκε…με πρωτοβουλία της τότε κοινότητας Νέας Αγχιάλου)とほぼ同一の一文で伝えている。文化遺産目録は、これがテオドロス・アンゲリディス氏の代表任期中の出来事だったと記す。

現在の主催者は、協同組合を含む地元の任意団体である。 ΤΑΧΥΔΡΟΜΟΣ(2025-08-13)とΕΡΤ(2026-08-15)はいずれも、農業ワイン協同組合「デメトラ」・アスレチッククラブ「ピラソス」・文化アスレチッククラブ「ネア・アンヒアロス」・文化協会「オクシア」の4団体が共同で組織する(διοργανώνουν)と記す。ただし2024年(第62回)の記事だけは、これに商店主協会傘下の文化協会「イリダ」を加えた5団体が、ボロス市と協力して組織すると書いているdiscrepancies 参照)。2025年・2026年の記事に市への言及はない。

協同組合の代表は、栽培農家自身である。 文化遺産目録によれば、組合長のヤニス・キツィオス氏は50年間ブドウ栽培に携わる生産者の一人であり、監理評議会議長のヤニス・ツォルツォラス氏は、協同組合とネア・アンヒアロスという2つの言葉は切り離せないという趣旨を同目録の中で述べている。

いくらかかったか

祭り全体の事業費・資金源は、参照した6本のいずれにも書かれていない。 unknown_fieldsfunding_scale を申告した。

分かるのは、来場者が払う入場料と、協同組合が無料で提供するワインである。 ΤΑΧΥΔΡΟΜΟΣ(2025-08-13)・ΕΡΤ(2026-08-15)によれば、夜ごとの入場料は出演者によって5〜13ユーロと異なり、協同組合の名物ワインは期間中毎晩無料で提供される。子どもの無料入場の年齢は、2025年の記事は12歳未満、2026年の記事は10歳未満と書いており、年によって変わっている。

協同組合の設立初期には、組合員自身が資金を出し合っていたことが分かる。 文化遺産目録によれば、1927年の脱穀機購入は当時の組合員60人が費用を負担し、1928年には土地所有者から8,550〜9,000ストレンマの農地を250万ドラクマで購入して300人の希望者に分配し、各自が1936年までに分割払いを終えた。これはワイン祭り自体の費用ではなく、協同組合の設立初期の資金調達の記録である。

真似するなら最低何が必要か

第一に、行政ではなく、住民自身が出資・運営する経済的な基盤を持つこと。文化遺産目録によれば、農業ワイン協同組合「デメトラ」は1918年に避難民が自ら資金を出し合って設立し、1927年の機材購入・1928年の農地購入もいずれも組合員自身の負担で行われた。この組合が、100年以上あとの今もワイン祭りの中心的な主催者であり続けている。

第二に、地元の任意団体を複数、共同主催者として巻き込むこと。ΤΑΧΥΔΡΟΜΟΣ(2025-08-13)・ΕΡΤ(2026-08-15)は、協同組合に加えてスポーツクラブ・文化クラブ計3団体が共催すると記す。2024年の記事はさらに商店主協会系の文化協会も加わったと記しており、主催の担い手を単一の組織に固定せず年によって広げられる余地がある。

第三に、地元の産物と、その土地の由来を結びつけること。文化遺産目録・複数の報道はいずれも、ワイン祭りが東ロマニアのアンヒアロスから伝わったブドウ栽培の伝統を祝うものであり、集落そのものの成り立ち(避難民の入植)と直結していると記す。

第四に、制度的な記録の場に、住民自身の資料で応募すること。文化遺産目録は、2020年の無形文化遺産全国目録への登録にあたり、現・元の組合役員や住民、地元団体が写真・文書・口述証言を持ち寄り、協同組合設立100周年(1918〜2018年)を記念する32ページの冊子も作られたと記す。

第五に、無料または手頃な参加のハードルにすること。複数年の報道によれば、ワインは毎晩無料で提供され、入場料も5〜13ユーロ・子どもは無料という水準に保たれている。

今どうなっているか

2026年9月2日時点で確認できた最新の記事は、2026年8月15日付のΕΡΤと同年8月5日付のTornos Newsである。 ΕΡΤ(8月15日付)によれば、第64回ワイン祭りは2026年8月13日に開幕し、協同組合と地元3団体の共催で16日まで4日間続く予定だった(記事の掲載日は最終日の前日にあたるため、16日分の開催そのものは参照した出典では確認できていない)。Tornos Newsは、この祭りが数十年にわたり地元の産物と文化的な特徴に結びついた制度だと伝えたうえで、ボロス市の説明として、地元産品(ワイン・チプロ)の周知と文化活動の強化を目的としていると書いている。

2024年(第62回)・2025年(第63回)・2026年(第64回)と、開催回の番号が毎年進んでいることが記事から確認できる。 ただし2024年・2025年の記事はいずれも開幕前日に書かれた告知記事であり、その回が実際に予定どおり行われたことを事後に確認した記述は、参照した出典の中には無い。確実に開幕を確認できるのは2026年(第64回)のみである(8月15日付ΕΡΤが、13日に開幕したと開幕後に伝えている)。とはいえ、翌年の記事が回数を1つずつ進めて同じ形式で報じ続けていること自体が、前年までの開催が途切れていないことの間接的な裏付けになっている。縮小・中止を伝える記述は、参照した6本のいずれにも無い。主催団体の構成(4団体か5団体か)と、ボロス市が協力主体として名前に挙がるかどうかは、年によって記事の書き方が異なるdiscrepancies 参照)。この違いが実際の運営体制の変化を示すのか、記事ごとの記載の粗密の違いにすぎないのかは、参照した出典からは判断できない。

出典

  1. Ξεκινάει η 63η Γιορτή Κρασιού Νέας Αγχιάλου — Ταχυδρόμος του Βόλου(2025-08-13)
  2. 62η Γιορτή Κρασιού Νέας Αγχιάλου — Ταχυδρόμος του Βόλου(2024-08-13)
  3. Η 63η Γιορτή Κρασιού Ν. Αγχιάλου — ΕΡΤ(ertnews.gr)(2025-08-13)
  4. Ξεκίνησε η 64η Γιορτή Κρασιού Νέας Αγχιάλου με Καψάλη, Ζίνα, Κονιτοπούλου και Κιάμο — ΕΡΤ(ertnews.gr)(2026-08-15)
  5. Νέα Αγχίαλος: Επιστρέφει η Γιορτή Κρασιού με τοπικό κρασί, τσίπουρο και μουσικές εκδηλώσεις — Tornos News(2026-08-05)
  6. Η αγχιαλίτικη παράδοση καλλιέργειας του αμπελιού από την Αγχίαλο ανατολικής Ρωμυλίας στη Νέα Αγχίαλο Μαγνησίας: ο Οινοποιητικός Αγροτικός Συνεταιρισμός «Η ΔΗΜΗΤΡΑ» — Άυλη Πολιτιστική Κληρονομιά της Ελλάδας(ギリシャ文化省・無形文化遺産全国目録)(2020-08-13)

最終確認日 2026-09-02

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