放課後・週末に公立校の校舎を市民に開放し続けている
Ανοιχτά Σχολεία του δήμου Αθηναίων
2018年にはギリシャ人と難民の子どもが一緒に学ぶ場として欧州評議会の手引きで紹介され、2019年にはCisco社との提携講座が新たに始まった。
何をしたか
アテネ市は2015年、公立学校の校舎を放課後・週末に地域住民へ開放する「アンイフタ・スホリア(開かれた学校)」を、市の革新的な取り組みとして始めた。スタヴロス・ニアルコス財団(ΙΣΝ)の寄付を財源に、非営利団体アテネ・パートナーシップが調整役を担い、市民団体や個人が提案した文化・教育・スポーツ・技術の無料活動を校舎内で行う。2017年時点で対象は市内25校の校舎に広がっている。
誰が始めたか
主体はアテネ市である。 Athens Voice(2017年5月3日)は、この取り組みをアテネ市による革新的な取り組みで、2015年から実施されていると書いている。
資金と調整は市の外にある。 Greek Reporter(2018年4月23日)によれば、資金はΙΣΝの独占的な寄付でまかなわれ、経済危機のさなかの2015年に設立された非営利団体アテネ・パートナーシップが、市のためにこの事業を含む12以上のプロジェクトを調整している。
追加の資金提供者も後から加わった。 ラツィス財団のプログラム紹介ページ(2018年の助成として掲載)によれば、コイノフェレス・イドリマ・イオアニス・S・ラツィス(ラツィス財団)は2018年11月から、自閉症・発達障害のある子ども向けの創作活動やロボット工作講座「ネオイ・ミハニコイ」など、個別の活動に資金を追加した。
活動そのものは行政が企画していない。 同ページと2019年7月公開の学術会議紀要(著者2名はいずれもアテネ市職員)はともに、活動が市民社会の団体や個人からの提案を審査したうえで選ばれ、提案した団体自身が市の支援を受けて実施すると書いている。
いくらかかったか
事業全体の年間予算やΙΣΝによる寄付の総額は、参照した出典のいずれにも書かれていない。 確認できるのは個別の資金提供の規模だけである。
ラツィス財団のプログラム紹介ページによれば、同財団は2018年11月から、5つの協力団体による7種類の活動を12校で実施する資金を提供し、教育・技術・スポーツ・文化の分野で計248時間、308人の受益者に届けた。
同ページはまた、事業開始からある時点(ページの更新時点は明記されていない)までの累計として、21校が門戸を開き521の活動が行われ、31,350人が参加したという数値を示している。この累計がいつ時点のものかは、ページ自体に記載がない。
真似するなら最低何が必要か
1. 財源を1つの大口寄付者に絞り、調整は市役所とは別の非営利組織に任せる。 Greek Reporter(2018年4月23日)によれば、資金はΙΣΝの独占的な寄付であり、調整はアテネ・パートナーシップという市とは別の非営利組織が担う。市の職員だけで運営していない。
2. 活動の中身は市民や団体からの提案で埋める。 ラツィス財団のページと2019年7月の学術会議紀要はともに、活動が市民社会の団体や個人からの提案を審査したうえで選び、提案した団体自身が実施すると書いている。行政が活動内容を一から企画していない。
3. 既存の活動に新しい分野を後から足せる余地を残す。 techpress.gr(2019年2月8日)によれば、事業は2019年2月からCisco社と提携し、情報系学部の卒業生向けにCCNAネットワーク技術の無料講座をプラカ地区の第1実験ギムナジオ(アドリアヌ通り114)で新たに始めている。当初の文化・スポーツ中心の活動から、対象年齢と分野を後から広げた形である。
4. 難民と地元住民が同じ活動に混ざる設計にする。 Greek Reporter(2018年4月23日)は、ペトラロナ地区の校舎で異なる国・文化の若者が一緒にヒューマンビートボックスを習っていること、バルセロナ・フットボール・アソシエーションのプログラム「フットボルネット」(NGOプラクシスが実施)を通じ、ギリシャ人と難民の子どもが一緒にサッカーを練習していることを伝えている。
5. 対象校の数え方は出典によって揺れることを見込んでおく。 Athens Voice(2017年5月3日)とGreek Reporter(2018年4月23日)はともにその時点の対象を25校としているが、ラツィス財団のページは事業開始からの累計として21校という異なる数値を示している(開いた校数の延べ数か、その時点で開いている校数かで数え方が違う可能性がある)。
今どうなっているか
確認できた最も新しい出典は2019年である。 techpress.gr(2019年2月8日)は、2019年2月からプラカ地区の第1実験ギムナジオでCisco社との提携講座が始まったと伝えている。同じ年の7月には、学術会議「子どものための空間か、子どもの空間か(Χώροι για το Παιδί ή Χώροι του Παιδιού;)」の紀要(著者はアテネ市職員2名)が、この事業を市の校舎活用の取り組みとして紹介している。
2019年より後、この事業単体を扱った独立媒体の記事は確認できていない。 そのため status_current は判定不能とした。
出典
- Ανοιχτά Σχολεία: 10 δωρεάν δράσεις που γίνονται στην Αθήνα — Athens Voice(2017-05-03)
- Athens Keeps Schools Open for Locals and Refugees — Greek Reporter(2018-04-23)
- Ξεκινούν δωρεάν τμήματα Cisco Networking Academy στα Ανοιχτά Σχολεία του δήμου Αθηναίων — techpress.gr(2019-02-08)
- Πρόγραμμα Ανοιχτά Σχολεία του Δήμου Αθηναίων — Κοινωφελές Ίδρυμα Ιωάννη Σ. Λάτση(ラツィス財団)(2018)
- Ανοιχτά Σχολεία του δήμου Αθηναίων: Ένας χώρος δημιουργίας για όλους με δράσεις πολιτισμού, εκπαίδευσης, τεχνολογίας, άθλησης — eProceedings(学会紀要)ekt.gr/«Χώροι για το Παιδί ή Χώροι του Παιδιού;» 会議録(2019-07-27)
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