電気の来ない家に太陽光の設備を売り、銀行の融資を組んで買えるようにした
SELCO
1995年にバンガロールで始まり、2012年には10万台を超える設備を入れた。2024年以降は保健施設と冷蔵に広がっている。2026年8月には、2017年に入れた設備が止まっていたオディシャの集落が報じられた。
何をしたか
インドで、電気の来ない家や小商いに太陽光の設備を売り、それを買うための銀行の融資を組んだ取り組み。
Knowledge at Wharton(2010年3月25日)によれば、SELCO は1995年にカルナータカ州バンガロールで15,000ルピーを元手に設立された。同記事によれば、これは営利の企業で、記事の時点で経営陣が1.5%を持っていた。
売るだけでなく、買える形を作っている。 Down To Earth(2012年11月29日)によれば、SELCO は頭金10〜15%、最長5年、金利12%という条件を用意した。Business Today(2012年7月31日)によれば、ハンデ氏は、前の年に取引した世帯の月収は3,000〜4,000ルピーで、買った設備の価格は8,000〜20,000ルピーだったと述べている。
扱う対象は途中で広がっている。 Harvard Business School のブログ(2024年3月14日)と Scroll.in(2025年5月19日)は保健施設への設置を、Mongabay India(2025年11月14日)は農家の太陽光の冷蔵を扱っている。
誰が始めたか
2人の創業者である。 Harvard Business School のブログ(2024年3月14日)によれば、SELCO はハリシュ・ハンデ氏とネビル・ウィリアムズ氏によって1995年に営利の社会的企業として設立された。Business Today(2012年7月31日)によれば、ハンデ氏は自分の太陽光の照明が最初の客を得たあと、ウィリアムズ氏とともにこれを立ち上げた。
始まりは1994年の1つの村にある。 同記事によれば、1994年の時点でケララ州カサラゴド県のムラリア村にはまだ電気が来ていなかった。
持ち分は創業者にない。 同記事によれば、2012年時点の持ち分は3つの外国の非営利団体(Lemelson Foundation / Good Energies Foundation / E+Co)にあり、ハンデ氏を含む全員が従業員である。
会社と財団の2つがある。 同記事は、この会社には非営利の腕として SELCO Foundation があり、カルナータカ州ウジレとグジャラート州アーメダバードに2つの「ラボ」を置いたと書いている。2010年から2012年の出典は会社を、2024年から2026年の出典は財団を主題にしている。 本記録は、この2つを1つの系譜として1件にまとめた。出典によって呼び分けが揺れることは下の各節に書いた。
社名の綴りが出典間で違う。 Harvard Business School のブログは Solar Electric Light Company、Down To Earth(2012年11月29日)は Solar Electric Lighting Company と書いている。discrepancies に並置した。
いくらかかったか
外から入った資金と、事業の規模の両方が書かれている。
Knowledge at Wharton(2010年3月25日)によれば、2008年に140万米ドルの資金を得ており、2009年3月31日に終わった年度の売上は1億2,000万ルピー(Rs. 12 crore)で、2014年までに約4億ルピー(Rs. 40 crore)に増やす目標を置いていた。
Business Today(2012年7月31日)によれば、2011/12年度の売上は1億8,500万ルピー(Rs 18.50 crore)、税引後利益は720万ルピー(Rs 72 lakh)である。同記事によれば、ハンデ氏は、利幅を22〜24%に保っていると述べ、8%ほどが返済に行き詰まるが、その多くは作物の不作のような真っ当な理由によるものだとも述べている。
買う側の値段も書かれている。 Knowledge at Wharton(2010年3月25日)によれば、2010年時点で照明4灯・40ワットの一組は約15,000ルピー(350米ドル)だった。Business Today(2012年7月31日)によれば、最も安い1灯の一組は7,500ルピーである。
補助は無い。 同記事は、SELCO の製品はいかなる形でも補助を受けておらず、国からの支援も一切無いと書いている。同記事によれば、ハンデ氏は、政府が SELCO に30%の税を課す一方で IT 企業には税の優遇を与えていると述べている。
真似するなら最低何が必要か
第一に、設備を売る前に融資を作ること。Down To Earth(2012年11月29日)が書く条件は、頭金10〜15%・最長5年・金利12%である。Knowledge at Wharton(2010年3月25日)によれば、ハンデ氏は、手が届くとは安いことではなくふさわしい融資があることだ、と述べている。
第二に、顧客の所得を先に見て、値段の段を用意すること。Business Today(2012年7月31日)によれば、ハンデ氏は前の年に取引した世帯の月収を3,000〜4,000ルピー、買った設備を8,000〜20,000ルピーとしている。最安の1灯の一組は7,500ルピーである。
第三に、返済に行き詰まる割合を織り込んでおくこと。同記事によれば、ハンデ氏は8%ほどが返済に行き詰まると述べている。
第四に、部材の値段が外の事情で動くことを見込むこと。Knowledge at Wharton(2010年3月25日)によれば、2005年にドイツで新しい補助制度が始まってインドの部材メーカーが向きを変えた結果、SELCO の価格は46%上がり、15〜20日で届いていた板が3〜6か月かかるようになった。 同記事によれば、ハンデ氏はこれを「二重の打撃」と述べ、記事の時点では黒字に戻ったとしている。
第五に、入れたあと動き続けるかを、入れる計画と同じ重さで扱うこと。この事業では、そこが最も強い指摘になっている(次節)。
第六に、急に大きくしないこと。同記事によれば、ハンデ氏は、経営学の教室で教わるやり方で規模を追えばこの会社は自滅すると述べている。
今どうなっているか
2026年8月時点で確認できたのは、2026年8月13日の記事までである。
保健施設と冷蔵に広がっている。 Harvard Business School のブログ(2024年3月14日)によれば、SELCO Foundation は IKEA Foundation と保健家族福祉省とともに、気候の影響を受けやすい資源の乏しい地域の25,000の保健施設に2026年までに設備を入れる事業を進めている。同ブログによれば、訪ねた1施設では月の電気代が約10,000ルピーから約400ルピーに下がり、2日分まで蓄えられる。この記事は学生の小論である。 同ブログには図版の出所として SELCO の訪問用資料と記された箇所があるが、上の2つの数字にはその表示は付いていない。
Scroll.in(2025年5月19日)によれば、SELCO Foundation の長フーダ・ジャファー氏は、取材した施設がカルナータカ州で太陽光を入れる予定の2,500の公的保健施設の1つだと述べている。Mongabay India(2025年11月14日)によれば、農民生産者団体 Dhaanya FPO の理事ウマカント・シャルマ氏は、カルナータカ州シンダヌールに2020年、SELCO Foundation の助けで冷蔵の施設を設けたと述べている。同氏によれば、最初の7〜8か月は無料で預けられ、そのあと1箱(50キロ)あたり10ルピーを取るようになり、いまは農民から買い取って値が上がったときに売り、利益を分けている。
制度になっていないという指摘がある。 Scroll.in(2025年5月19日)は、保健所の太陽光が、政策の不備のために慈善の取り組みにとどまっていると書いている。 参照した7本の中に、これに答えた記述は無い。
入れたあと止まった例が報じられている。 Down To Earth(2026年8月13日)によれば、オディシャ州の集落ヌナレシュでは、2017年に18世帯が SELCO Foundation から1台8,350ルピーの設備を受け取り、2,500ルピーの補助(費用の約3割)を得たうえで、シンジケート銀行から金利9.65%で5,300ルピーを借りた。利息を含む返済総額は1世帯あたり約6,277ルピーである。 同記事によれば、その設備が動かなくなったあと、2021年に部族開発の機関から別の設備が無償で配られたが、それも数か月で壊れた。
当事者側の説明も同じ記事に載っている。 同記事によれば、上の融資の条件を説明したのは、カラハンディで働く SELCO Foundation の現地の取りまとめ役ビリシン・マジ氏である。元の技術取りまとめ役ビジャイ・クマール・ナンダ氏は、場合によっては返済と保守の難しさが設備の長い期間の動作に影響した可能性がある、と述べている。 同記事は、SELCO Foundation は自ら貸すのではなく、金融機関との連携や慈善の資金・リスク保証といった仕組みを通じて融資を仲立ちするのが常だとも書いている。
同記事は、この集落の失敗を SELCO だけの問題としては書いていない。 記事の主題は、オディシャ州が全ての税収村の電化を宣言したあとも電力の貧困が残っているという点であり、部族開発の機関が配った設備も数か月で壊れたと住民が述べている。
2012年の設備の数は出典間で食い違う。 Business Today(2012年7月31日)は3州で約145,000台、Down To Earth(2012年11月29日)はカルナータカ州で135,000世帯としている。数える範囲が違う可能性が高いので、discrepancies に並置した。
出典
- Harish Hande of SELCO India: Shedding Light on India's Underserved Markets — Knowledge at Wharton(2010-03-25)
- How SELCO is lighting up rural houses with solar power — Business Today(2012-07-31)
- Let solar shine — Down To Earth(2012-11-29)
- IFC India: SELCO - Last Mile Solar Powered Energy for Rural India — Harvard Business School Business & Environment blog(2024-03-14)
- Solar power: India's health centres bridge crucial infrastructure gap — Scroll.in(2025-05-19)
- Solar-powered cold storage empowers smallholder farmers — Mongabay India(2025-11-14)
- Odisha says all revenue villages electrified, but Nunaresh's failed DRE shows how energy poverty persists beyond official coverage — Down To Earth(2026-08-13)
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