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住民が決めるデジタル・情報発信5万〜25万

地区ごとの小さな工事を住民の電子投票で決めている

Hverfið mitt

アイスランド / 首都地域(höfuðborgarsvæðið) / レイキャビク

地区ごとの小さな工事を住民の電子投票で決めている
© Vísir — この写真が載っている記事

2019年に費用の超過と実施方法への批判が報じられ、市は見直しの作業部会を置いた。2021年の投票参加は16%を超え、2024年には2023年9月の投票で選ばれた62件の入札が許可された。

何をしたか

レイキャビク市が、地区ごとの小さな新設・改修工事の優先順位を、住民の電子投票で決めている仕組み。市の担当議長は2018年に、まず住民から案を集め、市の仕組みの中で検討したうえで、各地区の地区協議会と協力して投票にかける3段階だと書いている。投票できるのは15歳以上の市民で、投票は Íslykill か電子証明書で確定する。2021年の投票では、名簿112,306人に対し18,389人が投票し、277案のうち111案が選ばれた。2023年9月の投票で選ばれた62件については、2024年に市議会が入札にかけることを許可し、施工は2025年12月までと見込まれている。

誰が始めたか

始まった年を書いた出典が1本も無い。 start_yearunknown_fields に申告したままである。回数についての記述は1件ある——Vísir(2021年10月14日)はその年の投票を9回目だと書いている。ただし同記事はこの時点で投票が2年に1度になったと書いているので、回数から開始年を逆算することはできない。

主体はレイキャビク市である。 reykjavik.is(2024年4月24日・運営主体の発信)は、Hverfið mitt を住民と行政が協議して、市内の地区の新設の工事に優先順位を付け資金を割り当てる事業だと説明している。Vísir(2019年11月14日)で市の担当者グズビョルグ・ラウラ・マウスドッティルが挙げる説明は少し広く、小規模な新設と維持補修の両方の優先順位付けと資金の割り当てだとしている。2019年の説明にあった「維持補修」が2024年の説明では落ちている(下記のとおり、その間に作業部会が置かれている)。

表に出るのは市の役職者である。 2018年3月6日に Vísir に寄稿しているのは市の統治機構・民主主義評議会の議長ハトルドウル・アウダル・スヴァンソンで、同氏はこの仕組みが市の組織と市民の双方にかなりの経験を積んだと書いている。2019年と2021年に取材に答えているのはいずれも市の事業担当者(2021年はエイリークル・ブーイ・ハトルドルソン)である。発案者にあたる個人や団体は、参照した8本のどこにも出てこない。

いくらかかったか

枠の金額は回ごとに出ている。単位はアイスランド・クローナである。

- 2019年の回——DV(2019年11月6日)は、工事に4億5,000万クローナが充てられると書いている。同紙によれば投票に出る事業は1件ごとに見積額が貼られている
- 2021年の回——Vísir(2021年10月14日)は、全体で8億5,000万クローナが市の10の地区に配分されると書いている。担当者は、2年に1度になったので2年分の資金が合わさり、より多くの・より大きな事業ができると述べている
- 2023年の回——reykjavik.is(2024年4月24日)は、市の理事会が入札を許可した62件の見積費用を4億5,000万クローナとし、施工の見込みを2024年5月から2025年12月までとしている

超過も1度報じられている。 RÚV(2019年11月20日)の見出しは、Hverfið mitt が見積を5,000万クローナ超えたと伝えている。ただしキャッシュに残っているのは見出しだけで、本文が取れていない。 何の年のどの範囲の超過かは確かめられない。

1件ごとの見積額そのものが議論の的になっている。 DV(2019年11月6日)は、ある公園の2本の小径に名前を付けて標識を立てる案の見積が600万クローナとされ、同じ場所の小径の補修と同額、公園を回る走路の敷設より100万クローナ高いと書いている。同紙は、社会的なつながりの場でこの額への批判が出たことを伝える一方、金額を細かく出すこと自体が「何をするにもいくらかかるかを見せ、優先順位を付けさせるための仕掛けだ」という擁護の声も並べている。同紙は市に見積の内訳を求めたと書いている。

真似するなら最低何が必要か

1. 3段階に分けること。 市の評議会の議長は2018年に、まず住民から案を集め、市の仕組みの中でそれを引き取って検討し、そのうえで地区ごとの地区協議会と協力して投票にかけると書いている。選ばれた案を施工するのはそのあとである。2024年の告知では、市の理事会が環境・計画の部門に入札を許可する段が入っている
2. 1件ごとに見積額を貼ること。そして内訳を求められることを覚悟すること。 DV(2019年11月6日)は、投票の各案に見積が付いていること、その額に批判が集まったこと、同紙が市に内訳を求めたことを書いている。reykjavik.is も事業と費用の情報を併せて出している
3. 本人確認のある電子投票と、低い年齢の下限。 投票できるのは15歳以上の市民で、DV(2023年9月20日)はÍslykill か電子証明書で本人を確認して投票が確定すると書いている。同紙はまた、何度でも投票してよく、最後の投票が有効になると伝えている。市の担当者は2019年に、その前の回で投票年齢を15歳に下げたばかりだと述べている
4. 枠を地区に割り、参加率を地区ごとに出すこと。 2021年の8億5,000万クローナは10の地区に配分され、結果も地区ごとに公表されている。参加率も地区ごとに比較されており、2019年には西部地区・ブレイズホルト・キャラルネスが遅れていると報じられ、2023年にはグラーヴァルホルトとウールヴァルサウルダールが6.3%で最も高かったと報じられている
5. 落選の理由を返す経路を作ること。 市の評議会の議長は2018年に、この仕組みで最も批判されてきたのは「なぜ自分の案が投票まで進まなかったのか」が見えないことだと書いている。同氏によれば、第1段階で支持を集めた案が市の要件に合わずに落ちると、住民は試すこと自体に意味があるのかと問うようになる。対応として2月12日に評議会で可決された提案が挙げられている——支持や議論を集めた案、そのままでは通らないが手直しすれば規則に合う案、多くの手間が掛かっていると見える案について、発案者に連絡することを優先するというものである。併せて、案の説明を長く書ける、書類を添付できる、詳細を詰めるための連絡先を書ける、という技術的な手当てが加えられた
6. 仕組みを見直す作業部会を置くこと。 Vísir(2019年11月14日)は、維持補修の案と安全に関わる案を、滑走路や跳ね床と同じ土俵で投票させることへの批判が出ていたと書いている。市の担当者は、維持補修の案をこの事業から外すかどうかを含めて作業部会が見直していること、市が別に持つ通報の窓口がその受け皿になりうると述べている。同記事はもう1つの批判も伝えている——自分が住んでいない地区に案を出し、しかも自分がその工事の請負側である例が出たというものである。市の担当者は、誰でもどこにでも案を出せる建て付けは変えないが、職員自身は案を出さないという内部の規則があると述べている

確認できないものは、開始年と回数の数え方、事業の総額の推移とその理由、2019年に報じられた5,000万クローナの超過の中身(キャッシュに見出ししか無い)、施工されたあとの利用や評価、そして2024年に入札が許可された62件が実際に完成したかである。

今どうなっているか

2026年8月時点で確認できた最も新しい記録は、2024年4月24日の reykjavik.is の告知である。これは運営主体であるレイキャビク市自身の発信であるfrom_operator: true)。第三者の報道で最も新しいのは2023年9月20日の DV で、投票が行なわれている最中の記事である。

市は2024年4月に、前年の秋に選ばれた62件について、環境・計画の部門が入札にかけることを市の理事会が許可したと告知した。見積費用は4億5,000万クローナ、施工の見込みは2024年5月から2025年12月までである。この62件が実際に完成したかを伝える出典は無い。

直近の投票は2023年9月で、市全体の投票率は12%だったと市は書いている。投票した人の内訳は、女性が62%近く、男性が38%あまり、その他が0.04%とされる。参加の数字は年で動いている——市の担当者は2019年に、前年の参加が12.3%で、その前の11%から上がったと述べており、2021年の回は名簿112,306人に対し18,389人、投票率16%超で、Vísir はレイキャビクのすべての地区で記録を更新したと書いている。2021年の16%超に対し、2023年は12%である。

選ばれている中身は小さい。 2024年の一覧に並ぶのは、ベンチとごみ箱、クリスマスの照明、屋外プールの赤外線サウナ、フリスビーゴルフの走路、注射針の回収箱、高齢者向けに座面を高くしたベンチ、瞑想用のブランコ、砂場の球技場、植樹といったものである。「地区ごとの小さな工事」という枠がそのまま出力に現れている。

枠の定義が動いていることは記しておく。 2019年に市の担当者が説明した対象は小規模な新設と維持補修だったが、2024年に市自身が書いた説明は新設だけである。2019年に置かれた作業部会が維持補修を外すかを検討していたことは報じられているが、実際に外したと書いた出典は無い。

出典

  1. Hverfið mitt í Reykjavík 2018 — Vísir(2018-03-06)
  2. Sex milljónir kostar að nefna og merkja tvo göngustíga hjá Reykjavíkurborg — DV(2019-11-06)
  3. Stefnir í metþátttöku en starfshópur endurskoðar Hverfið mitt — Vísir(2019-11-14)
  4. Hverfið mitt fór 50 milljónir fram úr áætlun — RÚV(2019-11-20)
  5. Aldrei fleiri tekið þátt og stór verkefni framundan — Vísir(2021-10-14)
  6. Þessar tillögur urðu fyrir vali Reykvíkinga í íbúakosningunni Hverfið mitt — Vísir(2021-10-14)
  7. Íbúar Grafarholts og Úlfarsárdals með mestu þátttökuna í hugmyndakosningu — DV(2023-09-20)
  8. Hverfið mitt- fjölbreytt og skemmtileg verkefni til framkvæmda — Reykjavíkurborg(2024-04-24)

最終確認日 2026-08-18

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