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大幅に縮んだ駅前再開発のあと、病院跡地2000坪に市場を建てて連鎖させた

ふらのまちづくり

日本 / 北海道 / 富良野市

大幅に縮んだ駅前再開発のあと、病院跡地2000坪に市場を建てて連鎖させた
© 中心市街地活性化協議会支援センター(中小企業基盤整備機構内) — この写真が載っている記事

2010年のフラノマルシェ開業から、記録は2022年まで続く。2010年の2本は開業を、2011年から2013年の3本はまちづくり会社の展開過程を、2022年の記事は12年目の状況と3例目の再開発を扱っている。

何をしたか

北海道富良野市の中心市街地で、病院が移転して空いた目抜き通りの跡地に市場型の施設を建て、そこから次の事業へ連鎖させた。 中心市街地活性化協議会支援センターの2022年の記事によれば、同センターが平成19年とする年に、市内で大きな集客力を持つ地域センター病院が中心市街地の目抜き通りから駅裏へ移転し(同センターの2010年の記事は「平成18年」と書いており、出典間で1年ずれている。discrepancies に並置した)、病院跡地に2000坪の大規模空地が発生した。 平成20年に第1期中心市街地活性化基本計画が認定され、平成22年に「フラノマルシェ」が開いた。同記事は、富良野市の取り組みの特徴を、まちづくり会社を中心とした多様な公民連携事業を連鎖的に展開している点だとしている。

誰が始めたか

この取り組みは、先行した再開発のあとから始まっている。同センターは、その事業効果は当初の想定より大きく後退したと書いている。

中心市街地活性化協議会支援センターによれば、富良野市は平成14年度から行政主導で富良野駅前地区の再開発事業(土地区画整理事業+市街地再開発事業)に着手したが、既成市街地での土地区画整理事業であることから総事業費の約6割を既存物件の移転補償費が占め、事業費そのものも当時の財政事情により当初の構想から大幅なスケールダウンを余儀なくされた。地区内権利者数も当初の49権利者から23権利者へと半減し、地区内の既存店舗数も減少した。同記事は、事業効果が当初の想定より大きく後退し、一部の市民や経済界から厳しい評価を招く結果になったと書いている。

その一方で、同記事は、この事業で富良野駅前に交通結節点が整備され、公共交通機関が全て駅前地区に集約されて市民や観光客の利便性向上に大きく寄与する形になったとしている。

2022年の取材に答えているのは、ふらのまちづくり株式会社の広報・企画担当、富良野市建設水道部都市建築課の主幹、富良野商工会議所の業務課長の3人である。会社・行政・商工会議所が並んでいる。

いくらかかったか

中心市街地活性化協議会支援センターの2010年の記事によれば、フラノマルシェは商工会議所、商業者、市民など民間が主体となって出資したまちづくり会社が約2億8千万円をかけ取り組んだものである。同記事は、人口わずか2万5千人のまちでは資金面で厳しいことから、国の「戦略的中心市街地商業等活性化支援事業費補助金」約1億3千万円を申請し、中小企業基盤整備機構のサポート事業やアドバイザー制度も活用したと書いている。

借り方にも特徴がある。 同センターの2022年の記事によれば、まちづくり会社の役員は市内企業の経営者であり、初期段階では代表取締役会長と社長が2億円の債務を個人保証で引き受けたとされ、同記事はこれを自らリスクを取る姿勢として書いている。同記事は、実際には補助金を活用できたため初期費用の負担は軽減されたとしつつ、補助金がなくても成り立つ前提で、改修まで見込んだ15年分の事業計画を組み、金融機関から融資を受けたとしている。

土地は買っていない。 同記事によれば、フラノマルシェの土地は市有地であり、富良野市は固定資産税相当額という低廉な価格でまちづくり会社に優先的に賃貸することで、ランニングコストの面から継続的に支援している。

先行した駅前地区再開発事業については、総事業費の約6割を既存物件の移転補償費が占めたと同センターが書いているが、その総額は記されていない。

真似するなら最低何が必要か

出典から取り出せるのは4つである。

1. 前の事業が縮んだ理由を引き継ぐこと。 前節のとおり、移転補償費が総事業費の約6割を占めたことと、権利者が49から23へ半減したことが、事業効果の後退につながったと同センターは書いている。フラノマルシェが建ったのは、病院が移転して空いた大規模空地である(ただし出典は、移転補償を避けるためにその場所を選んだとは書いていない)
2. ビジョンを先に共有すること。 同センターは、富良野市は第1期の認定計画時からまちづくりのビジョンが非常に明確で、行政・民間問わず関係者でしっかり共有され、それに基づいて各取組みを行ってきたとし、その結果が市街地全体へ波及するエリアマネジメントにつながったとしている
3. 観光資源が郊外にあることを前提に置くこと。 同センターは、富良野市は多くの観光客を惹きつける観光資源を持つがその多くは郊外にあり、中心市街地には観光客を呼び込む魅力的なコンテンツも少なく、観光消費を取り込めていなかったと書いている
4. 連鎖の次を用意しておくこと。 同センターは、市内3例目の市街地再開発事業が進んでいるとし、今後の展望として賑わい・交流機能の拡充、暮らしの充実、都市再生推進法人指定の検討を挙げている

確認できないのは、フラノマルシェの売上(同センターは開業半月の時点で「各店の売り上げも好調です」と書くのみで数値が無い)、開業年以降の来場者数の推移、そして権利者が半減した先行事業の権利者がその後どうなったかである。

今どうなっているか

2026年8月時点で確認できた最も新しい記録は、2022年4月15日の中心市街地活性化協議会支援センターの記事である。平成22年に開いたフラノマルシェが12年目を迎えたとし、フラノマルシェ近傍の路線価が平成26年以降6年連続で上昇していることを「まさに活性化の成果」と書いている。 同記事によれば、富良野市は現在市内3例目の市街地再開発事業を進めている。

開業直後の数字は別の出典にある。 同センターは2010年の記事で、オープンして半月の時点で目標年間来場者30万人を上回る、1日あたり約3,000人が来場し、4月29日から5月5日には約3万人が詰め掛けたと書いている。これは開業半月時点の値であり、その後の推移は今回の出典からは確認できない。

路線価の数字は2022年の記事にある。 同センターによれば、フラノマルシェ隣接の路線価は6年連続で上昇し、2019年1月時点での路線価は2013年比で31%アップ、7年間で113億円を上回る経済波及効果を生み出したとされる。

人口の目標も語られている。 同記事は、少子高齢化時代において経済・雇用を成り立たせるためにも富良野市では2万人の人口を維持したい考えだとし、次の再開発で目指す方向性を、まち歩きが楽しいまちなかの居場所・環境づくりだとしている。

これらはいずれも、事業を進めている側(まちづくり会社・市・商工会議所)への取材にもとづく記述である。 第三者による効果測定ではない。

否定的な評価は、この出典自身が先行事業について書いている(前述のとおり、事業効果が当初の想定より後退し厳しい評価を招いたという記述)。フラノマルシェ以降の取り組みについての否定的な報道は、今回探した範囲では見つからなかった。北海道の地方紙については robots.txt を測っておらず、報道による検証は行えていない。

出典

  1. フラノ・マルシェ オープン — 富良野市(2010-04-30)
  2. 富良野の食文化と市民・観光客交流の拠点施設「フラノマルシェ」オープン — 中心市街地活性化協議会支援センター(中小企業基盤整備機構内)(2010-05-21)
  3. 活き活き商店街とまちづくり(64)ルーバン・フラノ構想を推進する : 富良野市「ふらのまちづくり株式会社」 — 専門店(日本専門店会連盟機関誌)(2011-11)
  4. まちづくり市民事業の展開と多主体による協働関係の構築 : ふらのまちづくり株式会社を事例として — まちづくり(クッド研究所・学芸出版社)(2011-12)
  5. 出資者の協議会等への参加歴からみたまちづくり会社の展開プロセス : ふらのまちづくり株式会社を対象として — 都市計画論文集(日本都市計画学会)(2013)
  6. 「ルーバンフラノ構想」に基づいて戦略的に進める“連鎖する”まちづくり ~富良野市中心市街地活性化の取組み~ — 中心市街地活性化協議会支援センター(中小企業基盤整備機構内)(2022-04-15)

最終確認日 2026-08-19

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