移住希望者と地域をスカウト形式でつなぐデジタルマッチング「SMOUT」を、IT企業カヤックが2018年に始めた
SMOUT
2018年6月に始まり、2021年に利用者が前年比2.3倍に増えたと運営元は振り返る。2024年5月に無料プランを廃止し有料化すると1月に発表、同年11月時点で伊那市が利用実績3年連続1位。
何をしたか
神奈川県のIT企業・面白法人カヤックの子会社カヤックLivingは2018年6月、地域への移住や関わりに興味がある人と、自治体・企業などの地域側とを直接つなぐデジタルマッチングサービス「SMOUT」を公開した。利用者が自分の興味・スキルを登録すると、地域側からプロジェクトへの「スカウト」が届く仕組みで、地域の側も自らプロジェクトを掲載して移住希望者や関係人口を募る。公開時点で神奈川県鎌倉市、宮崎県小林市、山梨県富士吉田市など32市区町村が参加していた。
誰が始めたか
2018年6月6日付のITmedia NEWSによれば、面白法人カヤックの子会社カヤックLivingが移住希望者と地域のマッチングサービス「SMOUT」を公開した。ユーザーがプロフィールに興味関心や得意分野を登録すると、各地域から仕事依頼やボランティア活動、体験行事などへのスカウトが届く仕組みで、ユーザー自身が「興味がある」とプロジェクトに意思表示することもできたと同記事は伝えている。同記事によれば、カヤックLivingはこのサービスの目的を、地域と接点を持つ人を増やして移住につなげることだとしていた。
いくらかかったか
2024年1月16日付のSMOUT運営元(面白法人カヤック)の発表によれば、SMOUTは2018年6月の開始以来、自治体・民間事業者向けに無料で使えるフリーミアムモデルを採っていたが、2024年5月13日から有料プランへ移行すると発表した。新プランは1か月無料の「トライアルプラン」と、月額22,000円(税込)の「スタータープラン」を基本とし、従来からの「プレミアムプラン」「エコノミープラン(旧ライトプラン)」の利用者は移行後も現行プランを継続利用できるとしている。同発表はまた、2021年には地域に関心を持つユーザー数が前年から2.3倍に増えたこと、2024年1月の時点でユーザー数が55,000人・導入自治体が920を超えていたことも振り返っている。個人の移住希望者側の登録・利用が有料かどうかは、参照した出典からは確認できなかった。
真似するなら最低何が必要か
出典から読み取れる、最低限必要な要素は次の5つである。
①利用者が興味・スキルを登録し、地域からスカウトを受け取れる会員制の仕組み。 2018年6月6日のITmedia NEWSは、ユーザーがプロフィールに興味関心や得意分野を登録すると、各地域から仕事依頼や体験行事などのスカウトが届くと伝えている。プロジェクトや人から地域を探し、ユーザー自身が「興味がある」と意思表示することもできた。
②地域側が単発でなく継続的にプロジェクトを掲載し続ける体制。 2023年10月25日の伊那谷ねっとによれば、長野県伊那市は2023年度上半期だけでSMOUT上に50のプロジェクトを発信し、ユーザーからの「興味がある」の合計が2,274件に達したことで、移住アワードの市区町村部門で3期連続1位になったと伝えている。
③発信するテーマを絞り込む工夫。 2024年11月1日の伊那経済新聞の取材に、伊那市地域創造課の担当者は「ワーキングホリデーなどの体験企画を中心に発信している」と述べ、それを通じた問い合わせや相談が増えていると振り返っている。
④2024年5月以降に見込まれる有料プランへの費用負担。 前節のとおり、月額22,000円(税込)の「スタータープラン」等への申し込みが必要になるとSMOUT運営元は2024年1月16日に発表した。実際に予定どおり移行が完了したかは、参照した出典からは確認できない。
⑤導入直後の運用を支える人的サポート。 同じ発表は、SMOUTを使い始めたばかりの地域担当者向けに、プロジェクト作成やスカウトの方法を1か月間支援する「オンボーディング電話サポート」を新設したとしている。
今どうなっているか
2024年11月1日時点で、SMOUTは移住スカウトサービスとして稼働を続けている。伊那経済新聞によれば、同年10月23日発表の「SMOUT移住アワード2024上半期」市区町村部門で長野県伊那市が2,137ポイントを獲得し、2位の山口県萩市(760ポイント)に差をつけて3年連続1位になった。同記事によれば、伊那市地域創造課の担当者は、SMOUTをきっかけに移住した人自身がプロジェクトを組んで発信するようになった例もあると振り返っている。運営元は同年1月16日、5月13日からサービスを有料プランへ移行すると発表しており、実際に予定どおり移行したかどうかは参照した出典からは確認できない。否定的な報道・批判は、検索した範囲では見つからなかった。
出典
- 地域が移住者“スカウト”する「SMOUT」、カヤックが公開 — ITmedia NEWS(2018-06-06)
- SMOUT移住アワード伊那市が3期連続1位 — 伊那谷ねっと(InaCATV)(2023-10-25)
- 伊那市が移住アワード3年連続1位 「体験」が人気に — 伊那経済新聞(みんなの経済新聞ネットワーク)(2024-11-01)
- 【重要】SMOUTサービス改定(無料プラン終了ほか)、オンボーディング電話サポート開始 のお知らせ — SMOUT移住研究所(運営:面白法人カヤック)(2024-01-16)
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