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住民が決める住まいと暮らし(住宅・医療・福祉・子育て)25万超

住民が自分で決める地域活動を市が10年支えたのち、条例ごと廃止した

서울시 마을공동체

韓国 / ソウル特別市 / ソウル特別市(25の自治区すべて)

住民が自分で決める地域活動を市が10年支えたのち、条例ごと廃止した
© 더나은미래 — この写真が載っている記事

2012年に条例ができ、10年間で25の自治区に1万件あまりの活動と延べ13万人の参加があった。2022年12月に条例が廃止され、2023年には支援センター25か所のうち16か所が閉じ、一部の区だけが区の予算で続けている。

何をしたか

ソウル特別市が、住民が自分で計画を立てて出した地域の活動に、市の予算で助成する仕組みを2012年から10年続けた。3月に条例を公布し、25の自治区それぞれに中間支援のセンターを置いて民間に運営を委託した。

共同保育、路地の手入れ、環境清掃、分かち合いなどが行なわれ、10年で1万件あまりの活動に延べ13万人以上が参加したと伝えられている。

2022年12月22日、市議会が条例の廃止案を可決した。翌年の予算は0ウォンになり、支援センターは25か所のうち16か所が閉じた。2023年時点では、一部の区だけが区の予算で続けている。

誰が始めたか

始めたのはソウル特別市である。 オーマイニュース(2012年8月21日)は、市長の就任後に市が「마을공동체 만들기」を中核の事業として掲げたと書き、市が3月に支援条例を公布し、5月に「住民主導」の35件の事業を進めると発表したと伝えている。同紙は2012年8月時点の「ソウルの村の地図」を作るため、25の自治区と社団法人「마을」から進行中の事例を集めて92件を数えたとしている。

ただし、市が種をまく前から動いていた集まりが数に入っている。 同記事は、江北区の三角山재미난마을が1998年の共同保育の協同組合から始まっていること、恩平区の마을n도서관が2000年に小学校の母親会と地域の住民が児童図書館の設置を出したことに始まること、城北区が2010年の区長の就任以降これを重点事業に据え、2011年10月に区の支援条例を通し、12月に市内の自治区で最初の支援センターを開いたことを書いている。つまり市の事業は、ゼロから作ったのではなく、先にあった動きの上に制度をかぶせる形で始まっている。

運営は最初から民間への委託だった。 同記事によれば、9月に開館する予定だった市の総合支援センターの受託運営を担うのは、上記の社団法人であった。

「誰が終わらせたか」も出典に書かれている。 매일노동뉴스(2022年12月23日)は、可決された廃止条例案を市議会の一人の議員が発議したものだと書き、その氏名と所属会派を挙げている。더나은미래(2023年2月2日)は、この事業が2012年に前市長の在任中に導入されたものだと書いている。

いくらかかったか

年ごとの予算額は複数の出典に出てくるが、10年の総額はどこにも書かれていない。

- 初年度は市の当初予算に入っていなかった。 オーマイニュース(2012年8月21日)は、その年の市の予算に事業の予算が反映されておらず、7月の半ばになって市が25の自治区に特別交付金8億6,000万ウォンを出した段階だと書いている。同記事は、自治区によっては担当の組織が無く、1〜2名の職員が兼務で全体をみている状態だとも書いている
- 10年目の予算は市の総予算の0.04%だった。 더나은미래(2022年12月16日)は、2022年の市の総予算が44兆2,190億ウォンで、そのうち事業の予算は171億6,200万ウォン(約0.04%)にすぎず、前年の310億800万ウォンから半分近くに減っていたと書いている
- 市の支援が切れた後の区ごとの額が、1年分だけ確認できる。 더나은미래(2023年2月2日)によれば、中浪区は区の予算7億3,600万ウォンを充て(前年の編成5億6,000万ウォンから1億ウォン以上の増額)、城東区は前年の約9億9,900万ウォンから7,600万ウォンほど増やして10億ウォン超、蘆原区は1億4,000万ウォンを組んだ。蘆原区は前年は市費と区費を合わせて4億ウォンだった。江西区は前年に市から13億ウォンの支援を受けており、区費だけでは運営が難しいとして取りやめた。陽川区は前年に市費で約1億1,000万ウォンを受けていたが、この年は区費4,000万ウォンで運営することになった
- 金額が減っても事業費は減っていないという説明が併記されている。 蘆原区の担当者は同記事で、支援センターを民間委託で運営すると4〜5人の人件費に少なくない予算が要ったが、この年から公務員が直接センターを運営する形に変えたので人件費が減ったと述べている
- 投じた額に対する効果の試算も1つだけ出てくる。 オーマイニュース(2018年3月8日)は、2017年5月に市と総合支援センターが共同で5年の成果を照らす場を持ち、陽川区木2洞一帯を対象に1,000万ウォンを支援すると約5,600万ウォンの社会経済的効果が生じると分析して共有したと伝えている。ただし同記事は、この経済効果の分析には疑問があるという参加者の発言として、この数字を紹介している

住民ひとつの集まりが受け取る額は、参照した6本のどこにも書かれていない。 オーマイニュース(2018年3月8日)に「3,000万ウォンを取れたか」が評価の物差しになっているという指摘が出てくるだけで、募集の区分や上限額の記述は無い。

真似するなら最低何が必要か

1. 支援の根拠になる条例。 매일노동뉴스(2022年12月23日)は、廃止された条例に市が事業を活性化するために様々な支援を行なう根拠が含まれていたと書いている。この事業では、条例が消えると同時に翌年の予算が0ウォンになり、事業そのものが終わっている。制度の土台を条例1本に置くと、議会の多数が変わった時に土台ごと外れる
2. 区ごとの中間支援組織と、その運営を担う民間の受け皿。 市は25の自治区に中間支援組織としてのセンターを置き、補助金を出した(더나은미래 2023年2月2日)。市の総合支援センターの受託運営を担ったのは社団法人である(オーマイニュース 2012年8月21日)。この形は人件費を伴う。市の支援が切れた後、蘆原区は民間委託をやめて公務員の直営に切り替えている
3. 初年度の資金を、当初予算の外から出せる経路。 2012年は市の予算に事業費が反映されておらず、特別交付金という形で7月半ばに配られている(オーマイニュース 2012年8月21日)
4. 成果を測る物差しを最初に決めること。 더나은미래(2022年12月16日)で市の担当課長は、この事業の成果を測れる別途の指標は無いとしたうえで、10年間に出た内外の批判と監査評価を踏まえて事業を終えることにしたと述べている。同じ記事で支援センターの事務局長は、市が毎年行なう総合成果評価で支援センターが前年85点・当年79点と通過基準の75点をいずれも超えていたのに、事業の廃止という重い判断では正当な評価が行なわれなかったと述べている。評価の物差しが2つあり、片方は「無い」と説明されている
5. 市の支援が切れたときに区が背負えるかどうか。 더나은미래(2023年2月2日)が並べたのは、増額して続ける区(中浪・城東)、区費だけで維持する区(蘆原)、方針を変えて続ける区(恩平)、取りやめる区(江西)、縮小する区(陽川・永登浦・冠岳)である。市費の比重が大きかった区ほど、切れたときに落差が大きい
6. 反対を可視化する経路と、それが効かない場合の想定。 매일노동뉴스(2022年12月23日)によれば、廃止案の発議後5日間の意見提出期間に市議会のサイトへ1,145人が反対の意見を書き、1万人あまりの市民と179の団体が反対の署名に加わった。それでも公聴会は一度も開かれずに可決されている(出席95人中、賛成65・反対28・棄権2)

今どうなっているか

2026年8月時点で確認できた最も新しい記録は、2023年2月2日の 더나은미래 の記事である。 2023年以降の状況を書いた出典は無い。

市の側は終了、区の側は分かれた、というのが最後に確認できる姿である。 同記事によれば、2023年からほとんどの自治区が事業を大幅に縮小するか廃止し、마을공동체센터は25か所のうち16か所が閉じた。 一方で中浪・城東・蘆原・恩平の各区は区の予算で続ける立場を示している。恩平区の担当者は、3人以上の住民が集まって近所の問題を解決し、意思疎通と和合を固めるというなら、区は相談や補助金を支援する予定だと述べている。蘆原区は、絵を描く・編み物・レタスを植えるといった従来の同好会の活動を維持しながら、福祉の講座や活動する人を育てる講座へ広げる予定だとしている。

人の側の記録が2つ残っている。 매일노동뉴스(2022年12月23日)は、条例の可決によって総合支援センターへの市の支援終了が確定し、その月末に30人の労働者が解雇されると書いている。더나은미래(2023年2月2日)で総合支援センターの前事務局長は、一部の自治区が事業を続けてはいるが、大半の地域で縮小か廃止となり、少なくとも70人あまりが職を失ったと述べている。

廃止の理由について、出典の中で説明が食い違っている。 市の担当課長は「10年の試験事業で呼び水の役割を果たし、市の役割は終わった」と述べたうえで、事業の効果も乏しく続ける理由が無いと内部で判断したという趣旨も語っている(더나은미래 2022年12月16日)。同じ記事で支援センターの事務局長は、運営法人・市の担当課・センターの労働組合・センター長の4者による懇談が3回ほど行なわれたが、事業と条例を廃止する明確な理由を聞けなかったと述べ、その年の初めまで地域共同体課が所管していた事業が8月の組織改編で自治行政課に移り、そこから1か月で終了が通告されたと述べている。

この事業への疑問は、廃止の前から関係者の側にも出ていた。 オーマイニュース(2018年3月8日)は、民間の側が6年をふり返る集まりの記録として、中間支援組織が本来の橋渡しではなく自ら事業を執行する側になっていること、活動が公募事業になったことで似た事業が重なったこと、「마을」が何を指すのかを定義しないまま事業が走ったために指標も定まらなかったという発言を並べている。この記事は市の外の側から出たもので、廃止を求める文脈のものではない。

出典の性格について明記しておく。 6本の内訳はオーマイニュース3本・더나은미래2本・매일노동뉴스1本で、オーマイニュースの3本はいずれも市民記者の署名記事である。 2022年以降の4本は廃止に反対する側の発言を中心に構成されており、市の側の説明は 더나은미래(2022年12月16日)に担当課長の発言として載っているものが実質的に唯一である。 10年間の事業の外部評価や、廃止を支持する立場からの記事は、参照した範囲には含まれていない。

出典

  1. 2012년도 서울 마을공동체 지도를 공개합니다 — オーマイニュース(2012-08-21)
  2. 박원순표 마을공동체사업, 6년을 뒤돌아보다 — オーマイニュース(2018-03-08)
  3. "마을공동체 지원조례 폐지는 민주주의 가치 훼손" — オーマイニュース(2022-12-14)
  4. 10년간 이어온 '마을공동체'가 사라진다… 서울시 지원 종료에 주민들 반발 — 더나은미래(2022-12-16)
  5. 서울시의회, 마을공동체 지원조례 '졸속' 폐지 — 매일노동뉴스(2022-12-23)
  6. 서울시 지원 끊긴 마을공동체 사업… 자치구가 이어간다 — 더나은미래(2023-02-02)

最終確認日 2026-08-19

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