郡が漢方をテーマにした博物館・宿泊施設群をつくり、開業から15年で年84万人が訪れる観光地に育てた
동의보감촌
慶南新聞(2017年)が2013〜2017年の来訪者数の推移を、慶南道民日報(2025年)が2024年に84万6千人が訪れ韓国観光100選に選ばれたと伝えている。
何をしたか
慶尚南道山淸郡が、2000年に漢方をテーマにした観光地「同義宝鑑村(동의보감촌)」の整備を発表し、2010年5月に開業した。漢方博物館やテーマ公園、複数の宿泊施設を備え、2013年には「山淸世界伝統医薬エクスポ」を誘致した。来訪者は翌年の50万人から増え続け、2024年には84万6千人が訪れたと報じられている。2025年には韓国観光公社の「韓国観光100選」にも選ばれた。
誰が始めたか
山淸郡が主体である。 医薬業界紙デイリーファーム(2000年8月1日付)によれば、郡は「2003年までに250億ウォンの事業費を投じて金西面ト里一帯に同義宝鑑村をつくることにした」と2000年7月30日に発表し、年内に基盤整備事業に着手する予定だと述べた。同記事は、この地が「許浚の師とされる柳義泰の故郷」であり、薬効の高い野生薬草1000種余りが自生すると郡関係者の話として伝えている。
同記事によれば、当初の計画では、漢方診療・療養施設、薬草試験場、薬草チムジルバン、薬草公園などを備えた伝統医学のテーマ通りとして整備するとされていた。郡はさらに2010年までに追加で200億ウォン余りを投じ、周辺の敷地に韓医学博物館と漢方研究施設を建て、宿泊施設も整備して大規模な漢方保養地にする計画だとしていた。
光陽ニュース(2016年7月1日付)は、この計画にもとづき「国内初の漢方テーマパークを掲げて2010年5月に開業した」のが同義宝鑑村だと伝えている。慶南新聞(2013年9月6日付)によれば、「同義宝鑑」が2009年にユネスコ世界記録遺産に登録され、政府がその記念年に合わせて「山淸世界伝統医薬エクスポ」を企画した際、全国5か所の応募の中から自然環境・漢方インフラの整備状況・事後活用度の点で高い評価を得て、山淸が開催地に選ばれたという。つまりエクスポの誘致は、村がすでに整備されていたことの結果として得られたものである。
いくらかかったか
デイリーファーム(2000年8月1日付)によれば、当初の事業費は2003年までに250億ウォン、2010年までにさらに200億ウォン余りが見込まれており、合計すると450億ウォン規模の計画だった。欧州中央銀行の為替参照レート(2026年8月24日公表分・1ウォン=0.114951円)で単純換算すると、450億ウォンはおよそ51.7億円にあたる。Terroirが想定するP3(人口6,000人・専従1人・年間予算200万円のNPO)の年間予算のおよそ2,586倍の規模になる。ただしこれは2000年時点の計画額であり、実際に投じられた総額を報じた出典は見つからなかった。
体験プログラムの料金は、光陽ニュース(2016年)によれば、個人・団体・企業を対象にした「ヒーリングアカデミーキャンプ」が日帰り1人5万ウォン、1泊2日1人12万ウォンで、20人以上の団体には1泊2日の専用プログラムが用意されるとされている。慶南新聞(2017年)は、蔚山広域市北区庁の職員30人が2泊3日の日程で参加した第7期の様子を伝え、2泊3日コースはすでにその年の予約がほぼ埋まっていたとしている。
真似するなら最低何が必要か
出典から取り出せるのは5つである。
1. 郡が主体となり、長期にわたる段階的な予算計画を立てること。 デイリーファーム(2000年)によれば、郡は2003年までの250億ウォンと2010年までの200億ウォン余りを分けて計画し、10年がかりで整備を進めた。
2. 地域に伝わる由来を土台にすること。 デイリーファーム(2000年)は、この地が名医許浚とその師である柳義泰の故郷とされ、薬効の高い野生薬草1000種余りが自生すると伝えている。慶南新聞(2013年)も、「同義宝鑑」のユネスコ世界記録遺産登録という国レベルの由来をエクスポ誘致に結び付けたと書いている。
3. 博物館・テーマ公園・宿泊施設を組み合わせること。 光陽ニュース(2016年)によれば、韓医学博物館、漢方テーマ公園、薬草体験テーマ公園に加え、漢方治療とヒーリング宿泊ができる同義本家、漢方自然休養林、オートキャンプ場、漢方コンドなど、体験と宿泊の両方を備えた施設群になっている。
4. 国レベルの記念行事の誘致先に名乗りを上げること。 慶南新聞(2013年)によれば、全国5か所の応募の中から自然環境・漢方インフラ・事後活用度で選ばれてエクスポ開催地になった。エクスポが開かれた2013年には210万人が訪れたと慶南新聞(2017年)は伝えている。
5. 団体向けの宿泊プログラムを継続的に育てること。 慶南新聞(2017年)によれば、自治体や企業の職員が2泊3日の「ヒーリングアカデミー」に参加しており、記事の時点で今年度の2泊3日枠はほぼ埋まっていたという。単発の観光地ではなく、繰り返し使われる研修先として定着していることがうかがえる。
確認できないのは、実際に投じられた総事業費(出典にあるのは2000年時点の計画額のみ)、開業当初(2010〜2012年)の来訪者数、そして2018年から2023年までの来訪者数の推移である。
今どうなっているか
2025年2月時点で確認できた最新の記録は、慶南道民日報(2025年2月4日付)である。 同紙によれば、同義宝鑑村は文化体育観光部主催・韓国観光公社主管の「2025〜2026韓国観光100選」に選ばれ、前年(2024年)だけで84万6千人余りが訪れたと伝えている。同紙は、これ以前にも2017年のウェルネス観光25選、2018年の開かれた観光地・ウェルネス観光クラスター、2023年のローカル100選、2024年の優秀ウェルネス観光地といった選定を重ねて受けてきたとしている。
来訪者数は年ごとの記録がある。慶南新聞(2017年)によれば、エクスポが開かれた2013年には210万人、翌年には50万人、その後は増加を続けて2016年に61万人、2017年の見込みは67万人とされていた。慶南道民日報(2025年)が伝える84万6千人(2024年)と合わせると、2010年代半ば以降おおむね増加傾向にあることが読み取れる。ただし2018年から2023年までの来訪者数を伝える出典は今回見つかっていない。
慶南新聞(2022年)によれば、2022年には新しいつり橋「武陵橋」(全長211m、幅1.8m、最高高さ33m)が設置され、2023年9月15日から10月19日まで、2度目となる「2023山淸世界伝統医薬抗老化エクスポ」が開催される予定だと報じられている。
否定的な報道は、今回探した範囲では見つからなかった。 慶南新聞・慶南道民日報・光陽ニュース・全国毎日新聞のいずれも、来訪者数の減少や運営上の問題を報じた記事は見当たらず、本レコードの出典はすべて増加基調か新規整備を伝えるものだった。反論・批判の探索自体は行ったが、対象となる否定的な報道そのものが見つからなかったため、併記すべき反論もない。
出典
- [데일리팜]경남 산청, 한방휴양지 '동의보감촌' 조성 — デイリーファーム(데일리팜)(2000-08-01)
- '동의보감의 모든 것' 오감으로 느끼는 힐링 축제 — 慶南新聞(경남신문)(2013-09-06)
- 한방테마공원, 산청'동의보감촌'에서 즐기는 치유의 시간 — 光陽ニュース(광양뉴스)(2016-07-01)
- [뭐하꼬] 산청 동의보감촌 힐링 체험 — 慶南新聞(경남신문)(2017-06-15)
- 봄꽃 만발한 동의보감촌서 출렁다리 걸으며 기력 충전하세요 — 慶南新聞(경남신문)(2022-04-08)
- '산청 동의보감촌' 한국관광 100선에 이름 올려 — 慶南道民日報(경남도민일보)(2025-02-04)
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