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放棄された船形の建物を工芸と芸術の場にし、同じ型を市内に増やした

Faro de Oriente

メキシコ / メキシコ市 / イスタパラパ区

放棄された船形の建物を工芸と芸術の場にし、同じ型を市内に増やした
© El Universal — この写真が載っている記事

2000年に放棄されていた船形の建物で始まり、2017年には市内5か所の網に広がった。2025年2月に El Universal が施設の傷みと支払いの遅れを報じ、同年6月には25周年の催しが開かれている。

何をしたか

メキシコ市イスタパラパ区で、建てかけのまま放棄されていた船の形の建物を、工芸と芸術の場に作り替えた取り組み。

建物の由来が出典に残っている。 Milenio(2015年7月9日)によれば、この船形の建物は、バスコンセロス図書館も手がけた建築家アルベルト・カラチ氏の設計で、もともとは市で最も人口が多く周縁に置かれた区の庁舎になるはずだった。 1990年代初めのその計画は進まず、コンクリートと鉄板とガラスの棟は放棄された。建てられた土地は「誰のものでもない土地」で、近くで興行する曲馬団が動物をつないでおく場所だった(同)。

2000年に、詩人アレハンドロ・アウラ氏とエドゥアルド・バスケス氏らの集まりが、そこに Fábrica de Artes y Oficios de Oriente(FARO)を設立した(同)。El Heraldo de México(2017年6月21日)によれば、これは文化省の試行事業として生まれ、街の周縁に住む人たちに文化の表現と昔ながらの工芸を近づけることを狙っていた。

講座の中身は途中で変わっている。 同記事によれば、2004年にデジタルの表現が美術の場に入り始めてから、絵画・版画・彫刻・カルトネリア(張り子)・木工といった従来の講座に、デジタルの媒体を使う講座が加わった。

誰が始めたか

始めたのは市の文化行政である。 El Heraldo de México(2017年6月21日)は、FARO de Oriente が文化省の試行事業として生まれたと書いている。Milenio(2015年7月9日)によれば、設立したのは詩人アレハンドロ・アウラ氏(1944〜2008)とエドゥアルド・バスケス氏(記事の時点でメキシコ市文化長官)らの集まりで、「街はみんなのもの(La calle es de todos)」という、公共空間を取り戻して文化の提案を置く事業の続きとして構想された。

場所の選び方に意図がある。 El Heraldo de México(2017年6月21日)は、この提案が人口の多い区の一つであるイスタパラパで始まったと書いている。メキシコ市文化長官アナ・フランシス・モル氏は2025年、「新自由主義の見方ではそこにはごみが行くのであって文化ではないと考えられていた場所に、質の高い建築と造形の賭けがあった」という趣旨を述べている(Once Noticias 2025年6月23日)。

中で育った人が運営を継いでいる。 Milenio(2015年7月9日)によれば、開設の3か月後に美術を学ぶ学生として無償の実習に入った人物が、遊具室の助手、造形の講座を持つ人、講座の取りまとめを経て、10年後に館の長になった。 同じ人物は2017年の記事では副館長として登場する(El Heraldo de México 2017年6月21日)。

設立年は出典間で食い違う。 Milenio(2015年7月9日)は2000年とし、El Heraldo de México(2017年6月21日)は同じ2000年で、開設日を6月24日と書いている。Once Noticias(2025年6月23日)は「1999年の設立以来」と書いている。discrepancies に並置した。

いくらかかったか

金額は、参照した5本のどこにも書かれていない。 unknown_fieldsfunding_scale を申告した。

元手として大きいのは建物そのものである。 使ったのは、区の庁舎になるはずだったまま放棄されていた棟である(Milenio 2015年7月9日)。新しく建てたのではない。

働く側の条件については、2025年に具体的な指摘が出ている。 El Universal(2025年2月11日)は、Faro の網で講座を持つ人と取りまとめ役が、福祉奨学金(Becas del Bienestar)に似た契約の形で労働者としての権利が無いこと、支払いの遅れと未払いがあることに絶えず直面していると報じている。

真似するなら最低何が必要か

第一に、放棄された建物を探すこと。この事業が使ったのは、庁舎の計画が進まないまま残されたコンクリートと鉄板とガラスの棟である(Milenio 2015年7月9日)。建てる費用ではなく、使い直す費用から始まっている。

第二に、最初の1つを周縁に置くこと。El Heraldo de México(2017年6月21日)によれば、この試行事業は街の周縁に住む人へ文化と工芸を近づけることを狙い、人口の多い区の一つであるイスタパラパで始まった。

第三に、工芸(oficios)を芸術と並べること。名前そのものが「芸術と工芸の工場」である。講座には絵画・版画・彫刻に加えて、張り子と木工が並んでいる(同)。

第四に、中で育った人に運営を渡すこと。開設の3か月後に無償の実習生として入った人物が、10年後に館の長になっている(Milenio 2015年7月9日)。

第五に、講座の中身を時代に合わせて入れ替えること。2004年にデジタルの表現が入り始めてから、従来の工芸を補うかたちでデジタルの講座が加わった(El Heraldo de México 2017年6月21日)。

第六に、建物の維持を誰が担うかを先に決めておくこと。この事業では、そこが25年目に問題として表に出た。 El Universal(2025年2月11日)は、主棟の構造が傾き、壁に大きな亀裂があり、使える資材が古いと報じている。建物を使い直す設計は、その建物が傷んだときに誰が直すのかを決めていないと止まる。

今どうなっているか

2026年8月時点で確認できたのは、2025年6月23日の記事までである。

25年目に、施設の傷みが報じられた。 El Universal(2025年2月11日)の記者が現地を歩いた記録によれば、主棟の構造は傾き、壁には大きな亀裂があり、主棟の裏の遊具室の前には長さ10センチほどの深い亀裂がある。アレハンドロ・アウラ図書館は使えなくなっており、構造の被害のため5年にわたって直せていない。 2019年8月に開いた経済文化基金(FCE)の書店は、売上が足りず前年の半ばに営業をやめたと、館で働く人が同紙に説明している。張り子の大きな像は寿命を過ぎたまま屋外に置かれている。

働く側からの抗議が続いている。 同記事によれば、2025年1月19日にミルパアルタ=ミアカトラン館で作業の停止があり、1月24日には文化省で抗議が行われ、コスモス館には数週間にわたって横断幕が掲げられた。同紙が「FARO de Orienteの設立者」と呼ぶ美術家フランシスコ・ハビエル・サンティアゴ・レガラード(プーガ)氏との協働も終わったとされる。(設立者については、この記事とMilenioの記述が食い違う。上のdiscrepanciesを参照)

同じ年の6月に25周年が祝われている。 Once Noticias(2025年6月23日)によれば、6月28日に「25年、強く脈打つ(25 años latiendo fuerte)」を標語とする音楽と芸術の催しが開かれた。NTCD Noticias(2025年6月21日)も同じ催しを伝えている。この2本は同じ25周年の発表に由来する。

指摘への直接の反論は確認できなかった。 参照した5本の中に、施設の傷みと支払いの遅れについて市の文化行政が答えた記述は無い。あるのは、同じ時期に文化長官が事業の意義を述べた言葉だけである(Once Noticias 2025年6月23日)。

出典

  1. El Faro de Oriente, 15 años iluminando Iztapalapa — Milenio(2015-07-09)
  2. El FARO de Oriente, espacio para el arte y la cultura — El Heraldo de México(2017-06-21)
  3. Tras 25 años, los Faros de la ciudad padecen abandono y clima laboral hostil — El Universal(2025-02-11)
  4. FARO de Oriente celebra 25 años con conciertos, talleres y arte comunitario en Iztapalapa — NTCD Noticias(2025-06-21)
  5. El Faro de Oriente "Late Fuerte" en su 25 aniversario — Once Noticias(2025-06-23)

最終確認日 2026-08-19

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