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観光客を呼ぶために架けたケーブルカーが、歴代知事のもとで運休と再開を繰り返し、21年後に25年間の民間委託に託された

Obudu Mountain Resort

ナイジェリア / クロスリバー州 / オバンリク地方政府地域(Obanliku LGA)

観光客を呼ぶために架けたケーブルカーが、歴代知事のもとで運休と再開を繰り返し、21年後に25年間の民間委託に託された
© Fearless Reports(原典:Orient Daily、記者 Joseph Kingston) — この写真が載っている記事

2005年に完成したケーブルカーは、その後歴代知事のもとで運休と復旧を繰り返し、2026年に25年間の民間委託契約が結ばれた。

何をしたか

ナイジェリア南部クロスリバー州が、州都カラバルから離れた山地オバンリク地方政府地域にある牧場「オブドゥ・キャトル・ランチ」を、国際水準の観光地に改修した。フィアレス・リポーツ(原典 Orient Daily、2018年4月25日)によれば、この牧場は1949年にスコットランド人マコーレー氏が山地を探索したのち、1951年にヒュー・ジョーンズ氏、クロフィールド氏とともに開いたもので、その後は放牧地としてのみ使われる時期があった。ボイス・オブ・ナイジェリア(VON、2025年7月10日)は、クロスリバー州知事だったドナルド・デューク氏(1999〜2007年在任)が2000年から山小屋20棟や迎賓館の建設を進め、2005年までに、麓から高原まで標高差870メートルを結ぶケーブルカーを設置したと伝えている。フィアレス・リポーツは、車では山道を35分かけて登る道のりを、ケーブルカーはおよそ15分で結ぶと書いている。ケーブルカーは、車での接近が難しい高原の牧場に観光客を運ぶために架けられた。

誰が始めたか

改修を主導したのはクロスリバー州政府、なかでもドナルド・デューク知事(1999〜2007年在任)である。 前述のとおりVONは、デューク氏の在任中に山小屋・迎賓館・ケーブルカーの整備が進んだと書いている。The Guardian(2018年6月3日)に登場する観光専門家ピーター・オデイ氏は、施設を建てたのはデューク氏、山岳マラソン大会を持ち込んだのは後継のリィエル・イモケ知事だったと述べている。この発言は同紙が伝えるオデイ氏個人の見立てである。

山岳マラソン大会を持ち込んだのが誰かについては、出典間で食い違う。 フィアレス・リポーツ(2018年4月25日)は、デューク氏自身が観光客の誘致を狙って山岳マラソン大会を導入したと書いており、上記のオデイ氏の発言(イモケ氏が持ち込んだ)と食い違う。discrepancies に両方を並置した。

デューク氏自身も同紙の取材に対し、1999年の就任時から観光客を迎え入れる雰囲気づくりに投資し、州都カラバル空港をラゴス・アブジャ・ポートハーコートに次ぐ利用状況にまで押し上げたと振り返っている。同紙は、デューク氏が後継のイモケ氏・アヤデ氏を、自らの観光遺産を投げ捨てたと批判したと書いている。これは同紙が伝えるデューク氏の主張であり、Terroirの評価ではない。

2026年からは、民間コンセッション事業者 Living Curation Real Estate Limited が運営を担う。ATQ News(2026年8月18日)によれば、同社チーム代表の Col. Amit Ghosh 氏は、同社がナイジェリアの石油・ガス分野で約20年、クロスリバー州アカムクパ地方政府地域で約4年半活動してきたと述べている。

いくらかかったか

時期の異なる2つの金額が、出典に別々に出てくる。混同しないよう分けて書く。

フィアレス・リポーツ(2018年4月25日)は、「確かな筋によれば」としたうえで、デューク政権による改修におよそ100億ナイラ(N10bn)が投じられたと書いている。この金額の内訳、ケーブルカー単体の費用は、同記事にも他の出典にも書かれていない。

これとは別に、2026年に結ばれた新しいコンセッション契約の規模について、Arise News(2026年8月12日)は、州のPPP局長 Francis Ntamu 氏の発言として600億ナイラの事業だと伝えている。Vanguard(2026年8月4日、社説)は、この契約により州政府が所有権を保持したまま、Living Curation社が資金を出してオブドゥ・ランチ・リゾート、ウタンガ・サファリ・ロッジ、ベビ飛行場を改修・運営し、契約終了後に施設を州へ返還する仕組みだと書いている。この600億ナイラがケーブルカーの復旧費用としていくら充てられるかは、出典からは分からない。 funding_scaleunknown_fields に申告した。

真似するなら最低何が必要か

この事例から取り出せるのは、観光地としての魅力づくりではなく、「たどり着けるか」を作り込む部分と、それを政権交代から守れなかった部分の両方である。

1. アクセスの悪さそのものを解く手段を作ること。 フィアレス・リポーツによれば、車では山道を35分かけて登る道のりを、ケーブルカーはおよそ15分で結ぶ。The Guardian(2018年6月3日)でデューク氏は、「そこにたどり着けるかどうか」がオブドゥ・ランチについて最初に聞かれる質問だと述べ、ベビ飛行場からの空路が使えていた時期は予約が数か月先まで埋まるほど施設が満室になったと振り返っている。
2. 電力を自前で持つ前提で設計すること。 The Guardian(2021年1月23日)によれば、山小屋・迎賓館・会議棟・水上公園・ケーブルカーはそれぞれ別の発電機で動いており、施設は国の送電網に接続されていない。同紙(2021年1月23日)は、記事公開直前の12月末に60キロワットのソーラー発電設備が導入されたと伝えている。
3. 政権交代のたびに止まる前提で、保守契約を強く持たせること。 フィアレス・リポーツ(2018年4月25日)は、ケーブルカーの保守を請け負っていた業者が契約上の問題で撤退し、稼働が止まっていたと書いている。The Guardian(2021年1月23日)は、施設全体が2017年から2019年まで完全に閉鎖されていたと書いている。
4. 維持できないなら、所有権を残したまま運営を外に出すこと。 Vanguard(2026年8月4日)によれば、2026年の25年間のコンセッションは、施設の所有権を州政府に残したまま、資金と運営を民間に委ねる形を取っている。
5. 受け入れる地元コミュニティとの合意形成を先に行うこと。 ATQ News(2026年8月18日)によれば、副知事Peter Odey氏はオバンリク地方政府地域サンクワラでの関係者説明会で、伝統的指導者・コミュニティ指導者・女性・若者らに協力を呼びかけている。

確認できないのは、ケーブルカー単体の建設費・復旧費、来訪者数の推移、そして2005年から2026年までの累計収支である。

今どうなっているか

2026年8月時点で確認できた最も新しい記録は、ATQ News(2026年8月18日)とArise News(2026年8月12日)である。両紙によれば、クロスリバー州(ベイシー・オトゥ知事)は、Living Curation Real Estate Limited との25年間のコンセッション契約に基づき、オブドゥ・ランチ・リゾート、ウタンガ・サファリ・ロッジ、ベビ飛行場の引き渡しを行った。Arise Newsは、州PPP局長Francis Ntamu氏の発言として、その引き渡しが「先週金曜」にあったと伝えている。

ケーブルカーそのものが現時点で運行しているかどうかは、出典からは確認できない。 Vanguard(2026年8月4日、社説)は、施設の老朽化でケーブルカーが沈黙したと書いたうえで、今回の再開発計画に象徴的なケーブルカーの復旧が含まれると書いている。復旧が含まれているという記述は、裏を返せば、この時点でまだ復旧していないことを示している。

衰退の期間については出典間で食い違いがある。 The Guardian(2021年1月23日)は、リゾートが2017年から2019年まで完全に閉鎖され、記事公開の前年12月にケーブルカーが全面復旧したと書いている。一方VON(2025年7月10日)は、2015年から2022年まで営業不振が続き、新型コロナの封鎖でさらに悪化したと書いている。discrepancies に両方を並置した。前年末に一度回復したのか、2022年まで低迷が続いたのかは、今回参照した出典だけでは一つに決められない。

なお、VONはナイジェリア連邦政府系の放送局であり、州の再建計画を伝える記事は政府の発表に沿った内容になっている。否定的な報道としては、Vanguardの社説とThe Guardianの2本が、施設の老朽化・閉鎖・保守契約の破綻を記録している。当事者側の反論としては、The Guardian(2021年1月23日)に載った、州知事特別顧問Bobby Ekpenyong氏がリゾートの再生に取り組んでいると述べた発言と、ATQ Newsに載った副知事Peter Odey氏・Living Curation社Col. Amit Ghosh氏の発言がある。

出典

  1. N10bn Obudu Mountain Resort Wasting Away — Fearless Reports(原典:Orient Daily、記者 Joseph Kingston)(2018-04-25)
  2. Cross River state's tourist sites rot away from neglect — The Guardian (Nigeria)(2018-06-03)
  3. Cross River intensifies turnaround maintenance of Obudu Resort — The Guardian (Nigeria)(2021-01-23)
  4. Governor Otu Commences Reconstruction of Obudu Ranch — Voice of Nigeria(ナイジェリア連邦政府系放送局)(2025-07-10)
  5. Redeveloping Obudu Resort to burnish Nigerian tourism — Vanguard(社説)(2026-08-04)
  6. Francis Ntamu: Obudu International Airport, Cable Car To Return Under N60bn Living Curation Deal — Arise News(2026-08-12)
  7. Africa: Reviving a Crown Jewel: Governor Bassey Otu , Obudu Ranch Resort and All-Year Round Tourism — ATQ News(2026-08-18)

最終確認日 2026-09-02

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