カトマンズの歴史的市場アサンが2018年に四輪車を締め出し、2026年には土曜限定の車両乗り入れ禁止をさらに重ねた
Asan
2018年の禁止措置は2022年に取締りの不徹底が報じられ、2026年には土曜限定の新たな車両禁止がアサンで始まった。
何をしたか
カトマンズの旧市街にある歴史的市場アサン(Asan)一帯で、2018年1月16日からカトマンズ都市圏庁(KMC)と大都市圏交通警察部が四輪車の乗り入れを午前7時から午後7時まで禁止した。ボタヒティやインドラチョウクなど周辺の路地も対象になった。2022年のダサイン商戦期には別途、取締りの不徹底が報じられている。さらに2026年4月18日からは、毎週土曜日限定でアサンへの車両乗り入れを制限する新たな取り組み「ヴィークル・フリー・アサン」が始まった。
誰が始めたか
2018年の措置を主導したのは、カトマンズ都市圏庁(KMC)と大都市圏交通警察部(MTPD)、および地元の区(ward)代表である。 カトマンズ・ポスト(2018年1月12日)によれば、KMC・MTPD・7区や18区など複数の区の代表が記者会見でこの決定を発表した。同記事でKMCの副市長ハリ・プラバ・カディギは、対象地域には文化財・考古学的価値のある史跡があるとしたうえで、「It's our duty to preserve it(それを守るのが私たちの責務だ)」と述べている。
先例になったのはタメル地区である。 カトマンズ・ポスト(2018年1月17日)によれば、今回の決定は、前年(2017年)10月にタメルで同様の規制がうまく実施されたことを受けたものだという。同紙の1月12日の記事も、タメルを車両禁止区域にしたうえで核心部に規制を広げるものだと書いている。
地元の区の側にも、独自の動機があったことがわかる。 カトマンズ・ポスト(2018年1月17日)によれば、第25区議長のミン・カジ・シャキャは、この地域一帯を車両禁止にする構想は「約20年前からのもの」であり、今回ようやく実現したと述べている。またセトパティ(2018年1月16日)によれば、第17区議長のナビン・マナンダルは、禁止措置の初日に「these areas are peaceful and wide(この一帯は静かで広々としている)」と述べている。
2026年の「ヴィークル・フリー・アサン」は、これとは別に発表された取り組みである。 ザ・ヒマラヤン・タイムズとラトパティ(いずれも2026年4月9日)によれば、代理市長スニタ・ダンゴルが主宰する会合で、カマラチ・チョウク〜アサン、ボタヒティ〜アサン、マハボウダ〜アサンの各区間を毎週土曜日に車両通行禁止とすることが決まった。区長ヨゲシュ・カディギ、カトマンズ渓谷警察事務所の警視(Superintendent of Police)プラジト・KC、渓谷交通警察事務所の副警視(Deputy Superintendent of Police)ロケンドラ・シン・グルン、大都市圏警察隊長ビシュヌ・プラサド・ジョシらが会合に参加したという。この2本の記事はいずれも、2018年の四輪車禁止措置には言及していない。 2018年の措置と2026年の措置が同一の継続事業なのか、別々に立ち上げられた取り組みなのかは、今回集めた出典からは判断できない。
いくらかかったか
今回集めた出典のいずれにも、禁止措置そのものの事業費・予算額は書かれていない。 これは物理的な工事を伴う整備事業ではなく、交通規制と取締り体制を敷く行政措置であるため、他のレコードにあるような整備費という形の数字が出典に現れにくいと考えられる。ザ・ヒマラヤン・タイムズ(2018年1月11日)によれば、規制の実施には最低14人の交通警察官が必要だとカトマンズ大都市圏警察官ビドゥル・クマール・タパが述べており、人員という形でのコストの手がかりはあるが、金額としては書かれていない。この点はunknown_fieldsにfunding_scaleとして申告する。
真似するなら最低何が必要か
1. 先行する小規模なゾーンで実績をつくってから、対象を広げる。 カトマンズ・ポスト(2018年1月17日)によれば、今回の決定は前年10月にタメルで同様の規制がうまく実施されたことを受けたものであり、同紙の1月12日の記事はタメルを車両禁止区域にしたうえでアサン・インドラチョウク等の核心部に規制を広げるものだと書いている
2. 決定前に対象地域を複数回調査する。 カトマンズ・ポスト(2018年1月12日)によれば、MTPD署長サルベンドラ・カナルが率いるチームがKMC職員らとともに、決定発表前に対象地域を3回調査したという
3. 地元の区(ward)の代表を意思決定に参加させる。 カトマンズ・ポストとセトパティによれば、2018年の決定はKMC・MTPDに加え、複数の区の議長・代表が共同で行った(ただし区の数と番号の内訳は出典間で食い違う。discrepancies参照)
4. 住民の生活用車両には例外的な通行証を発行し、救急車等の緊急車両は適用除外とする。 カトマンズ・ポスト(2018年1月17日)によれば、四輪車を持つ住民にはKMCから通行証が発行され、救急車・消防車・給水車・乳製品配送車は規制の対象外とされた
5. 違反への罰則を明確にする。 カトマンズ・ポスト(2018年1月12日)によれば、違反者は自動車輸送管理法に基づき500〜1,000ルピーの罰金を科されるとされた
6. 取締り体制を伴わない「発表」だけでは機能しない。 カトマンズ・ポスト(2022年9月26日)によれば、2022年のダサイン商戦期に改めて発表された同種の車両禁止は、初の週末に警察が実際には車両を止めておらず、バサンタプル在住の文化財保存活動家の一人は「Authorities, however, have not stopped any vehicles entering from New Road(当局は、ニューロードに入ってくる車両を実際には1台も止めていない)」と述べている
7. 地元商店主の負担にも目を配る必要がある。 ラトパティ(2026年4月19日)によれば、2026年の土曜限定の車両禁止について、賃借で店を構える商店主の一人は「It might be good culturally, but our landlords do not give us any concessions(文化的には良いことかもしれないが、家主は家賃を一切下げてくれない)」と、閉店日が増えることによる経済的負担を訴えている
今どうなっているか
2026年8月時点で確認できるのは、アサン・インドラチョウク一帯における車両制限の取り組みが、2018年以降、複数回にわたって形を変えながら報じられ続けているということである。
2018年に導入された午前7時〜午後7時の四輪車乗り入れ禁止そのものが、その後どこまで維持されたかを直接確認できる出典は、今回の調査では2022年までしか見つかっていない。カトマンズ・ポスト(2022年9月26日)によれば、同年のダサイン商戦期に合わせてニューロード・マハボウダ・ボタヒティ・インドラチョウク一帯で四輪車禁止が改めて発表されたが、初の週末には警察が車両を実際には止めておらず、カトマンズ渓谷交通警察事務所の報道官を兼ねる上級警視ラジェンドラ・プラサド・バッタは新しい規則は義務ではないと述べた一方、KMC広報のナビン・マナンダルは厳格に禁止していると反論するなど、当局内でも説明が食い違っていたと報じられている(直接引用は前節の文化財保存活動家の発言を参照。同じ記事からの引用が重複しないよう、ここでは要旨のみを記す)。この記事はアサンを含む周辺一帯に人が押し寄せた様子を伝えているが、2018年の措置そのものへの言及はない。
2026年4月18日には、これとは別に「ヴィークル・フリー・アサン」という名の取り組みが始まった。 ザ・ヒマラヤン・タイムズとラトパティ(いずれも2026年4月9日)によれば、これは毎週土曜日に限ってカマラチ・チョウク〜アサン等の区間で車両通行を制限するもので、代理市長スニタ・ダンゴルは会合で、この取り組みをワード事務所主導・関係者参加のもとで持続可能なものにしていこうと述べた。
開始の翌日、ラトパティ(2026年4月19日)は商店主の間で反応が分かれていると伝えている。 同記事によれば、代理市長スニタ・ダンゴルは、まちは車だけのものではなく市民や歩行者のためのものでもある、という趣旨を述べている。カヴレパランチョーク郡から移り住み賃借で店を構える商店主の一人は、土曜日が休業に近い状態になることで家賃の減免もないまま月あたり8万ルピーの直接の損失になると訴えている(直接引用は前節を参照)。一方、別の商店主は、多少の影響はあるが良いことだという趣旨で歓迎しており、同じ記事の中で賛否両方の声が併記されている。この記事の範囲では、これ以上の反論・追加の検証報道は見当たらなかった。
2018年の措置と2026年の措置の関係について。 今回集めた10本の出典のうち、2026年の2本(ザ・ヒマラヤン・タイムズ、ラトパティ)はいずれも2018年の四輪車禁止に触れておらず、2026年の取り組みを2018年からの継続や再開として説明してもいない。したがって、この記録では両者を同一の連続した事業とは断定せず、同じアサン・インドラチョウク一帯で2018年以降くり返されてきた、車両を制限して歩けるようにする取り組みの系譜として並べている。 2018年の措置が2026年時点でなお(土曜日以外も)維持されているかどうかは、今回の出典からは確認できなかった。
出典
- Car ban in Capitals' core areas from Tuesday — The Kathmandu Post(2018-01-12)
- Four-wheelers barred from city core — The Kathmandu Post(2018-01-17)
- Best foot forward — The Kathmandu Post(2018-02-24)
- Core city areas no-go zone for four wheelers — The Himalayan Times(2018-01-11)
- After Thamel and Pashupatinath, now Ason-Indrachok is also no-vehicle zone — OnlineKhabar English News(2018-01-03)
- Four-wheelers banned in core areas of Kathmandu from today — Setopati(2018-01-16)
- City, traffic police fail to enforce four-wheeler ban at New Road — The Kathmandu Post(2022-09-26)
- Vehicle-Free Asan' campaign to begin from April 18 — The Himalayan Times(2026-04-09)
- Kathmandu to Implement 'Vehicle-Free Asan' Initiative Starting Baisakh 5 — Ratopati(2026-04-09)
- Kathmandu's Asan Market Implements Vehicle-Free Saturdays Amidst Mixed Reactions — Ratopati(2026-04-19)
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