児童養護の施設を出る若者が働いて仕事を覚えるためのホテルを、財団が開いて10年続けている
So Stay Hotel
2015年3月に17室のホテルとして開いた。2023年の取材では新型コロナとウクライナの戦争が財団に重くのしかかったこと、ホテルがウクライナからの避難民も雇うことにしたことが伝えられ、2025年に10年を迎えた。
何をしたか
グダンスクの社会革新財団が、児童養護の施設を出る若者が働きながら仕事を覚えるためのホテルを2015年3月に開いた。
場所はカルトゥスカ通り18番地で、3つ星・客室17室・30人分。食堂と会議室を1室ずつ持つ。建物は市が所有する元警察署で、何年も使われず傷んでいた。改修の費用にはデンマークの Velux 財団が出資し、市は財団に家賃なしで貸している(出し方の書き方は出典で食い違う。discrepancies に並置した)。専門職の従業員が現場で若者に教える。責任者は、働いている若者が施設出身であることを客に知らせない方針だと述べている。
財団は2007年から施設で育つ若者と関わってきたと責任者は述べている。財団はグダンスクとグディニャで子どもの家を運営しており、市とは10年以上組んでいる。2025年に10年を迎えた。
誰が始めたか
始めたのはグダンスク社会革新財団(GFIS)である。 ngo.pl は2025年3月17日に、同財団の社会的企業の責任者 Małgorzata Gojło-Kaligowska への聞き取りを載せている。同氏は、財団が2007年から養護の施設で育つ若者と関わってきたこと、教育と心理の支援があっても、大人として自立する入口で仕事を得て続けることが大きな困難であること、客とのやりとりや多様な人の中で働くといった仕事に要る力と職歴が足りないことを述べている。同氏によれば、ロンドンとベルファストの社会的企業を参考にして、財団の中にそういう仕組みを持つことを考えるようになった。
ホテルの前に、同じ型を小さく試した場がある。 Cooperative City は2023年5月1日に、財団の最初の社会的企業が Orunia 地区のカフェ Kuźnia だったと書いている。同記事によれば、養護の下にある若者を雇って教え、一般の労働市場から来た従業員が指導役として付くという型をそこで確かめた。仕事を得る見込みを上げるには一つの進路だけでは足りないと財団の側が考えたことが、ホテルへ広げた理由だとされる。ホテルなら厨房・清掃・受付・ホテルの運営と進路が分かれるからである。同記事は、この時期にグダンスクの宿泊業が伸びていたこと、当時ポーランドで社会的な使命を持つホテルは障害のある人と働く1軒しかなかったことも書いている。
単独では建てられなかった。 同記事は、財団が当時まだ小さく、ホテルを改修し立ち上げるだけの知識も資金も持っていなかったとし、グダンスク市とデンマークの Velux 財団との協働で実現したと書いている。ngo.pl の聞き取りで Gojło-Kaligowska は、市の側、とりわけ市長 Paweł Adamowicz の支援が大きく、市の資産から建物が使えるようになったと述べている。
いくらかかったか
金額は、参照した3本のどこにも書かれていない。 3本を通しで読み、zł・PLN・mln・tys.・koszt・budżet・euro・funds といった語で検索したが、この事業に関わる額は1つも出てこない。分かるのは誰が何を負担したかだけである。
建物は市が持ち、家賃を取らない。 Cooperative City(2023年5月1日)によれば、建物は市の所有で、以前は警察署として使われ、その後何年も空いたまま傷んでいた。市は財団に家賃なしで貸しており、同記事はこれがホテルが市場で成り立つことを支えていると書いている。
改修の費用の書き方は、2本で食い違う。 Cooperative City は改修は Velux 財団がまかなったと書き、ngo.pl(2025年3月17日)で Gojło-Kaligowska は、Velux 財団が改修と備品を一部助成し、LPP など他の寄付者も資金を出したと述べている。この2つは discrepancies に並置してある。
立ち上げの初期には欧州の資金が入っている。 Cooperative City は、事業が欧州の資金から当初の支援を受け、財務と事業計画・戦略の助言を得るためにコンサルタントを雇えたと書いている。
真似するなら最低何が必要か
1. 本番の前に、同じ型を小さく試した場を持つ。 Cooperative City(2023年5月1日)が書いているのは、カフェ Kuźnia が先にあり、そこで「養護の下の若者+一般労働市場からの指導役」という型を確かめてからホテルに移った、という順序である。ホテルはゼロからの挑戦ではなく、確かめた型の拡大だった
2. 職種が複数あることを、場所を選ぶ条件にする。 同記事によれば、財団は、労働市場で仕事を得る見込みを上げるには一つの進路では足りないと考えた。ホテルは厨房・清掃・受付・運営と進路が分かれる
3. 建物と改修費を別々の相手から取る。 建物は市の所有物を家賃なしで、改修は外部の財団から。財団は当時、単独でこの規模をまかなう知識も資金も持っていなかったと同記事は書いている
4. 一般の労働市場から来た専門職を必ず入れる。 同記事は、実習生が経験のある専門職から学べるようにするために、開かれた労働市場からの従業員を置いていることが重要だとし、厨房・接客とケータリング・ホテルの運営など分野ごとに資格と知識のある人が指導と助言にあたると書いている。全従業員のうち養護施設出身は約30〜40%とされる
5. 社会的な使命を看板にしないという選択もある。 同記事によれば、2015年の開業時、運営側は社会的な面を広報や販売の中心には据えないと決めた。ほかのホテルと同じ土俵でサービスの質と価格で比べられることを選んだ、という説明である。加えて、働いている若者が施設出身であることは館内に掲示しない。Gojło-Kaligowska は ngo.pl で、養護の下にある従業員の私生活を守るためだと述べている
6. 一人でやらないこと。 Gojło-Kaligowska は ngo.pl で、社会的企業を考える人に向けて、決意と、自治体と企業の双方を含む連合づくりが要るとし、単独では非常に難しく、外からの助けが苦しい時期を越えさせると述べている
今どうなっているか
2026年8月時点で確認できた最も新しい記録は、2025年3月17日の ngo.pl である。ホテルは同年に開業から10年を迎えた。
財団の社会的企業を通った人数が、この記事に出ている。 Gojło-Kaligowska は、これまでに、より難しい立場にある人96人が、財団の社会的企業での職業実習と最初の仕事の枠を使ったと述べている。ホテルの現在の評判については、同氏は Booking に682件の肯定的な評価と10段階の9が付いていると述べている。
財団はホテル以外の場も持っている。 同記事によれば、カフェ Kuźnia のほか、オリヴァ公園にあるカフェ Parkolada、そして地区の家「Gościnna Przystań」に入る格闘技とフィットネスの club Granda 77 gym&fight を運営している。同氏は、この10年を支えた最大の力は、始めから一緒にいて、感染症の流行やほかの危機を通して離れなかった人たちだと述べている。
今後については、2023年時点の説明しか無い。 Cooperative City(2023年5月1日)は、財団が当面は活動を広げたり新しい社会的企業を始めたりする計画は持たず、既にある事業の質を上げたいと考えていること、中期的にはホテルの内装の改修を計画していることを書いている。この改修が行われたかどうかを書いた出典は無い。 また、感染症の流行とウクライナの戦争が財団に重くのしかかり、財団が到着した避難民への支援へ活動を組み替える必要が生じたこと、ホテルがウクライナからの避難民も雇って教え進路を用意することにしたことも、同記事に書かれている。
出典
- So Stay Hotel Gdańsk. Pierwszy hotel naprawdę odpowiedzialny społecznie — Hotelarz(2018-10-29)
- So Stay: Poland's first socially responsible hotel — Cooperative City(2023-05-01)
- Pomysł, odwaga, misja – 10 lat firmy społecznej SoStay Hotel GFIS — ngo.pl(2025-03-17)
この記述は間違っていますか。受け取ってから2週間以内に、直すか直さないかを返します。