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若者が出した企画を市民のネット投票で選び、市が1件ずつ資金を出す仕組みを2015年から続けている

Com’ON Cluj-Napoca

ルーマニア / クルージュ県 / クルージュ=ナポカ市

若者が出した企画を市民のネット投票で選び、市が1件ずつ資金を出す仕組みを2015年から続けている
© NapocaNews — この写真が載っている記事

2018年の第3回では最低50件が市の資金で実施されるとされ、2025年の回は123件の応募のうち52件が選ばれた。2026年の回も同じ形で募集が始まっている。

何をしたか

ルーマニアのクルージュ=ナポカ市で、若者が出した企画を市民のネット投票で選び、選ばれた企画に市が資金を出す仕組みが2015年から回を重ねている。

応募できるのは3人以上の若者の組で、選ばれた組は自分たちの手で企画を実施する。応募は立場や年齢で3つの枠に分けられ、枠ごとに採択数が決まっている。

2018年11月に募集が始まった回では、1件あたりの企画予算の上限が9,000レイ、うち市の負担が最大4,500レイとされた。2025年の回では123件の応募から52件が選ばれ、4,326人が19,149票を投じている。運営は Grupul PONT が担い、資金は市役所と市議会が出す。

誰が始めたか

始めたのは Grupul PONT という団体である。 Cluj.com は2025年10月15日に、この団体が2009年に設立され、参加・起業・文化を通じた社会の革新を掲げ、とりわけ若者とデジタル化に重心を置いていると書いている。同記事によれば、第1回の土台は2015年、クルージュ=ナポカが欧州青年首都だった年の枠組みの中で置かれた。 NapocaNews も2026年6月21日に、この事業が2015年にその文脈で Grupul PONT によって始められたと書いている。個人の発案者を書いた出典は無い。

組む相手は年によって書き分けられている。 CLUJLIFE の2018年11月12日の記事では、Com'ON の側から András Farkas が、参加する若者の網を広げるための協働を望んでいるとし、既に Federația Tinerilor din Cluj と Centrul Cultural Clujean が相手になっていると述べている。2025年10月15日の記事では、Federația Tinerilor din Cluj と Cluj for Youth との戦略的な協働として行われ、市役所と市議会、Fondation Botnar、そして Banca Comercială Română(BCR)の支えを受けるとされている。

資金の出し手は行政だけではない。 NapocaNews は2026年6月21日に、この事業の開発(dezvoltarea)は Fondation Botnar が資金を出していると書いている。選ばれた企画そのものへの資金は、2018年の記事では市役所と市議会が出すとされている。

いくらかかったか

事業全体の予算は、参照した4本のどこにも書かれていない。 4本を通しで読み、lei・buget・cost・euro・finanț・fond・milioane・sumă・alocare で検索したが、出てくるのは1件あたりの上限と、選ばれる件数だけである。

1件あたりの決め方は、2018年と2025年以降で違う。 CLUJLIFE(2018年11月12日)によれば、この回は1件の企画予算の上限が9,000レイで、そのうち市の負担は1件あたり最大4,500レイだった。同記事は、企画の予算が4,500レイを超える場合、その上を埋める資金を用意するのは組の側の責任だと明記している。この回は最低50件が市役所と市議会の資金で実施されるとされていた。

Cluj.com(2025年10月15日)と NapocaNews(2026年6月21日)では、1件あたり最大5,000レイという書き方に変わり、市の負担と組の自己調達を分ける記述は出てこない。2025年の回は123件の応募のうち52件が資金を得た。2026年の回については、票を集めた上位50件が年内に最大5,000レイの支援を受ける予定だと NapocaNews が書いている(掲載は投票の前である)。

参加する側の負担は無料である。 2025年10月15日の記事は、選ばれた企画は誰でも無料で参加できると書いている。2026年6月21日の記事は、提案する活動がクルージュの共同体を直接巻き込むものであることと、参加が無料であることを応募の条件として挙げている。

真似するなら最低何が必要か

1. 個人ではなく組で応募させ、条件は人数と居住・就学・就労だけにする。 CLUJLIFE(2018年11月12日)によれば、応募できるのはクルージュ=ナポカに住む3人以上の組で、学歴や経験、性別、民族などによる制限は一切ないとされる。同じ名前で同じ構成の組が出せるのは最大5件までという上限も置かれている。2026年6月21日の記事では、条件は14〜27歳で、クルージュ=ナポカに住むか、学ぶか、働いていること、である
2. 枠を分け、枠ごとに採択数を決める。 2018年の回では、立場の弱い若者が出す企画が特別の区分とされ、その区分から最低5件が資金を得ることと、その区分に入った票は別に数えることが決められていた。2025年の回は3つの枠に3件・13件・36件を割り当てている。2026年の回の枠は Connect(資源や支援の網、投票での動員の機会に不利があると自ら考える組)・Teen(14〜18歳のみ)・Open である。票の多い順に並べるだけでは、動員できる組だけが通るという前提で設計されている
3. 上限を2段にすることができる。 2018年の回は、企画そのものの上限(9,000レイ)と、市が出す上限(4,500レイ)を分け、その差を埋めるのは組の責任とした。2025年以降の記事にこの二段の記述は無い
4. 応募を書く段階に手を貸す人を置く。 2018年の記事は、必要とする若者が主催者から企画の組み立てと文章化について助言を受けられると書いている。2026年の記事では、それが「Com'ON の進行役(Facilitatorii)」という名前の役割になっている
5. 投票の資格を住民票ではなく生活の実態で決める。 2025年の回は、クルージュ=ナポカに住むか学ぶか働いている14歳以上の全員が投票でき、1人が3件から10件までに投票できる形をとった。この回はネット上で9月25日から10月9日まで行われ、4,326人が19,149票を投じている
6. 主題の側にも枠を用意する。 2018年の回は UP(upgrade)という考え方のもとに、空間を見つけて別の使い方に組み替える、新しい話題を公の議論に持ち込む、環境と人と自然の関係を扱う、若い世代が市民になっていく過程を扱う、古いクルージュと新しいクルージュを結ぶ、個々の物語に光を当てる、という6つの区分を置き、1件が複数の区分を選べるようにしていた

今どうなっているか

2026年8月時点で確認できた最も新しい記録は、2026年6月21日の NapocaNews である。同記事によれば、2026年の回は応募が6月19日から7月15日まで、技術面の確認を挟んで、公開のネット投票が7月28日から8月18日まで行われる。掲載は投票の前であり、結果を報じた出典は確認できていない。

直前の回の数字は分かっている。 Cluj.com(2025年10月15日)によれば、2025年の回では123件の応募のうち52件が資金を得て、投票には4,326人が参加して19,149票が投じられた。実施の時期は同年10月から11月とされる。選ばれたものの例として、若い作り手の演奏会と美術展、家族向けの応急手当の講習、チェスの大会、早い流行の衣服に抗する裁縫の集まり、HPV の感染の危険を知らせる働きかけ、植樹、集めた油から環境に負荷の少ない石けんを作る集まり、集めたプラスチックごみを施設や小児病院のための飾りに変える働きかけ、生理用品を寄付する箱の網づくりが挙げられている。この回には、クルージュのウクライナ人の共同体の若者が出した企画が初めて入ったと同記事は書いている。

外からの評価と、外への広がりが記録されている。 2024年、欧州委員会の URBACT 計画が与える Good Practice Label を受けたと Cluj.com と NapocaNews の両方が書いている。NapocaNews によれば、この取り組みは市内の学校へ、さらに Sfântu Gheorghe・Odorheiu Secuiesc・Vaslui・Satu-Mare といった他都市の版へ広がり、2026年の Com'ON Zbor によって全国規模の若者向け参加型予算になった。Com'ON Zbor は Zbor România と Grupul PONT の協働で、BCR の支えを受け、バイア・マレ、ブラショフ、クルージュ=ナポカ、コンスタンツァ、クラヨーヴァ、ヤシ、プロイエシュティ、トゥルグ・ジウ、ティミショアラ、ヴァスルイの拠点で行われるとされる。

内側からの検討も1本ある。 2024年12月、Revista Transilvană de Ştiinţe Administrative に、バベシュ=ボヤイ大学の修士課程の学生 Adelina Maria Pop による2015年から2024年を扱う論文が載った。抄録は、応募と実施を通じた参加が一定して推移したわけではないこと、企画の多くが参加と学びの活動であったこと、回の半数が市の中心部で行われ場所の大半が公共空間であったこと、2024年に初めて私的な空間を選ぶ傾向が見られたことを書いている。抄録はまた、参加者の数と実施する若者の数の比、および応募件数と資金を得た件数に注意を向けることの重要性を挙げている(本文は取得しておらず、抄録の範囲で書いている)。

出典

  1. Începe înscrierea de proiecte la Com'ON Cluj-Napoca '19! — CLUJLIFE(2018-11-12)
  2. Dinamica procesului de bugetare participativă în rândul tinerilor din Cluj-Napoca: Com’ON Cluj-Napoca în perioada 2015–2024 — Revista Transilvană de Ştiinţe Administrative(2024-12-04)
  3. 52 de inițiative propuse de tineri vor prinde viață, în cadrul Com’ON Cluj-Napoca 2025 — Cluj.com(2025-10-15)
  4. Com’ON Cluj-Napoca a dat startul: tinerii clujeni pot primi până la 5.000 de lei pentru a-și pune ideile în aplicare — NapocaNews(2026-06-21)

最終確認日 2026-08-18

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