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歩けるようにする交通・道路・駅25万超

市街地を囲む22マイルの帯を緑道に変え、沿線に安価な住宅を作ると約束した

Atlanta BeltLine

アメリカ合衆国 / ジョージア州 / アトランタ

市街地を囲む22マイルの帯を緑道に変え、沿線に安価な住宅を作ると約束した
© SaportaReport — この写真が載っている記事

2017年8月の AJC は、市議会が求めた5,600戸のうち資金が付いたのはごく一部だったと書いている。2022年3月には53%、2026年4月には79%(4,425戸)に達したと事業体が発表したと報じられた。

何をしたか

アトランタ市の事業体 Atlanta BeltLine, Inc. が、市街地を囲む22マイルの帯を、緑道・公園・路面交通の通る帯にしている事業。Atlanta Magazine の年表によれば、1999年12月に Ryan Gravel が市内45の地区を結ぶ構想を示し、2005年7月に Shirley Franklin 市長が資金を集める Partnership を作り、2006年7月に Atlanta BeltLine, Inc. が作られた。2008年10月に最初の自転車道 West End Trail が開き、2012年10月の Eastside Trail からは沿線で複合開発が続いた。市議会は、この帯の沿線に、市場価格より安い住宅5,600戸を2030年までに作るか保つことを求めている。

誰が始めたか

個人の修士論文から始まっている。 Atlanta Magazine の年表(2017年11月14日)によれば、1999年12月に Ryan Gravel が市内45の地区を結ぶおよそ23マイルの交通の構想を示した。SaportaReport(2016年9月27日)は同氏を、ジョージア工科大学の修士論文で最初にこの構想を出した都市計画家だと書いている。次に動いたのは市議会と市長である。 年表によれば、2001年8月に当時の市議 Cathy Woolard が Gravel と組んで各地区の団体にこの構想を売り込み、2005年7月に Shirley Franklin 市長が民間の資金を集める BeltLine Partnership を作り、2006年7月に公園・園路・交通を作るための Atlanta BeltLine, Inc. が作られた。

担い手は2つの組織に分かれている。 SaportaReport(2016年9月27日)によれば、Atlanta BeltLine Partnership は22マイルの回廊沿いの資金集め・提唱・住宅の手ごろさを担う民間の組織であり、Atlanta BeltLine, Inc. はアトランタ市の一部である公的な事業体で、園路・公園・経済開発・交通を含む事業の実施を担う。

構想を出した本人が、2016年に理事を降りている。 同記事によれば、9月26日に Ryan Gravel と Partnership for Southern Equity の創設者 Nathaniel Smith が、公平さと手ごろさへの力の入れ方が足りないとして Atlanta BeltLine Partnership の理事を辞任し、理事長 Mike Donnelly に手紙を送った。同記事はその手紙の全文を載せている。 手紙は、2005年に Partnership が Friends of the Belt Line を吸収したときに、事業に命を与えた人たちの草の根の声を運ぶ経路が失われ、組織は新しい公園と園路の取得のための民間資金の調達に主な焦点を移したと書いている。手紙はまた、南部と西部アトランタの手当てを受けてこなかった地区が無ければ、Tax Allocation District は州法のもとで認められず、この考えは棚でほこりをかぶっていただろうとも書いている。 Gravel は同記事で、自分は BeltLine を信じており、それが誰にとってのものにもなりうると信じていると述べ、遅すぎるとは思わないと述べている。Smith は、BeltLine に反対しているのではなく、誰もが豊かになれるように BeltLine が自分の役目を果たすようにすることだと述べている。Donnelly は同記事に寄せた声明で、辞任の手紙を受け取ったこと、両氏との関係を組織は大事にしていること、公平な開発の課題を進めるために引き続き協力することを述べている。

責任者は何度も代わっている。 出典に名前が出るのは、2017年の Atlanta Beltline Inc. の president and CEO Paul Morris(AJC 2017年8月9日)、2022年の chief operating officer Ruben Brooks(Atlanta Civic Circle 2022年3月23日)、2026年の President and CEO Clyde Higgs と、住宅政策・開発担当 Vice President の Dennis Richards(SaportaReport 2026年4月2日)である。

いくらかかったか

事業全体にいくらかかったかは、参照した8本の読める範囲のどこにも書かれていない(AJC の2本はキャッシュの途中から順序が崩れており、そこは読めない。editor_notes 参照)。書かれているのは、資金の元になる仕組みと、個々の案件の額である。

元になっているのは税である。 Atlanta Magazine の年表によれば、2008年2月にジョージア州最高裁が、BeltLine は学校税——その資金の3分の1——を建設に使えないと判じた。2016年11月には、住民が BeltLine の交通と自転車道を作るための売上税の引き上げを承認した。SaportaReport(2026年4月2日)で Dennis Richards は、Tax Allocation District の成績がよく、その結果として組織に資本が入り、先回りして土地を取得して公平な再開発に据えられるようになったと述べている。

安価な住宅にいくら回ったかは、年ごとに測られている。 SaportaReport(2016年9月27日)が載せた辞任の手紙は、TAD 債による750万ドルという当時の発表について、ABI の5,600戸の義務のうちおそらく200戸に満たない数しか支えないだろうと書いている。 AJC(2017年7月13日)は、市が数千戸の安価な住宅を建てるよう義務づけたのに事業体ははるかに遅れており、目標に届かないかもしれないとし、記録は、その戸数を倍以上にできたはずの数百万ドルの資金を見送ったことを示していると書いている。 同記事に添えられた地図の注記によれば、当時できていたのは785戸で、その多くは仕事や良い学校の近くではなく回廊の南半分に沿っていた。

個別の案件では額が分かる。 AJC(2017年7月13日)によれば、Lofts at Reynoldstown Crossing は開発業者が510万ドルをかけて古い倉庫を分譲住宅に変えたもので、Atlanta Beltline Inc. が中所得の家族に頭金の補助を出した。同記事は、そこの2寝室の住戸が34万ドルで売られたこと、これが2012年に安価な住宅の計画の一部として売られた額の2倍を超えることを書いている。 Atlanta Civic Circle(2022年3月23日)によれば、Peoplestown の Skyline Apartments は250戸すべてが地域の中位所得の60%以下の世帯向けで、Atlanta Beltline Inc. の安価な住宅の信託基金から200万ドル、Invest Atlanta から4,000万ドルの非課税債、ジョージア州の Department of Community Affairs から4%の低所得住宅税額控除などを組み合わせて資金がそろった。同記事で Ruben Brooks は、安価な住宅の取引では補助と篤志の拠出が絡み、その資金がまとまるまでに時間がかかると述べている。

2026年の案件にも額がついている。 SaportaReport(2026年4月2日)によれば、579 Garson Drive の130戸には BeltLine の200万ドルの融資と、低所得住宅税額控除を通じた4,300万ドルの出資が入り、Bennett Street ではバックヘッドの3.2エーカーの区画を2,900万ドルで取得した。同記事によれば、これまでに94エーカーが安価な住宅と商業の空間を広げるために確保されている。

真似するなら最低何が必要か

1. 回廊沿いの税の増収分を回廊に戻す仕組み。 SaportaReport(2016年9月27日)が載せた辞任の手紙は、南部と西部アトランタの手当てを受けてこなかった地区が無ければ Tax Allocation District は州法のもとで認められなかっただろうと書いている。 仕組みの側にも制約はつく——Atlanta Magazine の年表によれば、2008年にジョージア州最高裁は、資金の3分の1にあたる学校税を建設に使えないと判じた。2016年11月には住民投票で売上税の引き上げが承認されている。
2. 戸数と期限を議会の側に置くこと。 AJC(2017年7月13日)と Atlanta Civic Circle(2022年3月23日)はいずれも、市議会が回廊沿いに5,600戸の安価な住宅を2030年までに作るか保つことを求めたと書いている。 この数字があったからこそ、2017年に「まだ785戸」、2022年に「53%・約2,970戸」、2026年に「79%・4,425戸」と外から測ることができた。約束が数と期限の形になっていない事業は、遅れているかどうかを外の誰も言えない。
3. 園路より先に土地を押さえること。 SaportaReport(2026年4月2日)で Dennis Richards は、以前は好調に伸びる園路にあとから手ごろさを付け足さねばならなかったが、いまは先回りして動けると述べている。 同氏によれば、この基盤の事業を地区に通せば周りの不動産の値と人気が上がるので、園路ができる前に土地を買い、地域と一緒に計画を立てて、住戸と商業の区画をあらかじめ安価なものに取り分けることができる。
4. 進み具合を外から見られるようにすること。 同記事によれば、Atlanta Beltline, Inc. は2026年の初めに Affordable Housing Dashboard を立ち上げ、住民が回廊沿いの安価な住宅の開発を見られるようにした。
5. 外からの監視を前提にすること。 この事業の記録が残っているのは、AJC が2017年に調査報道を出し、Atlanta Civic Circle が2022年に着工の現場で市長に進み具合を尋ね、SaportaReport が2016年の辞任と2026年の発表の両方を書いたからである。AJC(2017年10月18日)は、草の根の Housing Justice League の報告が、Memorial Drive から Hill Street までの回廊沿いのすべての地区で年収25,000ドル以下の人の数が減ったこと、I-20 と回廊のあいだのすべての地区で白人以外の持ち家の割合が下がったことを、国勢調査のデータの分析として示したと書いている。同記事は、この報告が査読を経た正式な研究ではないこと、詳しい聞き取りの相手の多数がこの団体の関係者であることも併せて書いている。
6. 順序を間違えたときに何が起きるかを見ておくこと。 AJC(2017年7月13日)によれば、BeltLine の計画に携わった側は10年前の時点で不動産の値が跳ね上がる証拠を持っており、住宅の専門家は、それが歴史的に黒人の地区から高齢者や中間層・働く層の住民を押し出しうると懸念を示していた。同記事は、2012年に安価な住宅として売られた住戸が2017年には倍を超える値で売られたことを、その具体の例として挙げている。

7. 賛成が多いことと、実際に使われることを分けて考えること。 学術誌 Urban Planning に載った論文(2017年9月8日、Douglas Noonan・Shan Zhou・Robert Kirkman)の要旨だけが取れている。要旨は、一般向けの調査の分析から、BeltLine への広い賛成と、通勤や緑地の使い方を変えることへの住民のためらいが同時に見られること、賛成を生む要因と実際に使うかどうかを生む要因が違うことを述べ、個々人の使う判断が続かなければ賛成だけでは足りないかもしれないとしている。 本文は取れていないので、ここに書けるのは要旨の範囲に限られる。

確認できないものは、事業全体の費用、22マイルのうち園路として開いた距離の最新の値、路面交通の計画がいま何合目にあるか、そして安価な住宅4,425戸に実際に誰が住んでいるかである。 いずれも参照した8本に記述が無い。

今どうなっているか

2026年8月時点で確認できた最も新しい記録は、SaportaReport の2026年4月2日の記事である。

同記事によれば、Atlanta Beltline, Inc. は同日、これまでに4,425戸の安価な住宅を建てるか保ったと発表した。これは目標の79%にあたり、自ら課した2030年の期限よりかなり早い。 同記事によれば、2025年には BeltLine とその相手方が299戸を引き渡し、2026年にも予定が並んでいる。同記事は、いまの年300〜500戸の速さを保てれば2030年の目標を超えることになると書いている(超えたとは書いていない)。 同記事によれば、2018年以降に回廊沿いの安価な住宅の戸数は倍以上になった。

中身の条件も書かれている。 同記事によれば、住戸のおよそ4分の3は地域の中位所得(AMI)の60%以下で稼ぐ人のために取り分けられている。同記事は、この基準のもとでアトランタ圏では4人世帯の年収91,000ドルまでが低所得とみなされると書いている。これらの戸数は、Dickens 市長が掲げる2030年までに市全体で20,000戸という目標の一部にも数えられている。Dennis Richards は、世帯の規模が小さくなっており、この地域は2050年までに200万人近くを迎えることになるとし、手ごろさは急を要する問題だと述べている。

2026年に動いている案件も並んでいる。 同記事によれば、Murphy Crossing は市議会の用途地域の変更の承認を受け、第1期の準備が進み、解体は秋までに終わる予定である。579 Garson Drive の130戸と、350 Chappell Road の218戸(AMI の30〜80%)はいずれも年内に成立する予定で、425 Chappell Road は用途地域の変更の承認を受けて最初の段階に入り、できあがれば約150戸と5,000平方フィートの安価な商業の空間になるとされている。Bennett Street ではバックヘッドの区画の取得が済み、解体が秋までに終わる見込みである。

5年ごとの並びで見ると、増え方は途中で変わっている。 AJC(2017年7月13日)の時点で785戸、Atlanta Civic Circle(2022年3月23日)の時点で53%・約2,970戸、SaportaReport(2026年4月2日)の時点で79%・4,425戸である。2022年の記事で Dickens 市長は、この時点で折り返しを越えているはずだったと述べ、あわせて5,600戸という数字自体が自分の考えでは低い目標だとも述べている。 同記事は、この園路がいまでは広くジェントリフィケーションの原動力と見なされていると書いている。

2026年4月より後を書いた出典は無い。 発表された79%がその後どう動いたかは、参照した8本のどこにも書かれていない。

出典

  1. A timeline of the Atlanta BeltLine (so far) — Atlanta Magazine(2017-11-14)
  2. Ryan Gravel and Nathaniel Smith resign from BeltLine Partnership board over equity concerns — SaportaReport(2016-09-27)
  3. Atlanta Beltline fails to deliver on promise for affordable housing — The Atlanta Journal-Constitution(2017-07-13)
  4. Beltline CEO: I put affordable housing first, but deserve a 'C' for effort — The Atlanta Journal-Constitution(2017-08-09)
  5. Advocates: Data reveals signs that poor are being pushed out of Atlanta Beltline neighborhoods — The Atlanta Journal-Constitution(2017-10-18)
  6. Making Smart and Sustainable Infrastructure Projects Viable: Private Choices, Public Support, and Systems Constraints — Urban Planning(2017-09-08)
  7. Peoplestown project puts Beltline halfway to affordable housing goal, but more units needed — Atlanta Civic Circle(2022-03-23)
  8. Beltline on track to exceed goal of 5,600 affordable homes by 2030 — SaportaReport(2026-04-02)

最終確認日 2026-08-19

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