200年前の古城の堀のまわりを週末だけ歩行者に開き、祭りと公演で3年に130万人を集めた
phố đi bộ Thành cổ Sơn Tây
2022年4月30日の開業から2025年4月の3周年報道まで、来場者数(4か月で25万人超→1年弱で42万人超→3年で130万人超)と公演回数の推移を複数年にわたって追える。
何をしたか
ハノイ市中心部から西へ約40km、ソンタイ市社(thị xã Sơn Tây)にある1822年築の古城「Thành cổ Sơn Tây」の周囲で、2022年4月30日、週末だけの歩行者天国が開業した。対象はフォー・ドゥック・チン-ファン・チュー・チン-グエン・タイ・ホックの3通り、総延長約820m・面積約34,550平方メートルで、毎週土曜19時から日曜正午まで車両を締め出す。ハノイ市内では、ホアンキエム湖畔・旧市街・チン・コン・ソン通りに次ぐ4番目の歩行者天国とされる。通り沿いでは民族舞踊や伝統芸能、屋台グルメ、OCOP産品の紹介、観賞用生物の市が開かれ、堀の外では小舟遊びもできる。
誰が始めたか
実施主体はソンタイ市社人民委員会(UBND thị xã Sơn Tây)である。開幕式では、ソンタイ市社党委書記チャン・アイン・トゥアン氏が、この歩行者天国は200年の歴史を持つ古城のまわりに地域の文化共同体空間をつくる重要な役割を担い、週末ごとに観光客と地元住民をソンタイへ呼び戻すことでサービス経済を後押しし、シュ・ドアイ(xứ Đoài)文化の保存・振興にもつながると述べたと、Vietnam+は2022年5月1日に伝えている。
その後の運営は、市社の文化情報スポーツセンター(Trung tâm Văn hóa Thông tin và Thể thao)、市社青年団(Thị Đoàn Sơn Tây)や各種クラブ・団体が担っている。2023年4月6日付のNhân Dân紙は、通り管理常任委員会副班長グエン・ダン・タオ氏の発言を紹介し、祝祭日には専門の芸能団体による公演も加わると書いている。
いくらかかったか
参照した5本のどこにも、歩行者天国そのものの総事業費は書かれていない。unknown_fieldsにfunding_scaleを申告する。
分かるのは断片的な数字だけである。2023年4月6日付のNhân Dân紙は、通り管理常任委員会副班長グエン・ダン・タオ氏の発言として、財政に余裕がない中で「社会化」(xã hội hóa、企業・団体・住民からの協賛募集)を進め、概算で数百億ドン相当の協力を集めたと伝えているが、正確な額や内訳は示されていない。同紙はまた、遊歩道の整備、古城周辺の植樹、鳩80つがいの飼育、遊歩道沿い250個の提灯の設置、堀への注水といった、歩行者天国を彩るための整備が行われたと書いている。
商業面では、2022年10月5日付のVietnam+によれば、開業4か月時点で通り沿いの営業には147の店舗・世帯が選ばれて参加した。2023年4月6日付のNhân Dân紙では、この時点で57世帯が商いを営んでいたと書かれている。
真似するなら最低何が必要か
第一に、通り沿いの商業地区や周辺の宿泊施設と一体で設計すること。2022年10月5日付のVietnam+によれば、開業後、周辺のGlory resort・Thảo Viên resort・Làng Mítなどの宿泊施設で稼働率が20〜30%増え、週末は11月まで予約で埋まったと報じられている。
第二に、車両規制だけでなく文化プログラムを継続的に供給すること。2023年4月6日付のNhân Dân紙は、開業からおよそ1年で350回の文化芸術・スポーツ公演が行われたと伝え、土人形作り(nặn tò he)・書道・肖像画・竹の棒踊り・綱引き・バルーンアートといった民俗遊びが毎週催されていることを挙げている。
第三に、試験運用の初期段階から課題を隠さずに記録しておくこと。2022年10月5日付のVietnam+は、開業4か月の時点で堀の水面や一部箇所のゴミ、歩道上の駐輪、歩行者天国内でのバイク通行、路上での物売りといった課題がまだ根本的には解決されていないと明記しており、成功だけでなく試験運用中の限界も率直に伝えている。
第四に、より大きな都市の看板企画に位置づけて発信すること。2022年5月1日付のVietnam+・Tuổi Trẻ Onlineはいずれも「ハノイ市内4番目の歩行者天国」という枠組みでこの通りを紹介しており、2025年4月24日付のハノイ市文化スポーツ観光局のポータルも同じ順位づけを踏襲している。
今どうなっているか
2025年4月24日時点で確認できたのは、ハノイ市文化スポーツ観光局(Sở Văn hóa, Thể thao và Du lịch Hà Nội)のポータル記事までである。
歩行者天国そのものは、開業から3年で来場者が130万人を超えたと同記事は伝えている。運用日の来場者は1晩あたり平均で1万人近くと見積もられており、中秋節の祭り、古城築城200年記念式典、歌手トゥアン・フンのライブショー「Nắm lấy tay anh」などが節目のイベントとして挙げられている。
同記事はまた、2024年をソンタイ市社にとって観光面で成功の多い1年だったと位置づけている。史跡・観光地への来訪者は115万5千人超(うち外国人36万人超)に達し、市社設立100周年・ソンタイ解放70周年・「ソンタイ」の地名555周年の記念式典を開いて労働勲章二等を受けたという。観光の伸びを背景に、2024年の市社歳入は2兆2,600億ドン超(計画比146.2%)、市社全体の平均所得は1人あたり年73.5百万ドンで前年より5%増えたと記事は書いている。ただし、この歳入・所得の伸びのうちどこまでが歩行者天国そのものに起因するかは、同記事では切り分けられていない。
同記事は、2025年4月26日夜にソンタイ市社が歩行者天国の運営を総括するイベントと特別な芸能プログラムを開き、「2025年ソンタイ・シュ・ドアイ観光年」の開幕式を兼ねる予定だとも書いている。歌手トゥン・ズオンやハー・ミョらの出演が予定されているというが、これは記事執筆時点(2025年4月24日)での予定であり、実際に開催されたかどうかを確認できる出典は参照できていない。
縮小・閉鎖を伝える記述は、参照した5本のどこにも見当たらない。2022年10月時点の記事はゴミ・路上駐輪・バイク通行・物売りといった試験運用中の課題を指摘しているが、それがその後どう解決されたか、あるいは未解決のまま残っているかを確認できる後続の出典は無い。
出典
- Khám phá phố đi bộ bên Thành cổ Sơn Tây hơn 200 năm tuổi - Tuổi Trẻ Online — Tuổi Trẻ Online(2022-05-01)
- Hà Nội: Phố đi bộ Thành cổ Sơn Tây nhộn nhịp trong ngày đầu mở cửa — Vietnam+(VietnamPlus、TTXVN)(2022-05-01)
- Phố đi bộ Thành cổ Sơn Tây thu hút 25 vạn khách sau 4 tháng hoạt động — Vietnam+(VietnamPlus、TTXVN)(2022-10-05)
- Tăng sức hấp dẫn cho phố đi bộ quanh Thành cổ Sơn Tây — Nhân Dân điện tử(2023-04-06)
- Tuyến phố đi bộ Thành cổ Sơn Tây thu hút gần 1 vạn khách mỗi tối – Cổng thông tin Sở Văn Hóa Thể Thao Hà Nội — Cổng thông tin điện tử Sở Văn hóa, Thể thao và Du lịch Hà Nội(2025-04-24)
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